第8話

俺の目の前にいるのは、西村舞の姿で、西村舞の姿は水色の髪をしていて胸大きく、ほんとに美少女に見える。


「あかねちゃんは、ハンバーグ定食にしたんだ?」


「はい、先輩は、きつねうどんなんですね? あれ? 先輩って、いつもはお弁当作ってるんじゃないんですか?」


「今日は、ちょっと寝坊しちゃってね……お弁当作る余裕なかったのよ……だから、ここで昼食を済ませようって思ったわけ、あかねちゃんはお弁当作らないの?」


「私は、作りませんね、朝はお母さんが用意してくれてるので、昼は学食中心です」


「そうなんだ」


「あ、そう言えば先輩」


「何? あかねちゃん」


「昨日、私……孝之先輩にデート申し込まれてたんです。今日も先輩に話しかけられるのはちょっと嫌だな……って思ってますので、孝之先輩の事、遊びに誘ってみてはどうです?」


「ほ~……私が昨日、孝之を探してたのに、そんな事があったのね? あかねちゃん、教えてくれてありがとね? そうね……確かに、孝之が他の女の子を誘うのはなんか嫌だわ、さっそく誘ってみるね」


「はい、先輩、頑張って下さい」

そう言って俺は、ハンバーグ定食を食べ終わった。食べ終わってから、こう言う。


「じゃあ私は、戻りますので、先輩の事、よろしくお願いします」


「ええ」

うん、こんな物かなと思う事にして、俺は教室に戻る事にした。戻る途中、主人公の初崎孝之を見つけた。こっちから声をかけるのは嫌だったので、俺は主人公に見つからないように移動する。もし見つかって、会話している時に、またループ現象とか起こったら嫌だしな……何とか見つからずにすんで、教室に戻る事に成功。あとは、先輩に会わないようにする事だな……と、思いながら、午後の授業を受ける事にした。

午後の授業も普通に終わって、放課後。俺は、どうしようかな……と悩んでいたりしていた。

そのまま帰ってもいいし、それとも他の攻略対象キャラに話しかけてみるのありか? とか、思っていると、笹村理恵子が話しかけてきた。


「あかね?」


「何?」


「今日さ? 遊びに行かない? ゲーセン行こうよ?」


「ゲーセンね……」


「あ、もしかして予定入れてる?」


「いや、入れてはいないけど……」


「じゃあ、決まりね? 早速行きましょう」


「あ、うん」


ま、理恵子と二人で遊ぶのもありか……と思い、俺はOKする事にした。学校を出て、制服のまま街の中を移動して、駅前に辿り着き、駅から数分歩いた場所に、ゲーセンがあった。

そのゲーセンの名前は「ゲーマズ」と言って、なんか元の世界に出てくるお店の名前に、そっくりだな……とか思う。その店の中に入ると、店内は異常にライトアップされていて、眩しいぐらいだった。


「じゃあ、あかね? どれからやる?」


「そうだなあ……」

俺は、店内を見渡して、置いてある機械を見てみる。ビデオゲームに体感ゲームにリズムゲームやクレーンゲームなど、いろいろな機械が置いてあった。ちなみに中身も元の世界にあった物と大体同じで、知ってるゲームがほとんどである。


「あ、そういえば理恵子は何が得意なの?」


「私? そうね……音楽ゲームは得意よ? あかね? あれ、やらない?」


そう言って理恵子が指さしたのは、ギターの形をしたリズムゲームで、「ギターミュージック」と書かれている。


「わかった、やろうか?」


「お? あかね? 自信ありげ?」


「まあ、やった事ある物だから」


「ならOKね? 早速始めましょう」

お金を入れて二人同時プレイを選択する。ギターを持ってみると、うん、なんかちょっと重い。女になって体力落ちたか? とか思ってしまった。曲を選んで難しさをいきなりエキスパートにしやがった。うん……クリアできるか……? とか不安になったが、なんとかクリアする事に成功。二曲目も難しい曲に選曲されて、かなり指を使ったので、結構疲れてしまった。クリアした後、理恵子がこう言ってくる。


「あかね……やるわね? まさかこんなにうまいなんてね」


「そう言う理恵子こそ、相当うまくない?」


「まあ、私も何回もやってるしね? これ、は~いい汗かいたわ」


「じゃあ、他のやろうよ? こればっかりやってると、指いたくなるよ?」


「まあそうね、あかねの言うとおりにしましょうか」


そう言って、俺と理恵子は、別のゲームをやる事にした。次にやったのは、クレーンゲームをやって、ヌイグルミとお菓子を一つずつゲットする事に成功し、理恵子が最後に「プリクラ撮ろう~」とか言ってきたので、理恵子と一緒にプリクラを撮る事にした。

うん……こう言うの初めてだな……男だったら、デートって感じだと思うのだが……。プリクラを撮り終わって、どうしようか考えていると、聞き覚えのある声が聞こえた。


「孝之、次、あれやろう?」


「あれ? どれだよ」


「孝之は、僕とあれにしよう」


「ユウ……お前もか……」


「ちょっとユウ君、私の決めたのがいいって?」


「僕の方がいいと思うんだけど……孝之はどう思う?」


「俺に振るなよ、何で俺に言って来るんだ?」


そう言っていたのは、西村舞と沖島ユウと主人公の、初崎孝之だった。

そうか、ここに遊びに来てるんだな……沖島ユウは男の格好をしているのだが、正真正銘女なので、一言で言うと、ハーレム状態じゃないか?とか思う。うん、リア充死ね!って言いたい。


「あ、先輩達も遊びに来てるみたいね? 孝之先輩いるよ? 声かけないの?」


「いいよ、邪魔しちゃ悪いし」


「そうね、その方がいいかも、なんか喧嘩してる風に見えるしね、これは修羅場なのかな?」


「うん、あ、それよりこれからどうする?」


「とりあえず遊んだし、もう、帰ろっか?」


「りょ~かい」

そう言って、お店から出て行く事にした。店から出ると、理恵子がこう言って来る。


「今日は楽しかったよ? あかね、また遊ぼうね? じゃね」


「うん、さよ~なら」

ここにいても、主人公に見つかる可能性があるので、俺は、家に帰る事にした。笹村理恵子と別れて、俺はと言うと、水無月あかねの家に戻る事にした。 家に戻ると、家には鍵がかかっている。呼び鈴を鳴らしても、返事がないので、どうやら文香さんが留守だと思い、どうやって中に入ろうか……と考えて、鞄の中身を探してみる。

よく探してみると、鍵を見つけたので、それが家の鍵なのか不明なのだが、鍵穴にその鍵を差し込んで、回してみると、扉が開いたので、中に入る事に成功した。中は誰もいなく、電気もついてないので、暗くなっている。

まず俺はと言うと、あかねの部屋に入って、制服を脱ぐ事にした。制服とスカートを脱いで、下着姿になり、箪笥から着る服を選ぶ。

何にしようかな……と迷い、白色のサマーセーターと青色の半ズボンを着る事にした。うん、通気性がいいからか、結構涼しく感じられるな……着替え終わって、あかねの部屋から移動して、冷蔵庫を開ける。色々な食材がおいてあり、何を作るか迷って、炒飯を作る事にした。炒飯に必要な材料を冷蔵庫から取り出して、フライパンに油をひく。そして、ご飯と玉葱と豚肉を炒めて、最後に卵を混ぜて、完成。

焦げ付く事無くできたので、まあまあかな……と、思ってしまった。

お皿に盛り付ける作業をしていると、扉の開く音がしたので、気になって見に行くと、文香さんが帰ってきた。


「ただいま、あかね」


「おかえりなさい」


「あら? このいい匂いは……もしかして、夕ご飯作っていたの?」


「うん、炒飯を今、作った所だよ」


「あら、じゃあ私もいただこうかしら?」


「うん、いいよ? 食べてみて?」


俺は文香さんにも、作りたての炒飯を出した。


「じゃあ、頂きます」


「頂きます」


文香さんと二人で炒飯を食べる。うん、なかなか美味い、文香さんはどう言った反応するのか、ちょっと気になってしまった。


「ど、どう?」


「うん……まあまあね、ちょっと調味料のバランスが悪いけど、まあいけるわよ?」


「よかった」


「でも、もうちょっと工夫すると美味しくなると思うわ、そこの所は頑張って見なさいね?」


「あ、うん、そうしてみるよ」

そんな会話をしながら、食べ終わって、休憩していると


「あかね、お風呂沸いたから、入ってきなさい」


「は~い」

文香さんがそう言ったので、浴室に向かう事にした。浴室の中に入って、服を脱ぐ。最初は脱ぐのにちょっと苦労したが、今じゃスムーズに脱ぐ事が出来た。うん、馴れって恐ろしいな……とか、思う。最初にシャワーを浴びて、石鹸で体を洗っていく。

改めてみてみると、やっぱり自分の体は綺麗だった。肌が全く荒れていないし、まあ貧乳なので、それほど胸が大きくは無いが、足とかが結構綺麗だった。全身を洗って、最後にシャンプーで頭を洗い、浴槽に入る。温度がいい感じに設定されて、あまりにも気持ちがいいので、口笛を口ずさみながら長湯をしてしまった。風呂から出て、用意された服に着替える。

用意された服は、緑色の下着に緑色のパジャマだった。うん、この家に一体何色の下着とパジャマがあるんだ?とか思ってしまったが、深く考えないようにして、用意された服に着替える。

そして……自分の部屋に戻り、ノートを開いて、こう記した。


「今日の出来事、主人公との接点無し、笹村理恵子と遊びに行く」と、書いた。

ベットに入り、眠くなって来たので、そのまま寝る事にした。

こうして、一日が終了したのだった。

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