6話 林間学校でおねしょ
そして翌朝、私は下半身に不快な感覚を覚えながら目を覚ました。
布団の中を確認すると、そこは濡れていてとても気持ち悪い状態だった。
「どうしよう」
そう呟くが周囲は既にみんな起き始めている。
隠すのはもはや不可能だ。
「ねえ、何か臭わない?」
誰かがそういう。
おしっこの匂いで誰かがおねしょをしたのは明白だ。
そして視線が私の方に集まる。
「あの、これはその」
「あなた、おねしょしてるでしょ」
そう言われ掛布団を剥がされる。
私は股間を両手で隠すが染みは隠しようがなかった。
「やめて! 見ないで!」
「ちょっと、中2にもなっておねしょとか恥ずかしくないの?」
「うっ、ぐすん」
「ちょっと、泣いて済むものじゃないでしょ」
「ねえ、でもこの子一人のおねしょにしてはおしっこの匂い強くない?」
他の誰かがそういう。
そしてみんなの視線は他にもいるのかというように彷徨う。
そしてちょうど凛ちゃんと渚ちゃんが布団の上で上半身を起こした状態で下半身を布団で隠したまま動かずにいるのが不自然に目に留まる。
「もしかして二人とも?」
「ち、違います」
「私たちは違うって」
二人は必死に否定するが、昨日のお漏らしの事もあって信じてもらえなかった。
みんなは凛ちゃんと渚ちゃんの布団も勢い良く剥がす。
するとやはり布団にはおねしょの染みがあった。
「やっぱり二人ともおねしょをしてるじゃん」
「しかも、こっちの子なんか布団の下まで濡らしているみたいだけど」
「うぅ、ぐすん」
「もう、泣かないでよ。本当にガキなんだから」
「結局3人もおねしょするなんてどうなってるの?小学生じゃないのに」
「ほんと、情けないわね」
私は泣き出してしまいそうになるが何とか堪える。
すると、先生が部屋に入ってきた。
「皆さんおはようございます。あらら、今回もですか。まあ林間学校じゃ毎回数人はおねしょするので珍しくはないですが……今日の晩は3人だけ別室で就寝してくださいね」
「そんな」
私はショックを受けた。
「仕方がないわよね。こんなに大勢の前でおねしょをしたんですから」
「はい、ぐすん」
「ほら、いつまでも泣いていないでシャワーを浴びてから着替えなさい」
「分かりました」
私は顔を上げて立ち上がろうとする。
しかし、腰を上げた瞬間、再びお尻から生暖かい感触が広がる。
「ひゃっ」
思わず声を上げてしまう。
「またお漏らしかしら?」
「あ、いえ」
「ちょっと、何を隠しているの?」
「そ、それは」
私が慌てて隠そうとするとお尻からポタポタと雫が垂れる。
「ああ、もう! 早く出しなさい」
「はい……」
私は観念して手をどける。
そこには大きな染みが広がっていた。
「ちょっと、やっぱり漏らしちゃってるじゃない」
「ごめんなさい……」
「まったく、しょうがないですね」
先生に連れられ私達は大浴場へと向かった。
脱衣所で服を脱ぎ裸になると浴室へと入る。
本来なら入浴時間じゃないので、入浴してるのは私達3人だけだった。
「まったく、どうしてあなたたちみたいな子が毎年出てくるのかしらね」
「すみません……」
「謝っても仕方がないでしょ。ほら、洗うからそこに座りなさい」
「はい」
私は先生に言われた通り椅子に座る。
そして先生は石鹸を手に取り泡立てる。
「とりあえず、今日はおねしょした罰として身体を隅々まで洗いなさい」
「え、でも」
「いいから言うことを聞きなさい」
「は、はい」
私は先生に逆らえず、言われるがまま体中を綺麗にする。そして髪の毛も丁寧に洗った。
「ふう、これでよしっと」
「あの、ありがとうございます」
「別に気にしないでください。これも仕事のうちなので。それじゃ食堂に行きましょう。朝ごはんの時間ですよ」
「はい」
私達は体を拭き服を着ると食堂に戻り食事を取った。
食堂では他の子たちが私達を奇異な目で見てきたので居心地は悪かった。
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