みんな私に振り向いてくれる
私、りんご。
学校に通っている学生よ。
身だしなみもバッチリ、お肌ツルツル!
というわけで学校に行ってきまーーーす!
通学路を歩いた。
今日は何だか視線を感じるわね。
いいえ、今日『は』じゃない。今日『も』ね。
最近私は学校に行くと誰もが振り向いてくれるようになったの。
私、もしかしてモテ期到来!?
どうしよう、私に惚れている人がいたら……!
学校に着いた。
みんな相変わらずこっちを見てくる。
ふふ、もっと見てくれてもいいのよ?
私はアイドルになった気分で席に座った。
「あ、りんごちゃん」
「おはようみかんちゃん!」
この娘は友達のみかんちゃん。とっても可愛いよ!
「私達、今日も見られてるね。」
「うん!」
実は見られてるのは私だけでなく、みかんちゃんもなんだ。
「緊張するよ……」
「大丈夫!私、毎日みんなが振り向いてくれるのに満足してるから!」
「りんごちゃんすごいな~……」
みかんちゃんは照れ屋な娘だからね!
でも先生からはイジメられるんだ。
プリントやテストを私とみかんちゃんにくれなかったり、勉強道具もくれなかったり。本当に先生は嫌い!プンプン!
ジローーー……
だから先生を思いきり睨みつけた。
でもこっち向いたのに気付いてくれないよ?なんで?
……もしかして本当は、先生は私の事が好きで、注意するに出来ないのかな?
だったら言ってくれればいいのに~♥も~♥
休み時間もみかんちゃんと遊ぶ。でも何故かみかんちゃん以外に「遊ぼう」って声をかけてくれる人がいないんだ~。あ、もしかして先生と同じ理由かな?
「……りんごちゃん、顔が赤いよ?」
「え~?そうかな~?えへへへへへ♥」
「……余計赤くなったって事だよ。」
「……へ?」
「目を覚まして!」
「……急にどうしたのみかんちゃん?」
みかんちゃんの様子がおかしい。
何か言いたげな様子である。
「困ってる事があったら何でも言って!私、力になってあげるよ!」
「……もう一度言うよ。目を覚まして。」
「目?私、起きてるよ?どうかした?」
「……あなた、本気で自分と私が人間だと思ってるの?」
「……へえ?」
な、何を言って……
「私達は『果物』よ?振り向かれるのも当たり前だしプリントやテストが配られないのも当たり前だよ。」
「……。」
誰がりんごちゃんとみかんちゃんが人間の少女だって言ったのですか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます