第6話
主人公の初崎孝之にデートに誘われてしまったが、ここからバットエンドを目指す為に、行動する事にしよう。
とりあえず……これ以上のラブイベントは起こりそうにないので安心した。
俺のヤる事は「主人公の選択肢を肯定しながらバットエンドを目指す」と言うこと。これって結構難しいんじゃないだろうか……
本日のラブイベントは、主人公と映画館に行くと決まったので、不本意だが一緒に行くことになるみたいなので、どう行動するか考えながら、教室に戻る。
教室に戻ると、午後の授業が始まったのであった。
午後の授業は、比較的簡単であっという間に時間が過ぎていく。
授業が終わり、帰りの支度をして、行動する事にした。
主人公と映画に行くことは決まってるので、おしゃれとかしないで制服のままでいいかと考えて、校舎をでる。
そう言えば駅ってどっちの方角だ……?と思い、標識や案内図を見て、駅の場所を確認する事にした。
地域案内図があったので、それで駅の場所を確認。駅の場所は水無月あかねの家から反対方向で数十分歩く場所にあったので、駅の方角へ歩いていく。
数十分後、駅にたどり着き、主人公の姿を探してみると……いた。
主人公も制服のままで、時間を気にしているみたいだった。
俺は、主人公に話かける。
「先輩、お待たせしました」
「あ、あかねちゃん、良かったきてくれて、それじゃあ行こうか?」
そう言って手を握ってくる。
振りほどこうとしたけど、力強くて無理だったので手を繋いだまま移動する事になってしまった。
これもゲームの強制力なのだろうか……なんか、手を繋いでいるだけなのに少しドキドキしてるのを感じる。
これはヤバい、精神が女の子として感じている?
とりあえず、意識を俺として思っていないと、この分だと孝之に攻略されてしまう……!
そう思いながら、映画館に辿り着く。
映画館の中に入ると孝之が
「あかねちゃん、何を見るかな?」
そんな事を言ってきたので、俺は考える。
上映されているのは、アクション物の「戦いとは非常なり」、恋愛物の「あたしとかれのらーめん日和」、ホラーコメディ物の「ゾンビってくさいっす……」の三本だったので、どれを見ようか……となやむ。
うん……どれも内容が気になるが……とりあえず俺は、こう言う事にした。
「じゃあ私は……ホラー物が見たいです」
「ホラー物ね、解った、じゃあ……それにするか」
そう言って、チケットを購入して受付の人に渡す。
受付の人がもうすぐ開演時間ですって言ったので、指定された座席に座ることになった。
映画館のホールの中は、結構広く座ることになったのは後ろの方の座席になった。
マジで気になるな……一体どんな内容なんだ?と思いながら、開演時間を待つ。
数分後辺りが暗くなって、映画が始まった。
画面にいきなり男が出てきてアッサリと死亡、その男がゾンビとして蘇り、異臭を放しながら世の中に復讐すると言うストーリーだった。
うん、結構面白いのだが……気になったのは、ずっと手を繋いだままなんだが……離してくれないのかなって思ってしまう。
とりあえず……深く考えない事にしよう……
約二時間後、映画が終了した。
映画館をでると、外は真っ暗だった。
「今日は楽しかった?あかねちゃん」
「はい、楽しかったです、まさかあんなラストになるとは思いませんでした」
「俺も楽しかったよ、いい映画だったなーうん、あかねちゃんと来て良かったよ」
「そうですか……あの……舞先輩とは来ないんですか?」
「舞と?いやーアイツは幼なじみだけど、そう言うのはしないかなあ。俺が誘いたかったのはあかねちゃんだしさ」
「そうですか……」
そうか……この孝之が攻略中なのが今の俺、水無月あかねなんだな……
ここからバットエンドにする為に行動するしかないな?
だって……今の俺の状態がちょっとヤバくなってるのを感じる。
孝之の事、かっこいいって思ってしまってるので精神が女の子になっていくので、もしこれが続くのだとしたら、精神が完全に女の子になってしまって、ゲーム通りラブシーンありのハッピエンドになってしまうので、どうにか回避しないとって思う。とりあえず俺は孝之に
「あの、先輩、もう遅いですし……帰ります」
「そうだね……じゃあ、送っていくよ」
「はい、解りました」
さりげない心遣いも完璧だなこいつ……絶対に惚れないぞって思わないとな?
孝之に送って貰って、水無月家に到着して孝之と別れる。
うん……これで今日のイベントは終わったので安心した。
家の中に入ると母親の文香さんがいて
「あかね、お帰りなさい。遅かったけど……もしかしてデートだったかな?」
「まあ、言われて見ればデートだったかなって感じ」
「ふーん……これはまだまだって感じかしらね~まあいいわ、夜ご飯出来てるから一緒に食べましょうか」
「はーい」
そう言ったあと、自分の部屋に行き、着ている制服を脱いで、用意されている服に着替える。
着替え終わったあと、文香さんが用意してくれた夜食を食べることにした。
食事中も文香さん今日どんな事したのとか聞いてきたけど、適当に誤魔化しながら食事を終えて、風呂に入る。
風呂に入った後、文香さんが
「あかね?今日は孝之君だっけ?デートしてたのよね?家に連れてくるの?」
「いや、家に連れてくるとか無いかな?」
「そう?でも私は大歓迎だからね?あ、でもあかね?性行為をするんだったら、ちゃんと避妊はしなさい?まあ……赤ちゃんが欲しかったら私は止めないわよ」
「し、しないよ!」
冗談じゃない、誰がそんな事するかと思ってしまった。
「そう……まあ高校生らしいお付き合いをするのよ?それじゃあ夜も遅いしお休み、あかね」
「うん、お休みなさい」
文香さんと別れて自分の部屋に戻る。
部屋の中に入り、明日の準備をした後、ノートを開いてこう書き記す。
「二日目、主人公孝之にデートに誘われる。断るとループ現象が発生する事からこの世界はギャルゲーラブチュチュの世界だと思われる。あと精神状態もちょっと可笑しかったのでこのままだとハッピーエンドに行くから、ここからバットエンドにするため行動する事にする」そうノートに書き記した後、眠くなってきたので寝る事になり、二日目が終了したのであった。
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