第24話 彼女の提案
「旦那ちゃん、いっそ私達向けのデザインもしてみなよ」
リザードマンの彼女は予想外の事を言った。
「ええ!?」
ガキンチョはビックリした。
「多様人の?」
私はガキンチョが失礼な言葉を使うのを恐れて大きい声でそう言った。モンスターだの亜人種だのという言葉は差別発言なので、今はそういう言い方になっている。
「私がそういうの欲しいのよ」
リザードマンの彼女は説明してくれた。
「私達はあなた達みたいに服は来ないしね」
言われて気がついたが確かに彼女は裸である。いろいろ装飾は多いが。
「でも装飾も難しくてねえ」
彼女の装飾はセンスは良くてもあくまで人間向けのを改造したものだ。
「旦那ちゃんがそういうの描いたらウケるかもよ」
なるほどそれは新しい視点かも。
「…………」
ガキンチョはリザードマンの彼女をまじまじと見ている。
「……ひらめいた!」
そう言うとノートにさささっとイラストを書いてみた。
「これでどうだ!」
ガキンチョは鼻高々に描いたイラストを見せてきた。
「あら!いいじゃないこれ」
リザードマンの彼女はお愛想でもなくそう言ってくれた。
金ピカ好きのリザードマンの感性と、ゴテゴテ好きのガキンチョの感性が合致したのか、それは私からみても案外と似合うデザインに思えた。
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