第13話 魔法使いのイラスト

「……うーむ……」

今度はなかなか決まらないらしい。


「見せて見ろい」

私はイラストを奪った。


「あ、まだできてないってば」

ガキンチョは奪い返そうとするが左手で抑えてイラストを見た。


「あらこれはいいね」

私は素直に称賛した。


「こういう方向でいこうよ」

シンプルながら袖や裾がスマートでスタイリッシュだった。


「それまだかきかけだってば」

ガキンチョ的にはまだまだ装飾が足りないらしい。


「実際に魔法使う人も服装シンプルだし」

私は実際の経験からそう諭した。


「だからこそいかん!」

ガキンチョは憤慨した。


「ゴテゴテしてたら動くのに邪魔だぞ」

私は正しい事を言った。


「ごてごてしてないとりべーとがでぬ!」

ガキンチョのゴテゴテ好きは意外と現実的な理由からだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る