第9話
ジリリリリリと鳴って、目が覚める。
気がつくと、昨日と同じ天井だった。
俺は、ベットから降りて、日付と時間を確認する事にした。日付は7月4日の木曜日となっていて、時刻は七時となっているゲーム。「ラブチュチュ」で、水無月あかねと主人公のイベントって何があったかな……と思ったが、全く覚えてなかった。
ま、何とかなるだろ……と思い、着ている緑のパジャマを脱いで、下着姿になる。下着もパジャマと同じ緑色で、ちょっと色っぽいデザインでもあった。もうこの姿になっても、全く興奮しないな……まあ、自分の体だし……と言うか、男に戻って、ちゃんと女に欲情するのだろ~か……とも不安になってしまった。とりあえず、深く考えない事にして、学校の制服に着替える。着替えてから、鏡面台で身だしなみをチェックして、自分の部屋から出て、リビングに向かった。
リビングに向かうと、朝食をテーブルに並べている、エプロン姿の水無月あかねの母親。水無月文香さんがいた。
「あら、あかね、おはよう」
「おはよう」
「今日も起きれたのね」
「うん、時間通りにおきれたよ」
「そう、朝食出来てるから、食べなさい?」
「は~い」
そう言って席に着く。今日の朝食は、コーンフレークに野菜炒めだった。
コーンフレークと野菜炒めを食べていると、文香さんが話しかけてきた。
「あら、あかね?」
「何?」
「ミニトマト食べられるようになったの? いつもは、出しても残してるのに」
「う、うん、好き嫌い無くなったんだ」
そうか……水無月あかねって、ミニトマトが嫌いだったのか……それは、知らなかったな?俺は、野菜に関しては、特に好き嫌いというのは無いしな? まあ、今更食べても別に問題はないと思うので、そのまま食べ続ける事にした。
「まあ、好き嫌いが無くなる事はいい事だわ」
「う、うん、そうだよね」
そう言いながら、食べ終わって、自分の部屋に戻り、鞄を持って、出かけようとすると、文香さんがこう言って来た。
「あ、あかね、これ、持って行きなさい」
そう言って、俺に渡してきたのは、青色のスモールバッグだった。
「これは?」
「これはって……今日、必要な物が入ってるの、忘れちゃったの? あかね?」
「え、あ、うん、ちょっと忘れちゃってた、ありがとう」
「それと、昨日は遅かったけど、今日はちゃんと家にいるから、夕飯期待しててね?」
「あ、うん……じゃあ、行って来ます」
俺はスモールバッグを受け取って、外に出た。今日必要な物? 一体何だろ~な……と思って、スモールバックの中を見てみると、そこに入っていたのは、紺色のスクール水着だった。と言う事は……今日、プールの授業があるって事か……と言うか…… これ、サイズ合ってるのか? とか思ったが、遅刻するのも何なんで、その時考えればいいか……と思い、学校に向かう事にした。青色のスモールバッグを持って、俺は、学校の中へと入る事にした。自分のクラスの一年四組の中に入り、自分の席に着いて、鞄とスモールバックを机に置く。
鞄から教科書やノートを机の中に入れて、授業が始まるのを待つ事にした。
そして、キーンコーンとチャイムが鳴って、授業が始まる。授業内容は、難しい問題とか全く出なく、先生に当てられもしないので、比較的簡単に終わった。
授業が終わって、クラスメイトが荷物を持って、移動しているので、もしや……プールの授業か? と思い、俺もスモールバッグを持って、クラスメイトについて行く事にした。
たどり着いた場所は、外の建物で、部屋名に「女子更衣室」と書かれている。入るのがちょっと躊躇ったが、俺も一応女なので、勇気を出して入る事にした。
中は下着姿の生徒と水着に着替え終わっている生徒がいる。この状況って、男だと天国じゃないか? とか思うのだが、まあ、俺も同じ同姓なので、あいているスペースを探して、着替える事にした。
まず着ている制服を脱いで、下着姿になると、俺に話しかけて来る者がいた。
「あ、あかね~? なかなかいい下着着てるね?」
そう言って来たのは、青色の下着姿の笹村理恵子である。
うん……マジマジと見てみると、やはり胸が大きい、軽くD以上あるんじゃないか? と思われる。
「そ、そう?」
「うんうん、それよりも……、あかねって、やっぱり胸小さいよね? いいなあ……私なんて、大きいから肩こっちゃってさ? ちょっと揉んでくれない?」
「え~っと……揉めばいいの?」
そう言って、俺は理恵子の肩を揉む。
な、なんだ? この感じは……真正面で揉んでるので、胸の谷間が丸見えだった。これは役得と言っていいのだろうか……? 男のままだったら、絶対に見られない光景なんじゃないかって感じだった。それに……なんかすげえいい匂いもするのだが……
「あ……あん……、そ、そこ~気持ちいいわ~」
「ちょ、ちょっと変な声出さないでよ」
「だって、ほんとに気持ちいいんだもん、そうだ、私も胸が大きくなるように揉んであげよっか? えい」
そう言って、理恵子が胸を揉んで来た。
「ちょ……あ……」
な、何だ? なんか……体が熱く……
「おやおや~? もしかして、感じちゃったとか~?」
「な、何言ってるの! そ、そんな訳……」
「と言ってるけど、顔が赤いわよ~? そうか~私のテクで感じましたか~、私もいい腕してるわね~」
「か、感じてなんか……ひゃ……」
「体は正直よの~っふっふっふ」
なんか……理恵子の目が怪しく光ってるんだが……そんな感じが五分ぐらい続いて、気がつくと、俺と理恵子の二人しかいなかった。
「ね、ねえ……理恵子、遅れると不味いんじゃない?」
「あら、そうね~というかあかね? 水着に着替えてないじゃん?」
「理恵子が胸揉んで来たからでしょ!」
俺は、そう言って素早く、紺色の水着に着替えた。理恵子も水着に着替える。理恵子と比べると、明らかに胸の大きさが違った。やっぱり理恵子って、スタイルいいな……とか思う。別に羨ましくはないけど、やはり……男とかもモテるのだろうか?
なんで理恵子はサブキャラなのだろーか?美少女で巨乳なので、人気出そうな気もするのだが?
「じゃあ、行きましょう」
「うん」
女子更衣室を出て、プールサイドに向かう。プールの広さは、25Mプールだった。最初に準備運動をして、そしてプールの中に入る。
プールの中は、水温がちょっと冷たく、まあ日差しがかんかんに照り付けているので、結構気持ちがよかった。気ままに泳いでいると、理恵子が話しかけて来る。
「あかね~25M競争しよ~」
「いいよ」
「ちなみにあかね? 平泳ぎとクロールどっちで勝負する?」
「じゃあ、クロールで」
「了解、じゃあ行くわよ」
そう言って、スタート位置に並ぶ。俺が一コースで、理恵子が2コースだった。
「じゃあ、よ~い……ドン!」
俺と理恵子は、プールに飛び込む。
結果はどうなったのかと言うと……数秒の差で、負けた。
「あかね……やるわね……まあ、私が何とか勝ったけど……」
「理恵子こそ、泳ぎ上手じゃない? 水泳部とかに入ったら?」
「いいよ、私、自由でいたいしね~」
「ふ~ん」
そう言ってから、しばらくプールの中で遊んでいると、キーンコーンと鳴ったので、プールから出て、女子更衣室に向かった。水着をスモールバッグに入れて、制服に着替える。
着替え終わって、教室に戻ると、異様に眠くなった。次の授業もあるのだが、眠気には勝てず、そのまま俺の意識は、途切れたのだった。
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