リザードマンの彼女

第21話 彼女の都合

「おねえさんはどうしてここではたらいてる?」

ガキンチョは私も興味あった質問をあっさりと発した。


「私は元々都会生まれだったけど」

都会といってもリザードマンの世界での話だと付け足した。


「こっちのほうが生活が楽なのよね」

リザードマンの彼女はあっさりとそう言った。


「人間の街は基本的にお金があればそれで済むし」

なんか豪気な事をおっしゃった。


「私は金鉱の権利を持ってるの」

なんと!?


「それの取り合いなんかするよりこっち来ちゃったほうが楽だっただけ」

それなのに喫茶店で働いてるの?


「……楽な分だけやることないんだよね」

そう言ってリザードマンの彼女は少し照れるように笑った。


「狩りや剣闘がないのは助かるけど、ないとそれはそれでヒマ」

なるほど、優雅な話だけど判る気がする。


「いろいろあるんだねえ」

ガキンチョもしみじみとそう言った。

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