第12話 戦士のイラスト
「これでどうだ!」
ガキンチョは会心の声を上げた。
「うっはあ」
私は思わず感嘆してしまった。
「これは城か?」
私は見えた通りの感想を言った。
「さいきょうのせんしだ!」
なんだとお!?
「……あ、この旗みたいの剣なのね」
せめてものフォローをしたが否定された。
「それはやりだ!」
ああそうかい。
「……脚ないじゃん?」
私は当然の指摘をした。
「あしなどだしていたらあぶない!」
ガキンチョは筋が通ってそうな事を言った。
「動けないじゃん」
私は正しい事を言った。
「ないぶであしをうごかすのだ!」
まるで演劇の木の役のようである。
「重そうだ」
私は正しい事を言った。
「せんしならそれくらいは!」
前世でひょろひょろだったガキンチョは戦士に誤解があるらしい。
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