エピソード0ゼロ 第二話 友よ


 「ヨシっ!豚獣人のコンゴ!他の豚獣人達とこの板を村へ運んでくれ」


「ブモッ!、、ブヒッブヒッ、、ブモー」


「「「ブヒー!」」」


「おーい、、、だれかー」


「ウッキー?」


「おお!猿獣人のクッキー、、また紐が足りなくなったから、、悪いけど皆んなでまた集めてきてくれ」


「ウッキッキー♫、、ウキっキー!」


「「「ウッキー♫」」」


「ワンッワンッ」


「おお、ギンガ!よしよし、、お前には焼き鳥作りを頼もうかな!どうだ?この前一緒に作ったから出来るだろう、、?ちょっと難しいかな?」


「ワンッワンッワンッワンッ」


「そうか、出来そうか!よし!頼んだぞ!皆んなにも教えてやってくれ」


「ワウー!ワンッワンッ」


「「「ワンッワンッ」」」




崖下にネコ達を置いてって住処になりそうな場所を探しに熊雄とお猿さんで行ったあと


川と崖が見つかったのでとりあえずその近くに拠点を作った


最初は熊雄の風魔法で木を板にしまくって1つの小屋を作った


ネコや犬、お猿さん達は付近を探索して毎日木の実やら果物を持ってきてくれる


熊雄は大忙し


建築、食事、水の用意から葉っぱを器にしたり紐にしたりと毎日休む暇もないほど働きまくった


それでも何か困った時はだいたい魔法が片付けてくれた


半年も過ぎたある日

天使のミカエルが獣王神様なる神さまを連れてきてくれた


「ホッホッホ!お主が創造神様の使いじゃな、、どれ、、オオッたくさん動物がおるな、、」


「下半身がない!?、、神様って下半身なかったっけ?」


「ホッホッホ!神に対してタメ口とは恐れ入るな、、なかなか肝っ玉が座ってある」


「そのホッホッホって創造神様の真似だろ、、」


「ギクッ!、、な、、何のことじゃッ?」


「、、、やっぱりな、、」


「フンッ、、子が親を真似て何がわるい」


「あっ!開き直ったな、、」


「そんな事よりな、いいか?創造神様に命令されてきたんじゃ!」


「ん?何をだ?」


「そこの動物達をな、、獣人なる二足歩行に進化させよ、、とな」


「えっ?人間みたいに?、、ん?俺みたいにか、、?」


「そうじゃ、お主のような獣人じゃな!話せて知能もあって歩けて道具も使える」


「オオッそれは助かるぜ!早く、、早くやってくれ」


「ホッホッホ!そうじゃろ!どれ、、、ムムッ、、カーッ!」


ボフンッ


ボフンッ、


ボフンッ


ボフンッ


「オオッ、、モコモコ煙に包まれた!オーイ皆んな大丈夫かー?」


「「「、、、、」」」」


「おろ?、、ん?こうかな、、ん?こっちか、、?むっ?」


「おいおい、、大丈夫なんだろな、、おっちゃん」


「おっちゃっ?!、、お前な!神に向かっておっちゃんとはなんじゃ、、あっ!しまった」


「ブモー」「ワンッ」「ウッキー」「ニャオー」「ウモー」


「、、、、、」


「、、、、」


「、、じゅ、、、獣王神様ぁー」


「ミ、、ミカエル、、、ちょっとワシ、、神界に戻るぞい」


「あっ、、ちょっと待ってー泣」


「あっこら、、待ちやがれ」


ボフンッ


「ブモー」「ニャオー」「ワンッ」「ウッキー」「ウモー」


ぱっと見獣人だ、、しかし、、言葉が話せない


「ブモー」「ニャオー」「ワンッ」「ウッキー」「ウモー」


「そうだろ?今のままでも充分だよなー」


「えっ?熊雄さん、、もしや彼らの言葉が分かるのですか?」


「へ?ミカエルは分からないのか?」


「まったく、、、」


「へ?嘘、、俺にはちゃんと分かるけどな、、」


「、、、、そうですか、、それなら、、まあ、、」


その後は早かった


やはり手があって足もあって言葉が通じるのは素晴らしいと言わんばかりに皆んなたくさん働いてくれた


手分けして仕事を分配出来たから

熊雄が睡眠時間を削って働かなくてよくなった


日が昇ったら起きて、働いて


日が沈んだら飯食って寝る


電気のあった地球とは大違い


こっちの暮らしの方がよっぽど人間っぽいのでは?と、途中思ったくらいだった


皆んなで毎日頑張って1人一軒の小屋を作った


トイレも作ったし


水飲み場も作った


排水を考え、少し屈めば飲めるよう工夫した水飲み場は綺麗な湧水を竹を割って水路にし引っ張ってきた


トイレはまあボットン便所だけど匂いが出ないよう土と香草、藁なんかを混ぜた物を敷き詰めたら

匂いがほとんど出ないようになった


もちろん最初は失敗ばかりでダメだったけど、、、


熊雄がリーダーになってアレコレ工夫したら上手い事いった


何でも実家の畜産を手伝う前は

青年海外協力隊に入って色々な国へ行き

植林やら井戸作りを手伝ったらしい


さらに北海道に戻ってからは動物園でバイトした事もあるから

熊雄にとって工夫するのは日常茶飯事だった


これで快適な日々が送れる、、、はずだった、、、


「、、、なあ、、、」


「ブモッ?」「ワウン?」「ニャオー?」「ブモーー?」「ウッキー?」


「いや、、おかしくねーか?一人一軒小屋があるだろーが、、何で毎晩、毎晩うちにきて皆んなで寝るんだよ」


「、、、」「、、、」「!!!」「!!」「、、、」


「わかった、、俺が悪かった!だからその悲しそうな顔はやめてくれ、、参った、、一緒に寝るから」


「ブモー!」「ニャオーー」「ワンッワンッ」「ウッキー♫」「ブヒッ」


「しかし、、そうだな、、そろそろ新たな仲間も作るか、、、名案があるぞ。。むっふっふー」


「「「???」」」


次の日、、、熊雄は虎を出してしまい大騒ぎ


「オオッかっけーぜ!よろしくなっ」


「がウッ!」


「虎、、とら、、虎だから、、タイガー?まんまだな、、あっ!閃いたぞ!リイガーだな、うん、、、こっちに来る前なっ俺リンガーハッ○トって長崎チャンポン屋さんに行きたかったんだよ」


「。。ガウー?」


「そうだよな。。わかんねえよな!あー思い出したらチャンポン食いたくなってきたぜー」


「がウッ」


「、、、タイでわざわざ虎を触っといて良かったぜ!よろしくなっリイガー」


「ガウ♫」


「ほらっ皆んなも挨拶は?」


「ブモー」「ウッキー」「ワンッ」「ニャオー」「ブヒッ」


「ホッホッホ、、」


「げっ!」


「これっ、、神様に向かってゲッとはなんじゃ」


「えーだってこの前逃げたじゃん」


「フンッ、、神様でも失敗する事はあるわい」


「獣王神様、、神様は失敗しないんですよ、、」


「えーい、ミカエルまでうるさいぞ!よいか、、失敗は成功の元じゃ」


「プッ、、神様が言うんじゃ間違いねえわ」


「そうじゃろう、、、パンパカパーン!」


「ん?」


「なんじゃ?せっかく賑やかなノリにしたというのに、、」


人差し指を口に咥えてつまらなそうきする獣王神様


「、、あのな、、誰がおっさん姿のんな姿見てえと思うよ、、」


ぷるぷるしながらイライラする熊雄


「ホッホッホ、まあそう怒るな、、どらっ、、、」


ボフンッ


ボフンッ


ボフンッ


ボフンッ


ボフンッ


「ん?この前はいなかった動物じゃな、、お主には、、、そらっ、、」


ボフンッボフンッボフンッボフンッモコモコモコモコ


「ブモー、、、プ!!!オオッ、、言葉が、、話せるモー」


「ニャオー、、ニ!!!わあっ、、やったーニャ」


「ブヒッ、、。プッ、、、、お腹減ったブヒッ」


「ウッキー、、ウッ、、遊び行きたいっキー」


「ワンッ、、ワ、、、我があるじー」


「がウッ、、、ガッ、、、ヤッホー、、」


「なっ!!何だお前らー!!!喋れるようになったのかよー」


獣人になった皆んなを抱き寄せ頬ずりする熊雄


「ちょっ、、くちゃいブー」


「うわっ、、暑苦しいっキー」


「にゃー、、離れろニャー」


「あるじー、、もっとー、、あるじー」


「ブモー、、熱いですもー」


「イッシッシッシ、、熱いし臭いぜ!」


「、、、おめえら、、、そんな事思ってたのかクオラッーーー」


「「「「ヒャー逃げろー」」」


「待てっゴラー!」


「ホッホッホ、、仲が良くて何よりじゃ!」


「フンッ。、なあ!それよりさっ、、、ゴニョゴニョゴニョ、、」


「ふんふん、、わかった。ただもう少しレベルが上がらないと無理じゃな」


「レベル?そんなもんあんのか?ゲームみてえだな」


「ホッホッホ、、なに、、時期に強い魔物も出てくるでな!それまでに各々スキルの修練に励むが良い!


ミカエルー」


「はい、獣王神様」


「お前が面倒見なさい」


「えっー」


「何じゃ?嫌なのか?」


「えっ、、いや、、やりますよ、、やればいんでしょー」


「ホッホッホ、、では任せたぞ!困ったら呼びなさい」


「、、フンッ、、わかりましたよー」


「ほいじゃあのー」ボフンッ


「はぁ、、、えーっと、、」


ミカエルが振り向くともう熊雄達はいなかった


「ちょっとー、、大事な話があるのにー、、」


小さい羽を一生懸命パタパタ動かして熊雄達に追いつこうと頑張るミカエル


「ヘブッ!!痛いなっ!急に止まらないで欲しいですよ」


「おい、、なんだあのでけーの、、、」


「んっ?、、ああ、、アレは、、ええーー、、アッ、、アッ、、アッ、、」


「オオッ、、お主らが転生者だな?」


「えっ!喋れんのか?」


空から降りてきたのは巨大な竜


デカい羽がバッサバッサっと木々を揺らし

土埃を巻き上げる


ミカエルがピューんって飛ばされた!!


「当然じゃな、、ワシは神の使いだからな」


「そうか、、じゃあよろしくな!オッサン」


「ピキッ、、ほー、、お主の方がオッサンぽいけどな」


「アアッ?!俺はんなジジイくせー喋り方しねーよ」


「、、、やるか?」


「上等だぜ」


「フッならヒトの姿になってやろう、、」


竜がそう言うとシュンッシュンッシュンとみるみるうちに小さくなる


ガシィッ!


お互い地面に這いつくばって腕を合わせて

やっと戻ってきたミカエルにレディーゴーと言えとせがむ


デカい竜にもビビらない熊雄


ヒト型になったのに驚かない熊雄


そんなことより早く腕相撲やろうぜと意気込む


何故なら熊雄は産まれた北海道の地元で負けなしの腕相撲チャンピオンだったからである


「へっ!ぜってー負けねえ」


「ハッ、、神の使い舐めるなよ!小僧」


「もおー、、、なんでイキナリ腕相撲?、、はいはい、、レディー、、ゴー」


「グヌヌヌヌ、、」


「ヌオオオオッー」


ミシミシと凹む地面


辺り一面の小石が浮かび、溢れ出る魔力なのか闘気で空気が歪む


「へっ、、やるじゃねえか、、」


「ムッ、、ここまでとは、、まだ本気じゃないがな、、」


「ホォー、、なら、、コレでどうだーっ!」


「ムッ」


一気に溢れ出た空気がギュンッと熊雄の中に入ってった


すると熊雄の右手が獣化して熊の手に!!!


「オイオイッ!、、ならワシも、、フンッ」


すると竜の右手がヒトの手から竜の手に変わる


チュドーンッ!!!


バリバリッバリバリッ!


2人の腕から黒い雷みたいな稲妻がバチバチと走る


「オリャァァァーー」


「ヌオオオオッーリャー!」


ドッゴーンッッッっ!!!!!


何十メートルと土煙が立ち上がる


「ケホッケホッ、、ちょっとー、、見えないですよー」


ミカエルがアタフタと困る中少しずつ煙が晴れてくる、、、


「んー???どっちが勝ったですかー?」


薄目でジィーと見るミカエル


すると、、、、、


地面に穴が開いたのか2人がいなかった


「ゲホッゲホッ、、いやーまいった、、まさか穴が開くとは、、ゲホッ、、」


「ウエッホ、、ゴホッ、、カーッぺっ、、クソッ、、ワシが勝ってたのに、、」


「あ?なんだとこの野郎」


「なんじゃ?本当の事じゃろ、、」


「ぷっ、、ガーハーハッハッハ」


「フッ、、ハッハッハッ」


ガシィッと握手をして何やらニヤける熊雄と竜


「俺は熊雄だ!知っての通り転移者だ!よろしくな」


「ホッホッ、、ワシはカエルンド!神の使いじゃな!何かあれば助力しよう」


「ウフフ、僕はミカエルだよ!」


「「、、、、、」」


「ちょっ、なんで2人とも無視するですかー」


「ミカエル、、酒とかねえの?」


「お酒なんて、、、ハイハイ、今日だけですよ」


皆んなが集めた果実を魔法で集めてギューっと潰し、ジュースにする


コップなんてないから大きな葉っぱをクルッと重ねてコップ代わりにした物に注ぐ


何やらミカエルが唱えると、、、、ピカッと光ってアルコールの匂いが


「オオッ!初めてミカエルが役に立ったぜ!ありがとうな」


「なんじゃ!同じ神の使いでも違うのだな、、」


「ウフフ、、熊雄さーん、、怒りますですよ!」


「ガーハッハ、そんな事気にすんなよ!どれ、お客さんにも作れるか?」


「ハイハイ、、じゃあ、、こっちはコレかな、、」


サツマイモみたいな穀物に見える物とバナナっぼい物をぎゅっと絞って何やらまた魔法をかける


すると、!、


「オオッ、、さっきのは果実酒でこっちは焼酎みてえだな!どっちにする?」


「じゃあ果実酒じゃな」


「ヨシっ、、カンパーイ」


「、、ムッ?かんぱい?」


「アアッ俺の故郷でな、飲むときの挨拶だな」


「ホッホッそうか、ならカンパイじゃない」


「あー2人だけなんてズルいですよ!皆んなー一緒に飲むですよー」


竜のカエルンドが来た時から隠れて観ていた獣人達を呼んで宴会を始める熊雄達


こっちの世界に来てから初めての宴会だ


大した物なんてない


それでもミカエルがお酒を作れるから宴会は大いに盛り上がった


「ガーハッハッハ、よーし次は俺だな!熊の裸踊りを見せてやろう、、」


「おいよせ!汚ねえ!女の子ならともかく」


「なんだとこの野郎!じゃあ猫、お前いけ」


「ニャンでよ!見せていい事にゃいでしょ!」  


「フッ、それならワシら2人を喜ばせたらワシが美味い物を獲ってきてやるぞ!、魚か?肉か?どっちでもな」


「ニャニャ、、フンッ、、ちょっとだけにゃよ」


胸に着けていた葉っぱのブラジャーみたいな物を取ると

熊雄とカエルンドにパフパフ攻撃をする猫のランド♀


「ムオッホッホ♡」


「オオッ、、オオッ、、柔らか、、」



、、、、、、、、



「で?どうだったのにゃ?」


「参りました」


「ああ、、負けたな」


「やったにゃ」


「今度持ってこよう!」


「俺はお前の頼みを今度聞いてやる」


「ニャー!女王ニャー」


「オイ熊雄!、、ゴニョゴニョゴニョ」


「ン?、、ああ、、ああ、、わかった!」


「あーあもうっ、、本当に男ってヤラシイんだから、、ねー皆んな!」


ミカエルがそう言うも他の♂獣人達は股間を両手で抑えていた、、


「あちゃー、、」



宴会は朝方まで続き、次第に1人、、また1人と酔い潰れて寝ていった




「そうか、、お前さんはまだ来たばっかりか、、」


「ああ、、やっと小屋が出来たとこだな、、まだやる事が山積みだ」


「ならしばらくワシも手伝おう」


「なに、いいのか?!」


「ああ、どうせ暇だからな!たまに世界中観に行くだけの仕事よ」


「へー、、さそがし綺麗だろうな、、空からの眺めは」


「ああ、、、綺麗だな!自分達生命体がちっぽけに思える、、」


「よく言うぜ!世界最強のくせに」


「フッ、、」


「まあ、腕相撲は俺のがつえーけどな」


「、、ピキッ、、なら勝負をつけるか、、」


「ねえねえ、、そろそろ寝るですよー」


「「先に寝とけ!」」


「ヒッ!、、もおーコレだから嫌なんですよ!どっちが勝ってもいいでしょ全く」


「「よくないっ」」


「はー、ヤダヤダ、、僕は先に寝ますですよー」



ミカエルがその場を離れるとドカンッドカンッ音が鳴っていたが無視して寝た


ちっこいミカエルが落ち葉を布団代わりに寝る様は

なかなか可愛いものであった。


無論、性の対象にならないのか皆んな無視である。


かわいそうなミカエル!



ーーーそれから一年の月日が流れたーーー


毎日、毎日熊雄は動物を創造し続け


獣王神様はたまに来て動物を獣人に変える


増えていった獣人達は村の開拓に精を出した


今や村も大きくなって人口も増えた


あの日発情した獣人達から二世も産まれた


魔法で作った生命体からの出産は少し怖かったが

産んでみたら何ともない、ごく普通の出産で拍子抜けした熊雄だった


カエルンドは結局ずーっと手伝ってくれている


食糧が少なくなれば狩りに


建築が大変そうなら空からアシスト


必要な鉱石なども取ってきてくれる


何とも頼りになる竜であった


そして全てを指揮する熊雄


朝から晩まで働き続け!とうとう三階建ての建物を建てた


1000人余りの獣人の住む家、広場にキッチン、、トイレにお風呂!そして、、、


何故かドワーフが1人!!!


ある日カエルンドが1人のドワーフを連れて来たのだ


「生き残りが居たから連れて来た!此処で働くように」


「は、、ハイッ、、分かりましたから、、殺さないでください」


「、、オイオイ、エラい怯えてるな、、カエルンド何したんだ?」


「、、、何も、、騒いだら空から落っことすって言っただけだ」


「そりゃ怯えるだろがっ!アホか」


「、。。うんうん、、うんうん、、」


「ホレッみろ、、アンタ安心しろよ、、もう大丈夫だ」


熊雄に駆け寄りギューっとくっ付くドワーフ


「オイオイ、親父に抱きつかれてもな、、」


「!!僕まだ10歳だよ」


「、、、嘘だろ、、」


「ホッホッホ、、ドワーフは生まれつきこんな顔じゃ」


「そうか、、なら甘えていいぞ、、絵面は良くないがな」


「ウワーン、、皆んな死んじゃったんだ、、僕、、僕、、怖かったよー」


「、、、カエルンド、、ドワーフは他にいねえのか?」


「、、だいぶ減ったな」


「、、そうか、、ヨシっなら俺がお前の親父になってやる!」


「、、、えー」


「嫌なんかコラッ!」


「グヒッ、怖い、、」


「ああ悪かった、、いやお前がえーとか言うからだろ」


「ウワーン」


「よしよし、、」


「ドワーフか、、ノーム、、、ノム、、お前は今日からノムだな、、わかったか!?ノム」


「、、ノム?!わかった」


その後村へ連れて行き皆んなに事情を説明したらノムを快く受け入れてくれた


「えへへ、、人がたくさんいる♫」


「そうだろう、、此処がお前の家だ!もう安心だぞ」


「うん、ありがとう、、、」


「くまおだ」


「くまの?!」


「クマのったらプーになっちまうな、、」


「ブー???」


「ズコッ、、なんで濁すんだよ、、プーだろ、、可愛い感じの」


「えへへ、、ブーおじちゃん」


「、、へいへい、もういいよそれで、、どらっ」


ドワーフのノムを肩車して村を案内する熊雄ことブー



その日からノムが「ブーおじちゃん、ブーおじちゃん」と呼ぶので皆んなも真似して「ブー」と呼ぶようになった


そしてその夜ノムの歓迎会でまた宴会になり皆が酔い潰れた頃カエルンドがボソボソと話し始めた!



神々がこの世界を作り

人間と魔族、ドワーフとエルフが居たこと


最初こそ平和だったがいつしか争うようになったこと


そして人間嫌いなエルフが魔族と


錬金が得意なドワーフが人間と


力が拮抗し、、何十年も続いたが人間の方に勇者が


魔族の方に魔王が産まれ争いが激しさを増した事


さらに神々が強いスキルを与えたら


今度はもっと強いスキルを寄越せと神界にまで攻め込もうとした事


それに怒った神々がカエルンドをこの世に誕生させ


世界をリセットした事


今日拾ったドワーフのノムは本当に運良くたまたま生き延びたんだろう、、


カエルンドは事実としてありのままを熊雄に伝えた


「人間と魔族は?ドワーフとエルフはまだ生きてるのか?」


「分からない、、神々から貰ったワシのスキルでな

この辺り一帯の地形も変わった

もう10年近くなるか、、、たまに飛んで観に行くがな、、ほとんど見かけないな、、」


「そうか、、それで俺が呼ばれたのか、!」


「多分そうじゃな!いきものがいないと世界が崩壊するからな」 


「わかった!今後も増やしていくぜ!

言い辛い事を話してくれてありがとな」


ニコッと笑う熊雄


「お主、、ハハッ、、変わった奴じゃな」


カエルンドは内心嫌われると思っていた


神々からの命令とはいえ世界を焼いた


生きとし生ける物を虐殺した


それでも何も言わず笑いかけてくるとは、、


嬉しかった


本当は話しかけるのも怖かった


「暇だから」そう言ったのは本当だった


でも望んで暇になった訳ではない


カエルンドが望んで他の知的生命体がいない世界にした訳ではない


ずーっとそんな日々が続くのかと絶望すらした


毎日飛び回って誰かいないか探した


ずーっと探した


そんなある日見つけたのが熊雄だった


しかも警戒する訳でもなく、腕相撲をけしかけてきたり


酒を呑んだり、一緒に暮らし初めた


一年間言えなかった


毎日楽しかったから


世話をしてるつもりが自分が救われていたから


温かった、幸せだった


でもちゃんと言わないとダメだと良心が、心が痛んだ


そして意を決して告げたら怒りもせず笑ってくれた


この男は懐がでかい!


ただのバカではない。


出会ったのが熊雄で良かった!


「ありがとうな、、」


「なんだよ急に、、、腕相撲やるか?」


「、、お前は全く、、よーし今日こそ決着だぞアホ熊」


「ほー死にてえらしいなクソ竜めっ」


ドカンッ、、ドカンッ、、ボッカーン


「クソッ!また決着がつかねえ、、もっと堅い土台はねえのか?」


「、、アッ、、思い出したぞ、、あった!深海にあった!」


「なに?早くもってこい」


「フッ、、待て、、今度持って来てやる」


「よーし、、腕相撲大会だ」


「、、いや、、大会にしなくてもよくね?」


「フッフッフ、、腕相撲大会にはな、、ボインのねーちゃんがバニーガールだぞ」


「!!!!よし、、腕相撲大会じゃな」


「ああ!」


ガシィッと握手をするバカな男2匹


「ねえねえ、、僕の事忘れてない?2人とも、、」


「ん?いたのか?」


「気づかなんだ、、」


「ムキー!僕も大会に出てやる!」


「ハイハイ、頑張ってなー」


「フワーそろそろ寝るか、、」


「ムキー」


奇しくもボインを創ると言い出した熊雄の発想が


熊雄自身の運命を変える事になるとは、、、


まだこの時は誰も知らなかった!!



「しかしお主動物を出す以外のスキルはないのか?」


「ん?魔法を撃てるぞ」


「それから?」


「あとは知らん」


「ズコッ、、ワシが観てやろうか?」


「ああ、、そんな事もできんのか?」


「まあな、、、どれ、、鑑定」


熊雄 熊獣人 レベル10


体力 120000


力 350000


魔力 250000


防御 298000


素早さ 98000


スキル 星? 「万物創造」


 星? 魔法創造


 星? 全状態異常耐性


 星? 目的完遂不死


 星? 神の使い使役


 星? 幸運500


星? 絶対妊娠


 星? 必ず男の子が産まれる


 星? 5歳まで封印


 星? 死ぬ時にステータスを1日だけ譲渡


 


「、、、、」


「どうだったんだ?」


「オマエの強さが分かった!」


「なに?」


「ワシとそう変わらぬステータスじゃないか、、全く、、」


「そうか、、なら次こそ勝てるか、、」


「フンッ、、お前はレベルが低いな」


「レベル?、、ああソレこの前ミカにも言われたな」


「ヨシっ!深海に一緒にいくか、、」


「え、いや、ちょっと、、俺忙しいし、、またな」


「待てっ!何故逃げる?」


「えっ、いや、逃げてねえよ、、さあーて忙しいなー」


「、、一緒に行くぞ、、」


「オイオイって、、頼むから、、やめてくれー俺は、、俺は、、およげねんだよー」



こうしてレベル上げの為

何故か海に行く事になった熊雄とカエルンド



北海道民は、、、泳げないのに、、、


カエルンドの、、、バカ


スキーならプロ級さ


カエルンドの、、アホ



トホホ、、海かよ、、





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