夫婦でお店へ

第26話 ガキンチョ、ちょっと悩む

「さて納品だ」

喫茶店を出て一度お店に行くことにした。


「どうしようかなあ」

ガキンチョは悩んでいた。


「どうした?」

インスピレーションでもわいたか?


「おみせにいくべきかどうか」

ああそっちね。


「別にいいじゃない」

私はこともなげに言った。


「しりあいにこのすがたであうのは」

そんな事を気にしてたのか。


「バレないとおもうよ」

というかバレても大したことないと思うよ。


「うーん、いやだなあ」

ガキンチョは案外気にしているようだ。


「元から大して目立たなかったじゃん」

私は正しい事を言った。


「そんなことないもん」

ガキンチョはぷいと横を向いて反論した。


「こんなすがたでいったらからかわれる」

ガキンチョは前世から自分が目立つのを好まなかった。


「わかりゃせんからついてこい」

私は重ねて正しい事を言った。


「幼女をこんな街中に放置できるかい」

手を引っ張って強引に連れて行った。


「あああ、こころのじゅんびが!」

ガキンチョは悲鳴とも言えない足掻きの声を上げた。

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