第25話 彼女の解説

「これがわたしのみちだった!」

ガキンチョは鼻高々にそう言った。まあ何でも挑戦してみろい。


「まあ多様人の冒険者だって居るだろうしね」

私は旦那の転向を和らげるためにもそうフォローした。


「……実際、本来の意味での冒険者は多いよ」

リザードマンの彼女はそう補足してくれた。


「本来の意味?」

私は思わず訊き返した。


「あなたたちにとっての冒険者って、大体は私的討伐隊でしょ?」

多様人の場合はそれと少し違うと言った。


「私達は居住可能地域の探索や資源調査が多いからね」

そういうものなんだ。


「そうしたら夫婦揃っていい方向かもよ?」

リザードマンの彼女はそう補足してくれた。え?なんで?


「やあねえあなた。自分の商品がどう使われてるのか知らないの?」

え?いやあ?えーと、あんまり考えた事なかったなあ。


「私達の探索には魔法使いが同行することが多いのよ」

え、そうなの?


それぞれの探索チームで主従は違うが、未踏地域探索によるメリットは実は魔法使いと多様人とで共通しているとの事だ。


「私達も魔法使いも敵なんか倒したってしょうがないからね」

なるほどなるほど。


「夫婦で触媒と装飾品を売り出せばいい感じじゃない?」

なんか前途に光が見えた気がする。


「まあものは試しよ。やってみたら?」

たしかにたしかに。


「ひかりがみえたぜ!」

ガキンチョも大いに乗り気になったらしい。

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