第28話 ガキンチョ、再スカウトされる
「まあそんな事もあるさね」
一通り事情を説明した後、師匠はあっけらかんとそう言った。
「ありましたねえ」
事実は事実なので私はそう肯定した。
「あるんですねえ」
ガキンチョも今更ながら振り返って自分で不思議そうにそう言った。
「で、今はただの居候かい?」
師匠はざっくりとそう聞いてきた。
「あーてぃすと、けん、はうすきーぱー、です!」
ガキンチョは大きな声で反発した。
「そうかいそうかい、まあ何も変わっちゃいないね」
師匠は正しい事をおっしゃった。
「それともまた店番でもしてくれるかい?」
師匠はそう言った。ガキンチョは前世でこの店で働いていたこともある。
「うーん」
ガキンチョはうなった。
「しょくばいがわからないからなあ」
それが元夫現ガキンチョの弱みだった。
それに師匠の店で扱ってる触媒は野営を含む生活補助のものが多い。従って来るお客さんは男性冒険者が多く、一応はイケメンに分類されていた元夫は、あまりその見た目が売りにならず、ただの無知な青瓢箪と客から呆れられていたのである。
「今ならぴったりじゃないか」
どうせ無知ならかわいい幼女のほうが余程いい、と師匠は言った。
「うーん」
ガキンチョは納得しきれないようだ。
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