エピソードゼロ 第4話 熱波と熱意でアッチッチ
ここからは本気だ」
と、宣言した熊雄は追尾式の氷の矢を自ら消した
それを観たフェニックスが少し離れた所へ降りてくる
魔法をミカエルとカエルンドに教わっていた時のことを思い出す熊雄
「なあ、敵の魔法ってどう対処すればいい?」
「む?そんなの簡単じゃな!
魔法とはつまり自らの魔力を基に様々な現象を起こすのじゃ」
「、、、現象?、」
「つまり、、水がない所に水が出るじゃろ?
氷が欲しければイメージして魔力を氷へと変換する」
「ああ、、」
「ではその敵が魔力で出した魔法は
その者のイメージで構築、具現化された物質である、、、ここまではいいな?」
「、、、うーん、、まあ」
「もう少し簡単に言うか」
「そうだな、、むじい話は嫌いだな」
「ズコッ、、、お主氷を出してみい」
「ん?、、、ホッと」
熊雄はすぐさま右手の掌を上へ向けて
氷をイメージしながら魔力を流す
すると30センチほどの氷の塊が現れた
そこへ右手をかざすカエルンド
!!パァァァーンッ!!と砕け散る氷
「む!?どうやったんだ?」
「なにっ!簡単じゃよ
誰かの魔力で構築、作られた物は
そのバランスを少し狂わせるだけで消せる」
「、、、それ本当に簡単か?」
「む!、、いいからやってみろ」
「へーい」
何度もカエルンドに出してもらった氷に試行錯誤するも
結局出来なかった熊雄
それが頭に残ってる、、、
出来るか分からないがやるしかないか、、
額から汗が落ちてくる
ジリっ、、、、
ジリジリ、、、
お互いに動かない、、、
フェニックスと熊雄
ジリ、、ジリジリ、、と足下からの音が大きく聞こえる
このまま時間だけが流れるのかと思い始めたとき、フェニックスが声を上げながら熱風を放ってきた
「キェェェェ〜」
「フンッオメエワンパターンだな、、」
熱風が届いてるはずなのに全く動じない熊雄
何故熱くないのか?とフェニックスは不思議がる
よく見ると熊雄の身体の周りにモヤが見える
「へ、、こりゃいいや全く熱くねえぜ」
「キェェェェ〜ン」
「ヨッと」ズゴッ!
熱風を克服した熊雄が魔力オーラを纏ったまま
脚に力を入れ一気に攻め込む!
手を獣化させ殴るもフェニックスが避ける
少しカスッたのか羽が何枚か舞う
「フッ、、分かってたが魔力の量がすごいのお」
フェニックスの熱風を全く意に介さない熊雄を観て驚くカエルンドがボヤく
「アレ、、ワシでも手こずるぞ!、、やれやれ」
「オリャッ、、くそッ、、避けるのが、、うますぎだろぉーが、、チッ」
フェニックスが避けるたび
オリャッ、、ヌオラッ、、くそがー
と叫びながらボカスカ殴ろうとする熊雄
何か反撃をしようとフェニックスが考えるも
それをやらせる隙を与えない
避けたらすぐこっちに向かってくるから
また避ける事を考えないといけない
いや、、考える暇もないほどスピードが上がってきていた
横に、、上に、、また地面に行き、
横に、、、
さっきのは結構カスッた
次は危ないっ!
フェニックスがそう思った時
そのまま一段下の地面に吹っ飛ばされていた
「オリャッ、、よっしゃーやっと当たったぜ」
ビームもダメ、熱風もダメ
かくなる上は、、、
ヨロヨロッと立ち上がるフェニックス
「ほう、、まだ負けた気になってねえみてえだな!!目が死んでねえ」
「キェェェェ〜ン」
「そうこなくっちゃ!アンタは俺のレベルアップと、、うめぇご飯の為だかんな」
次の瞬間
フェニックスからゴオオオオォォォッと、凄まじい熱量が放出された
「ウォッ!!アツッ!!まだ火力上げんのかい!」
もはやまんま火の鳥
羽だけじゃなくクチバシや脚までもが燃えている
「へっ最後の勝負ってか、、嫌いじゃねえやそーゆーの」
ビッーーー
フェニックスがノーモーションで放った口からビームを
拳の先に多めに集めた魔力オーラで弾くと
そのままフェニックスに猛ダッシュ
さっきと同じ展開かと思いきや
ビームを何度も
しかも、色々な高さで放ってくるフェニックス
その度弾いてたら間に合わないと判断した熊雄は
「フッ、、ホッ、、ハッ、、」
と横に、上に避ける
ジャンプして避けた所へ今度は突っ込んでくるフェニックス
ゴオオオオォォォッと燃え盛る火の鳥の体当たりを
熊雄は空中で手から風魔法を放ち
自分の体を吹き飛ばし何とか避けた
「へへへ、どうだ?なかなかやるだろ?俺」
火の鳥の体当たりを避け
振り向き様にアイスランスを何発か展開し放つ熊雄
さらに雨雲を呼び寄せ
辺りに雨を降らせる
氷の矢から逃げつつ
またもや熊雄へ一直線に向かってきたフェニックス
「へっ!次は、、、どうしたもんかっ、、それっ」
空中に新たに展開したアイスランス5本を向かってくるフェニックスへと
飛ばす熊雄
後ろからと前からの氷の矢を
当たる直前
上へと上昇し避けるフェニックス
「読み通りぃぃーっ」
ドゴンッ
氷の矢を避けた先に熊雄が来て
そのまま殴られたフェニックス
空中で叩き落とされてる最中
さらに追い討ちの雷魔法がフェニックスに直撃する
「わりいな、、恨みなんかねえのさ
ただ、、、唐揚げにして皆んなで食いたいだけさ」
ピカッッッッッ!!!!ドッガーン!!!!
ゴロゴロゴロゴロッ
最上級の雷魔法を喰らい
それでもヨロヨロと起きあがろうとする火の鳥
「チッ!しぶてえな、、、」
ピエエエーン、、、ピエエエーン、、
「?!」
「ん?」
「む?」
観ると起きあがろうとする火の鳥の足下へ
小さな火の鳥の子供らしき鳥が駆け寄る、、。
その小さな火の鳥を蹴っ飛ばし
今正に命の全てを賭けて燃え尽きようか、と全身を炎で包み始めたフェニックス
「、、、。こりゃあ終わりだな」
「キェェェェ〜」
そのまま地面へ降り、ゆっくりフェニックスへと歩いてく熊雄
「なんだ、アンタ母親だったのか?」
、、?これから最後の攻撃をしようと思ったフェニックスも
熊雄に話しかけられて戦闘態勢を解除する
「、、、、だとしたら何ですか?」
「!!!!アンタ話せるのかよ!」
「、、、無論だ!我は火の神フレイア様の眷属ぞ」
「そうかい、、なあ、、俺はもう戦う気がねえんだ、、、その子と仲良く暮らしてくれ、、傷も治すからさ」
「何を言う!」
熊雄が少し離れた所から緑色の光をフェニックスへ浴びせると傷が消えていく
「バカな、我を殺そうとしたんじゃないのか?」
「へっ、、思ってたさ!でも気が変わった、、、ただそれだけだよ、、、じゃあな」
背中を向け、手を振りバイバイと言う熊雄
「、、、待て!」
「あ?」
「この子をやろう」
「は?」
「もうそろそろ独り立ちの時なのだ!
我がずっとそばにいては独り立ちとはいえぬだろう」
「、、だからってなんで俺にくれんだよ!」
「オマエならこの子を預かれると思ったからだ」
「は?火の鳥ってな頭おかしいのか?」
「おかしくはない、、オマエは獣の長なのだろう?観た所竜とも仲が良さそうだ!
それならこの子も安全だろう」
「、、、ん〜、、、なんか逆に面倒だな」
「我が言うのもアレだが、、この子は役に立つ!、、冬も暖かいぞ」
「!!!へっ、、暖かいならもらっておこう」
ズコッ!
近くで聞いていたカエルンドはズッコケた
「暖かいならって、今でも皆んな集まれば暖かいじゃろう、、火の魔法もあるし」
「そうさ
でもなー、、何故なら、、北海道の冬は凍れるからなっ」
「??!」
「??」
ガーハッハッと独りで笑う熊雄だった
「よく分からぬが連れてってくれるのだな」
「ああ、、暖かいならな!」
「さあ、、行きなさい、、我が子よ」
「、、、お母さん、、離れたくない、、」
「フフフ、この世から消える訳ではありません!また必ず会えます」
「絶対だよ!」
「ええ、絶対に」
「、、、熊のおっちゃん、、お母さんが行けって言うからついてってやるよ」
「、、寂しくねえのか?」
「べっっっっつにー、、僕はそろそろ一歳なんだ、、一歳はもう半分大人だ」
「、、、オマエ騙されてね?それ」
「フフフ、良いのです!我々火の鳥は
産まれてすぐ独り立ちするのが基本なのです、、、何故なら」
「何故なら火の鳥は死ぬ間際に子供を産み、親が育てるということが無い特殊な生物だからである、、、か」
「ええ、、よくご存知のようで」
「しかし何故今、、親であるあなたが生きてるのに子供がいるんじゃ?」
「フフフ、、話すと長くなります、、」
「え、、長くなんの?やめようぜ
興味ねえし」
「オマエな、、普通ここは聞くところじゃろう」
「フフフ、、正直ですね!では良かったら私の隠れ家に行きませんか?
食べ物も少しは用意できます」
「お!マジで?わりいな!お邪魔しまーす♪ホラッ皆んな行こうぜ」
「はぁー本当この人は、、ただの食いしん坊ですね」
「ミカ、、そのとおーり、、ガーハッハッ」
カエルンドに竜化してもらい皆んな乗って
フェニックスのオアシスなる所へ移動した、、、のはいんだが、、
「熱くね?」
「ウッキー、、溶けそうっきー」
「ブモー、、私の背脂が溶ける」
「ニャー、、ネコはあっちゅいの無理にゃー」
「ワンッ、、体毛があるから僕も暑いのは苦手ワンッ」
「すみません!私は火の鳥なので暑くないとダメなのでウッカリ忘れてました」
「へっしょうがねえな、、どらっ」
熊雄がそう言うとすぐ涼しくなった
「おいっいつのまにこんな事できるようになった?」
「熊雄さん!?これ結構凄いのですよ!」
「フフフ、さすが私に勝てる逸材ですね」
熊雄は褒められて満更でもない様子
ギンガ達はよく分からないけど
涼しければいいや、と特に聞かなかったが
後からカエルンドが説明してくれた
どうやら魔力でドーム型の空間
を作り、そこに冷気を充満させたらしい
家に帰ってからよくそんなイメージ出来たな?と聞かれた熊雄が
「へっ!道民なめんなよ!家から一歩外に行きゃあダイヤモンドダストだ、吹雪でホワイトアウトだ、やべえ環境だったからな、、ガーハッハッ!」
「なるほどのう、、育った環境か」
と妙に納得したカエルンドであった
そんな快適空間になった火の鳥の家で色々と聞いた話だと
どうも神様に言われて生きてるうちに産めるようになったとの事
今回は特別です、と
でも火の鳥は嬉しかった
子供を産むのは大変だったが
小さい我が子と一緒に過ごせた時間はかけがえのない時間だった、と
たまに近くにいる子供の身体を撫でながら
とても優しい眼差しで微笑む火の鳥
和やかな雰囲気の中、、、
皆んな号泣していた!!っ!!!
「え、、、ちょっと、、皆さん大丈夫ですか?」
「「「「「だいじょうぶ」」」」」
「そ、そうですか、、、あ!こちらがこの辺りで取れる果物になります
どうぞお召し上がりください」
「、、赤い、、果実?まるで桃みてえな形だな、、、シャクッ!!?おっ甘くてうめぇー」
「「「「本当だ!おいしいっ!」」」」
「これは、アレだな、、食べた事ねえ味だな、、、桃とマンゴーと、、パッションフルーツを合わせたような!?うーん、、とにかくうめえ」
「喜んで頂けて嬉しいです!1年に1個しか実をつけない不老樹と呼ばれる木から取れる果物です!
コレを1個食べるとその年はもうあとは水だけでも生きてく事が出来るほど栄養価が高いのですよ」
「、、、ゴクンッ、、へ?、、おいっ俺もう2個も食っちまったぞ」
「「「「「はぁ〜本当食いしん坊〜」」」」」
「もっと早く言ってくれよ〜」
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