第15話

ジリリリと音がして、目が覚める。目が覚めて、ベットから降りて、日付と時刻を確認する事にした。日付は、7月6日の土曜日となっていて、時間は目覚ましでセットした時刻。朝の七時となっている。いつもなら、ここから制服に着替えるのだが、今日は、学校が休みなので、制服に着替える必要は無く、白いパジャマ姿で、リビングに向かう事にした。

リビングに向かうと、朝食を作っている水無月文香さんがいた。


「あら、あかね、今日は学校無いのに、早く起きたのね?」


「うん、目覚ましをいつもと同じ時間にかけたから」


「そう、それはいい事だわ、あ、もうすぐ朝食出来るから、一緒に食べましょう」


「は~い、あ、手伝うよ」


「ありがとう、あかね」

俺は、文香さんの手伝いをする事にした。そして、出来た朝食は、トーストにハムエッグ、野菜サラダの洋食な感じの朝食だった。朝食を文香さんと二人で、食べ終わって、自分の部屋に戻る。今日は、これから何しよっかな~と思い、今日と明日は、街でお祭りをやっているので、下見も兼ねて、見学する事に決めて、服を着替える事にした。着てるパジャマを脱いで、下着姿になり、どれを着ようか悩んだ末……動きやすい、白色のTシャツと青色の短パンを履く事にした。鏡面台で、身だしなみを整えて、外に出る。

外の天気は、物凄い快晴で、こんな天気だと麦わら帽子とかつけてもいいんじゃないか? とか、思うほどである。俺は、まず……何所に行こうかと悩んで、街に向かう事にしたのであった。家から街まで、数十分歩いて、商店街と思われる場所にたどり着く。

商店街は、お祭りの準備をしているのか、組み立てる前の屋台とかおいてあったり、浴衣を着ている人もちらほら見かけたりした。

浴衣か……水無月あかねの家にもあるのか? いや、あの文香さんの事だから、絶対にあると思われる。そんな事を思いながら、商店街の中を歩いていると


「あ、あかね?」

俺に、話しかけてきたのは、笹村理恵子だった。笹村理恵子の姿は、ピンクのワンピースに白のスカート姿で、かなり可愛い感じに、仕上がっていた。


「あ、理恵子、おはよう」


「こんな所で、何をしてるの? あかね?」


「散歩かな? そういう理恵子は、何してんの?」


「私は、買い物よ、まあ買い終わったから、遊びに行こうかなって、思ってるわけ、あ、そうだ……あかね? 暇だったら、遊びに行かない?」


「暇だから、いいよ」


「じゃあ、決まりね? 夜は、お祭りだから、夜まで何所に行こうかって事よね~とりあえず、街の中でも見て回りましょうか」


「賛成」


そう言って、二人で、街の中を歩く事にした。

街の中を笹村理恵子と二人で、歩いていると、理恵子が


「ねえ、あかね? 何所に行く?」


「そうだなあ……とりあえず、見て回ろうか?」


「そうだね」


そんな会話をしながら、二人で街の中を歩く。街は、夜に向けてのお祭りの準備の為か、屋台を製作している人がたくさんいた。その屋台を作っているのを眺めながら、歩いていると


「あ、あそこにいるの、沖島先輩だ」


「え? 沖島先輩って?」


「先輩と同じクラスの人だよ、沖島先輩~」


俺が見つけたのは、街の中を歩いている沖島ユウを見つけたので、声をかけて見る事にした。

まさか沖島先輩に出くわすとはな……やはり、お祭りだからなのだろうか?


「こんにちはです、沖島先輩」


沖島先輩は、帽子にトレーナーに長ズボンという、男の恰好をしていた。


「あ、あかねちゃんと……え~っと誰かな?」


「私、笹村理恵子って言います! 沖島先輩ですよね?」


「う、うん、そうだけど」


「り、理恵子? どうしたの?」


「私と付き合って下さい!」 


理恵子がそう、爆弾発言しました。 ええ~何これ? この状況……理恵子って、沖島先輩の事が好きだったのかよ……全く知らなかったんだけど? ちなみに沖島ユウは、男の恰好をしているが、正真正銘、女の子なのだが、理恵子は、解かってるのか? そこの所


「えええ!? 初対面でいきなり? ぼ、僕には好きな人がいるから、ごめん」


「好きな人って誰です? 学校の人ですか?」


「う、うん、まあ……そんな所かな……」


「そうですか……残念です」


「じゃ、じゃあ、僕は行く所があるから、行くね? それじゃあ」

そう言って、沖島先輩は、俺達から離れて行く。俺は、早速理恵子に聞いてみる。


「いきなりどうしたの? 理恵子? 告白なんて」


「だって、あの沖島先輩って人、物凄いイケメンだったよ!? あかねは、あの人を見て何も感じなかったの?」


「た、確かに……かなりの美形だけど……(でも女だし)」


「あんなかっこいい先輩が、同じ学校に通っていたなんて知らなかったわ……よし」


「ど、どうしたの?」


「私、あの先輩の彼女にしてもらうように頑張ろうっと、あかねも協力してくれない?」


「そ、それはやめた方が……」


「何で? あ、もしかして……あかねもあの先輩の事が好きだから?」


「そんなんじゃないよ、私は理恵子の為を思って言ってるの」


「ふ~ん? 私の為ねえ……ま、私は諦めないわ、それに……あかねはさ?」


「何?」


「あの孝之先輩の事が好きなんでしょ?」


「違うよ……何言ってるのさ? 理恵子……」

「え~でも、前にそんな事を言ってたような気もするけどさ~? ま、私は沖島先輩の事を狙うつもりだから、協力してね?」


「はあ……」

こりゃ何を言っても無駄だな……と思い、諦める事に決めた。お昼になったので、俺と理恵子はファーストフードのお店に入る事にした。店内は昼間と言うだけあって、結構混雑して、十分ぐらいかかってやっと注文する事が出来た。

昼飯を食べ終わって、次はゲーセンに行く事にした。ゲーセンの中に入り、音楽ゲームや対戦型ゲームで遊んで、時間を潰していると


「あ、あかね、屋台とか出来上がったみたいだから、外行こうか?」


「うん、わかった」

そう言って、ゲーセンの外に出て、街の中を見て見る。人が多く集まっていて、屋台も完成していた。俺と理恵子は、その中を歩いて、見て見る事にした。

笹村理恵子と、街の中を歩いて、数時間、時間も結構経過して、夕方になった。

屋台も色々出ていたりしている。


「今年も屋台いっぱいあるね~」


「そうなんだ」


「あかね、どれから食べようか?」


「そうだね……」

俺は、どれにしようか悩んだ。

目の前にある屋台は、お好み焼き、焼きそば、たこ焼きの三種類の店が、屋台として、立ち並んでいる。


「じゃあ、まず……たこ焼きから行こうか?」


「賛成、じゃあたこ焼きを買いましょう」

そう言って、たこ焼き屋のおっちゃんにこう言ってみる。


「すいません~たこ焼き二つ下さい~」

「へい、まいど!」

屋台のおっちゃんが言って、たこ焼きを焼く。たこ焼きはすぐに出来て、おっちゃんが

「君たちかわいいから、こいつはサービスだ!」とか言ってきて、二個多めにくれた。


「なんか、気前のいいおっちゃんだったね」


「確かに……あ、休める場所で食べようか?」


「じゃあ、盆踊り会場に行きましょう、そこなら座席とか用意してあると思うし」


「了解」


そう言って、盆踊り会場に向かう。数分歩いて、盆踊り会場にたどり着くと、人が集まっていて、櫓に太鼓が設置してあり、はっぴを着た者が、曲に合わせて、太鼓を叩き、その周りを浴衣を着た人達が踊っていた。


「あ、あそこがあいてるよ?」


「うん」

俺と理恵子は、あいている座席があったので、そこで休む事にした。その座席で、たこ焼きを食べながら、休んでいると


「あ、あかねちゃん、こんばんは」

俺に話しかけてきたのは、先輩の西村舞であった。舞の姿は、髪をポニーテールに束ねていて、赤色の浴衣姿になっている。


「あ、舞先輩、こんばんはです」


「今日は、友達とお祭りに来たの?」


「あ、はい、そんな所です。理恵子、この人が孝之先輩の幼馴染の西村舞先輩だよ」


「あ、始めまして、あかねの親友の笹村理恵子って言います、私も舞先輩って呼びますね」


「いいわよ、ところでさ……」


「何ですか?」


「孝之見なかった? 私、孝之と一緒にお祭り行こう?って誘いに行ったのに、家にいなかったからさ? 一人でこのお祭り会場に来てるか、他の女と一緒に来てるかもって思って、私も来たんだけど……孝之知らないかな?」


「孝之先輩ですか? 私は、見てないですけど……理恵子は?」


「私も見ていませんよ? 多分、このお祭り会場にはいると思いますが?」


「そう……まあ、また探してみるね?それじゃあ」

そう言って、西村舞は俺達から、離れて行った。


「あの感じを見てると、孝之先輩の事、好きそうだよね……これは、あかねにライバル登場って感じかな?」


そんなんじゃ無いと思うんだが……

たこ焼きを食べ終わって、また移動する事にした。時間が過ぎていって、夜に突入し、人の数もかなり多くなってきて、通路に人が大勢いるので、理恵子と離れそうになったが、何とか離れる事は無く、移動する事が出来た。

移動していると


「あかね? 私、そろそろ帰るよ、ちょっと遅くなったし」


「そう? じゃあ、私も帰ろうかな、まあ、明日もお祭りあるんでしょ?」


「そうだよ、あ、明日はさ? あかね、先輩と来たら? 私も、沖島先輩を探してみようと思うし」


「か、考えとくよ……」


理恵子と別れて、家に戻る事にした。

家に戻ると、母親の水無月文香さんが、こう言って来た。


「あ、あかね、お帰りなさい、そうそう、電話あったわよ?」


「電話?」


「また、孝之君からよ「あかねちゃん、一緒にお祭り行こうよ?」ですって、あかねはいませんって言ったら、「じゃあ、また明日も誘います」って言って切れたわ、あかね? 今日は誰と行ってたの?」


「今日は、理恵子と二人でお祭りに行ってたんだけど」


「そう、また明日もかけてくるみたいだから、これであかねもついに彼氏持ちって感じなのかな? これは、お祝いしなくちゃかも?」


「し、しなくていいよ……彼氏とか作るとかしないと思うし」


「そう? まあ、いいけど、あ、お風呂沸いてるから、入っていらっしゃい」

「は~い」


そう言って、浴室に向かう。

脱衣所で、服を全て脱いで、裸になり、最初にシャワーを浴びる事にした。うん、なんかちょっと疲れていたから、シャワーがかなり気持ちいい。体を石鹸で荒い、最後に頭を洗って、湯船に漬かる。温度もいい感じに設定されており、つい口笛とか吹いてしまい、長めのお風呂タイムとなってしまった。

脱衣所に用意してあったのは、目茶目茶セクシーな黒のブラと黒の下着だった。

これを着るのか……? とか思いっきり悩んだが、ま、一度は経験? もいいかもと思って、着てみる。そして鏡に写った姿は、かなり色っぽい。よく、文香さんがこんな下着持ってたな……とか、思ってしまった。

白色のパジャマを着て、今日は食べたので、夕飯はいらず、自分の部屋に戻って、ノートにこう記す。

「六日目、理恵子とお祭りに行き、西村舞と遭遇、主人公との接点無し、しかし……明日、誘いにやって来る」

そうノートに記し、ベットに潜りながら考える。確か……ゲーム「ラブチュチュ」のストーリーを思い出してみると、確か……明日はイベント最終日。

で、ゲームだと、孝之とのキスシーンありのイベントがあったような気がする。

明日が一応最終日だと思うので、明日のイベントを断ると、またループ現象が起こるのかも知れない。

何としてもトゥルーエンドを回避し、バットエンドにしないとな……と、決意した。

どうなるかは、まだ解らなかったけど、明日の行動次第で、結末を迎えるのだと言う事なのであった……

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