第11話

今のところ、先輩の高村菫に声をかけて了承してくれたので、風見理子は断って来た、じゃあ次は、放課後にでも、攻略対象キャラを探そうかな……と、思った。

午後の授業も何なく終わり、放課後。俺は早速、攻略校庭に向かうと、陸上部が練習をしている。その練習している生徒の中に、攻略対象キャラがいたので、練習が終わるのも待つ事にした。数十分が過ぎて、練習が終わったみたいなので、声をかけてみる。


「舞先輩、こんにちはです」

俺が声をかけたのは、二年の西村舞であった。


「あら、あかねちゃん、こんにちは、一体どうしたの?」

「実はですね? 私、今日、孝之先輩

にデートに誘われたんです」


「デ、デート!? 孝之の奴……私に内緒でそんな事言ってたのね!」


「で、私、先輩と二人っきりになるのって嫌なので、舞先輩に声かけたんです、舞先輩、来てくれますか?」


「行くわよ、何よ……私が今日、誘ったのに断った理由ってこれだったのね……? 孝之の奴……」


おお? なんか黒いオーラがありそうな雰囲気なのだが……なんか……怖い感じがするな……


「じゃ、じゃあ、OKですか?」


「OKよ、で、場所は?」


「八時に学校の前で集合って言ってました」


「そう、あかねちゃん、教えてくれてありがとね?」


「い、いえ、私より先輩の方がお似合いと思ったので、じゃあ、私はこれで」


そう言って、俺は移動した。

あともう一人は、沖島ユウだが、探しても全く見つからなかったので、諦める事にして、俺は家に一度、戻る事に決めたのであった。家に戻って、制服を脱ぐ事にした。水無月あかねの家に戻ると、母親の水無月文香さんが、出迎えてくれた。


「あら、あかね? 今日は早いのね?」


「うん、でも、また出かけなくちゃいけなくなったの」


「出かける? 一体何所に?」


「先輩に誘われて、星を見に行く事になったから、じゃあ、着替えてくるよ」


そう言って、あかねの自室に向かう。

部屋の中にたどり着いて、制服を脱いだ。緑色の下着姿になり、箪笥を調べて、何を着ていこうかな……と、悩んだ末、青色のサマーセーターと黄色の長ズボンを着る事にした。

着替え終わって、鏡面台で身だしなみを整えて、文香さんにこう言う。


「じゃあ、行って来ます」


「あ、あかね? 何時に帰るの?」


「う~ん……今の所、分からないかな……まあ先輩と一緒だし」


「そう、あんまり遅くならないようにね? 一応女の子なんだし」

「は~い」

そう言って俺は、家を出る事にしたのだった。これで参加者は、俺と西村舞と高村菫になったんだが、とりあえず……ラブイベントは起こることはないだろうな?と、そう思ってたのであった。

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