第13話

ジリリリリと音が鳴って、俺は目を覚ます。起きて、ベットから降りて、日付と時刻を確認する事にした。

日付は7月5日の金曜日となっていて、時刻は目覚ましにセットした時間の七時となっている。俺は、今日も学校があるので、着ている服を脱ぐ事にした。服を脱いで、下着姿になり、制服とスカートを着こなす。

うん……もう、女物の服を着る事に、全く抵抗する事は無くなったな……こう言うのをなれって言うのか……? 制服に着替え終わって、鏡面台で、身だしなみをチェックする。鏡に写っているのは、制服を着た水無月あかねの姿で、全く元の男の姿に戻っては、いなかった。身だしなみをチェックが終わって、リビングに向かう。リビングに向かうと、エプロン姿の水無月あかねの母親。水無月文香さんが、朝食をテーブルの上に置く作業をしていた。


「あ、おはよ~あかね、今日も起きれたのね」


「う、うん、目覚ましかけといたし」


「そう、それは良かったわ、あ、朝食出来てるわよ」


「は~い」

そう言って、席に座る。今日の朝食は、白いご飯に海苔に卵焼きに納豆だった。思いっきり、和風の朝食である。俺は、頂きますと言って、朝食を食べる。 朝食を食べていると、文香さんがこう言って来た。


「そう言えば、あかね?」


「何?」


「明日と明後日って、お祭りよ? 誰か誘っていくの?」


「う~ん……今の所、そう言う予定はないかな」


「そう? なら、この前電話してきた孝之君だったっけ? その子を誘ってみたら?」


「い、いいよ、孝之先輩ってすごくもてるから、他に相手いると思うし」


「え~? そう? でも、あかね? 付き合いたいなら、頑張るのよ?」


別に全く付き合いたいと思っていないのだが……文香さんの頭の中ってどうなってるんだ?まあいいか……


「う……うん、努力はしてみる」

そう言っておく事にした。朝食を食べ終わって、鞄を持ち、家を出る。夏の日差しがかんかんに照り付けていて、結構暑く感じた。通学路を歩きながら、考える。今日のイベントって何かあったかな……と、考えたが、全く思いつかなかった。まあ、何とかなるだろ~と思い、通学路を歩いていると、前に笹村理恵子を見つけたので、声をかける。


「おはよ~理恵子」


「あら、あかね、今日は早いね~?いつもぎりぎりじゃない?」


「そんな事ないって」


「そう? まあいいけど、それより、あかね? 今日って、授業午前中しかないじゃない?」


「え……そうだっけ?」


「そうよ? あ、先生がそう言っている時に寝てたわね? 全く……なんで良く寝るのに、胸育たないのかしらね? やっぱり孝之先輩に揉んでもらうのがいいんじゃない?」

別に胸を大きくとか、したくないんだがな……


「余計なお世話でしょ、胸の事はいいの」


「ふ~ん、ま、あかねがそう言うならいいけどね」

そんな会話をしながら、学校にたどり着く。理恵子の話によると、今日は授業は午前中だけらしいので、午後とか何をしたら? とか、考えていた。

俺は、笹村理恵子と一緒に歩き、学校にたどり着く。同じクラスなので、同じ教室の中に入り、自分の席に座る。理恵子から、今日は午前中の授業しか無いと聞いていたので、比較的楽そうだな……と思うのであった。

そして、授業が始まった。

授業は、先生に当てられたりもしたが、教科書の文章を読むだけだったので、間違えずにすらすらと読む事に成功。あとは、ぼ~っと授業内容を聞いているだけだった。すぐに時間が経過して、午前中の授業が全て終わった。

今日は午前中だけの授業なので、学食へは行かないでも別に問題は無いと思う。帰り支度をして、教室を出て、廊下を歩いていると


「あ、いたいた、あかねちゃん」

俺に、話しかけてきたのは、孝之だった。

っげ、一体俺に何の用なんだ……?


「えっと……先輩、何の用ですか?」


「実はさ、ここに遊園地のチケット二枚あるんだ、あかねちゃんに一枚あげるから、一緒に行こう?」


そんな事を言ってきた。ここで、俺が行きませんって言ったら、どうなる? と思い、こう言ってみる。


「行きません、先輩と二人っきりだなんて誰が行くか!ぼけ!」


するとまたまた目の前が真っ暗になり、気がつくと、主人公が目の前にいて、こう言って来る。


「実はさ、ここに遊園地のチケット二枚あるんだ、あかねちゃんに一枚あげるから、一緒に行こう?」


っく……これもループするのか……と言う事は、この会話は強制イベントみたいだな……仕方が無いから、こう言う事にした。


「はい……わかりました」


「じゃあ、はい、これ、時間は1時に駅前でね? じゃあね」


そう言って、孝之はいなくなる。手元に残ったのは、遊園地のチケット一枚だけだった。それを貰って考える。チケットは二枚と言う事は、他のキャラは誘えないって事だよな……と言う事は……二人っきりのデートって事で、仲良くなると、キスされちゃったりするのか!? と思ったのである。

確か……ゲーム「ラブチュチュ」のイベントシーンも、思い出したら……近いうちに、主人公=孝之とのキスシーンあった筈……これは不味いんじゃないか……? と青くなりながら、とりあえず家に戻って、制服を着替える事にした。水無月あかねの家に戻り、制服を脱いで、服装を選ぶ。着ていく服はどれにするかな……と悩み、なるべく可愛くないのを選ぶ事にした。

地味目の服に、長ズボンを履いて、外に出かけようとすると、水無月文香さんが、こう言って来た。


「あら、あかね? 出かけるの?」


「うん、遊園地に行く事になって」


「そうなの? それにしても……その格好で行くつもり?」


「そうだけど……」


「駄目ね……ちょっとこっちに来なさい!」

そう言って、無理矢理、俺の手を捕まれた。


「え、ちょ、ちょっと」

そして、無理矢理着替えさせられた服は、帽子に白のワンピースにピンクのスカート姿にされた。


「うん、似合ってるわよ、あかね」


「こ、この服で外歩けと……?」


「大丈夫よ? 可愛いから、ナンパも多いと思うわよ~」


「ナンパされるのは、嫌なんだけど……あ、時間きちゃうから、行って来ます……」

「行ってらっしゃい~」

そう言って、外に出る。外に出て、思った事は、とりあえず「主人公との二人っきりになれるアトラクションを乗らない」と言う方針で、動こうと思ったのだった。

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