エピソード0ゼロ 勝手に映画化 こんにちは異世界
北海道札幌市、少年よ、大志を抱けで有名なクラーク像からカメラは引いていき
宇宙へ、、
そのまま他の惑星に辿り着き
その星へドンドンと入っていく
ピエエエエエーン
ボンッ、、ボンッボンッ
空には大きな火の鳥が火の魔法を放ち
撃たれそうになった虹色の羽の鶏は魔法を避けながら
大きな滝の裏へと逃げる
色鮮やかな鳥達と色鮮やかな木々
ザッバーン、、、プシュー、、、
ギュルルルッ、、ドンッ、、ビーーー!
海では大きな魚がビームを放つも
小さな魚達はそのビームの周りをグルグル回って深海へと逃げる
クラゲみたいなふわふわ浮いてる生き物の大群が優雅に泳いでいる
燦々と降り注ぐ太陽の下
広大な森に1人の男?
1人の獣人が走り回っていた
ガサッゴソッ
ズドドドドッ
「ヒャッホー!やーっと森へ来れたぜ!」
男はまんま熊の外見だがヒトの言葉を叫んでいる
さらに手足はヒトの手足そのものだ
一体この生き物はなんだろう、、、
「ん?なんだ、、サルの野郎、、まだ来ねえのか?おっせーな!」
男はイライラしだした
サルが来ないからだと
「遅いっ!まったくいつまで俺を待たせやがる、、」
腕組みしながら人差し指をトントンットントンする
明らかにイライラ状態
「キキーっ!」
ガサッゴソッ
まだ視界の隅だがやっとサルが来たようだ
「おっせーんだよ!早く行くぞっ!日が暮れちまうぜ」
「キキーっ、、キキーっ」
重そうな身体の熊はそのまま器用に木にぶら下がりながらピョンっピョンっと身軽に進んでいく
早すぎてサルですら追いつけないスピードで、、
その上を大きなドラゴンがバッサッバッサと羽音を響かせながら飛んでいる
ここは地球から遠く、、遠く離れた異世界
もはや地球の常識なんか何一つ通用しないパラレルワールド
獣の姿で喋る獣人
魚の姿で歩く魚人
大きな羽と様々な吐息で他種族を狩るドラゴン
背が小さく髭もじゃでまん丸オッサン体型なのに鍛治が得意なドワーフ
綺麗な外見と長い耳で他種族を嫌う羽の生えたエルフ
地球では見たこともないような様々な生き物が暮らす
異世界、その名は「プルメリア」
そして先ほどの熊が今回の主人公
名を「熊雄」くまお
地球の北海道の酪農家として生を受け40年生きてきたが大雪の日に
屋根の雪を降ろそうとハシゴで登ったっきり戻ってこないのを家族がおかしいと思い2時間後に観に行くと雪に埋もれて亡くなっていた
そして男が意識が戻るとそこは光の世界
「ん?、、おっかしいな、、なんでーここ」
「、、言いにくいんじゃがな、、」
「うおっ!ビビった!誰だ?アンタ?」
「ホッホッホ、ワシは神様じゃ!」
「、、、へ?」
「お主は雪に埋もれて死んでしまったのじゃ」
「、、えー、、!あっ、、足踏み外したかも、、」
「、、きっとそのせいじゃ!」
「、、まじかよー、、結婚したかった、、」
「ホッホッホ、、、新たな世界で結婚してみないかな?」
「、、そんな、、いいのか?」
「ああ、いいとも、、、その代わりなっ!ゴニョゴニョゴニョ」
「そんなんでいいならお安い御用さ」
「そうか、、便利なスキルとそれを使う為の身体も用意する、、、あっ、それと急ぎ過ぎないでいいからな」
「ああ、おっちゃんありがとう」
「ホッホッホ、なに、、礼を言うのはこっちじゃ!ではな」
「あんの爺い、、こーんな砂漠でどうしろってんだよ!ったく、、」
次に意識が戻ったとき、ガバッと男が観たのは広大な砂漠
見渡す限り砂漠
「えっ、、、なにここ、、」
降り注ぐ太陽の熱ですぐに汗が吹き出してきた
それもそのはず男の感覚ではさっきまで雪の中作業していたのだから
それに北海道生まれ、北海道育ちで暑さに弱い
「0度は暖かい」が、口癖の道民である
それでも最近は夏になれば30度を越える日もあるから
一気に夏になったと思えば、、、
「ウガー、、暑すぎる!死ぬぞっクソッ」
「ウフフ!氷魔法を身体の周りに展開すれば適温にできますですよ」
「!?、、えっ?」
突然聞こえた子供のような声
どこだ?と男がキョロキョロする、、
「ウフフ、、頭の上ですよ!」
「なっ!?、!なんじゃー?」
頭の上に白い輪っかを付けた天使がふわふわ浮いている
「ウフフ、、僕は神様の使いですよ!困ったら何なりと聞いてくださいですよ」
「、、、アぢー」
「ウフフ、、ではまず魔力操作を教えちゃいますですよ
まずは自分の身体の中に暖かい物があるのがわかりませんですか?
集中してくださいです」
「むむっ!!、、さっぱりわからん」
「ズコッ、、じゃあ僕の魔力を感じてくださいです」
そう言いながら熊獣人の肩に乗って魔力を流す天使くん
「、、、おっ!コレか、、ふむっ、、ん?、、こうかな、、」
ドンッ!!
「やったです!魔力の門が開きましたですー」
「魔力の門、、よく分かんねえけど!、、コレが魔力か、、暖かいな、、」
「ウフフ、、じゃあ次にその魔力を身体の周りに留めるイメージをしてくださいです」
ピタッ
天使が言うとすぐにソレが出来た
「ヨシっ!出来たぜ」
「オー!30分で出来るとは!さすが転移者ですね!」
「なんだよ!そんな褒めんなよ!昔っから器用なんだ俺!へへっ」
「じゃあ次に、その魔力が冷たくなるイメージです!ただし、、あっホラっ!」
ピキーン!!!
危うく氷漬けになるところだった
「ガハッ、、、おい、、天使ちゃんよーオメー俺を、、あれか?殺す気か?」バキボキ手を鳴らす熊獣人
「、、や、、やだなーです、、そんな訳ないじゃないですか、、涼しいイメージですよ、、、まさか凍るとは思わなかったですよ」
「フンッ、、北海道舐めんなよ!マイナス42度までいくとこだぞ」
「、、マ、、マイナス42度!!!生物が生きられない環境ですけどソレ」
「そうだな、、、開拓民はそれでも協力して生き延びたんだよ!北海道民なめんなよ」
「いや、、別に、、僕にそんな事言われても、、困るです」
「ガーハッハッハッ、、それもそうだな、、アヂー、、早く涼しくすんの教えてくれ」
「もうっ」
天使が細かくイメージを伝えるとものの2.3分で出来た
「オオッ、、すげー!適温だぜ!ありがとうなっ、、天使ちゃん、、えっと、、名前は?なんだ」
「僕は天使だから名前なんてありませんよ!」
「名前がねえだと、、ろくな親じゃねえな!ちょっと待てよ、、、天使?キリスト教?、、マイケル?、、ミカエル?、、ミカエル、、うん、、ミカエルってのはどうだ?」
「ミカエル?、、ソレが僕の名前?」
「ああそうだ!カッコいい名前だろ」
「ウフフ、、よく分からないけどいいですよ!」
「よっしゃ!じゃあミカエル、改めてよろしくなっ」
「ハイです」
その後もミカエルの魔力講座は続いた
喉が渇いたと言えば水魔法を教えてもらい
ミカエルがその水に浄化魔法をかけてくれて飲めるようにしてくれたり
近くに村がないか?と聞けば
この辺りに村はないから今晩は野営するしかないですと言われてゲンナリしたり、、、
「トホホ、、異世界に来て最初は野営かよ、、」
「、、、あの、、、」
とても云いづらそうなミカエル
「ん?、、どうした?、、そんな深刻な顔して」
「あの、、僕のせいじゃないのですよ、、、あの、、今日、、というか、、」
「今日というか、、、まさか、、おい、、やめろー、、」
「今日どころかこれから先ずーっと野営?なのです」
「ヌオオオオッー、、、俺の快適な異世界ライフが消えたーー!初日で消えたー!、、。」
「、、、えへへ、、、すいませんなのです、、」
「、、、ちぇっ、、仕方ねえな。こうなったら自分で快適ライフ?作ってやるぜ」
言うが早いかまだ昼過ぎの2時くらい
そこから一気に近くにあった木を切って
屋根と簡易ベッドを作ってしまう熊獣人
「斧ねえの?」ってミカエルに聞いたら
「風魔法で木を縦に切れるのです」と言われたからやってみたら
本当に一気にズバッと切れた!
「おいおい、、魔力最高かよ、、紐は?」
「あ、流石に紐はないので紐になりそうな蔦や木の皮を上手く使ってくださいなのです」
「ほー、、ミカエル、オマエ知ってるな」
「ギクッ、、な、なんの事なのです?」
「ふん、、だって神様にゃ小屋作りなんて必要ねえだろ、、なんでんな事知ってんだよ、、、色々秘密がありそうだな!まあおいおい聞くさ」
「、、、変なとこで鋭いですね」
「ん?何か言ったか?」
「いーえっ、、、僕も手伝うのです」
「サンキューな、、ミカエルがいて良かったぜ」
「ウフフ!」
簡易ベッドと屋根が出来てから「腹減った」って言ったら
「コレは貴方だけの特別なスキルなのです、、、食べたい生き物を思いながら魔力を込めるのです
いいですか、、食べれる生き物ですよ」
「食いてえもん?、、んー、、いきなりだと悩むな、、、確かあの日は、、」
ボフンッ、、、
コケッ、、、コッ、コッ、コッ、、コケッ、、
「オオッ、、焼き鳥を思い出してたら鳥が出てきた♫」
「ウフフ、そうなのです!貴方は神より授かったスキル、、その名も(地球で触れたことのある生き物を創れるスキル)をもってるのです!」
「ええええー!」
「もちろんヒトは創れませんよ!所謂魔物とかです」
「、、、魔物って日本にはいねえぞ、、」
「んーとー、、動物?でしたっけ?」
「ああっ!それなら分かる!えーっと、、、ネコ、ネコ、ネコッ!」
ボフンッ、、「ニャオー」ゴロゴロッ
「オオッうちで育ててたクロベエだ!ヒャッホーめんこいぜ♫」
「黒いネコだからクロベエ?ウフフ、、あっ!こらっ、、引っ掻かないでー」
「ヨシっ。じゃあ次は、、そらっ」
ボフンッ、、ボフンッ、、ボフンッ
シベリアンハスキー
十勝ポーク
美瑛牛
「ワンッワンッ」
「ブヒッ」
「ウモー」
「おっしゃ!、、、あっ!やばっ、、眠気が、、」
「ウフフ、、魔力切れですよ!横になってください」
ニャー、、、クーン、、、
「ああ、、大丈夫だ!お前たちとまた会いたかった、、よしよし、、こっちの世界でもよろしくなっ」
ニャー、、クーン、クーン、、
横たわる熊獣人に寄り添うシベリアンハスキーと真っ黒なネコ!
意識まで日本で一緒に暮らしてた犬とネコなのかは分からない
だけど熊獣人にとてもなついている
「ウフフ、、ここは暑いですからね!初日なのでオマケですよ!そーれっ!」
天使のミカエルがキラキラと光りを降り注ぐと
犬とネコと牛と豚が喜んでいる
きっと暑さを和らげる為に氷魔法を使ってくれたのだろう
「ヘヘッ、、サンキューな、ミカ、、」
「ウフフ、、いいから寝てくださいね」
薄れゆく意識の中で熊雄は煌めく夜空を見上げて
とても綺麗だなと思った
地元の北海道だって夜空が綺麗だ
むしろどこにも負けないんじゃないかと自慢ですらあった
だけどここの夜空は次元が違う
木星や土星みたいな輪っかの付いた星や
天の川よりもっと大きな星の河
月みたいなのが2つ
流れ星が何本も流れている
「ああ、、本当に違う星なんだな、、、」
綺麗だった
だけど自分が産まれた世界じゃない
余りに綺麗過ぎてお前は全く違う世界に来たんだぞ、と押しつぶされそうだった
もう会えない親
もう会えない兄妹
もう会えない友達
熊雄はちょっぴりゴチた
ーーー次の日ーーーー
そのままずっと砂漠にいたって始まらない
とにかく移動してオアシスみたいな所はないか
川とか、、森とか?
しかし歩けど歩けど見当たらない
それに業をにやした熊雄が突然「なあ、、、お前浮いてるよな!」
「えっ、、僕ですか?」
「お前以外に浮いてるのいねえよな、、なあ、空から見てきてくれよ」
「えー、、あんまり干渉すると、、」
「ほー、、つまりこのまま俺ら死んでもいいと?」
「えっ、、そこまでは、、やだなー、、見てこないとは言ってないのですよ」
「、、さっさと行ってこーい!」
「ギャビーン」
サラサラのパッキンヘアーをむんずと掴まれ空へと投げ飛ばされるミカエル様
「わわわっ!ちょっと、ぼく、、ぼく神様なのですよー」
バビューンッと吹っ飛ばされたミカエル様
何とか空中でブレーキをかけて止まって空から大地を観ると12時の方向に木々が広がっている
「オオッ、、この距離なら、、
おーい、、このまま真っ直ぐアッチの方角に森があるのですよ」
「オオッ流石ミカ、助かるぜ」
「、、助かるなら投げないでよね、、、」
「悪りぃ悪りぃ、、でも飛べるのにやらなかったのも悪りぃんだぞ!俺らはもはや家族だからな!ガーハッハッハッ」
「、、フンッ、、家族、、かぞくか、、ウフフ」
氷魔法を展開したおかげで暑くはないが
時折止まって犬とネコと牛と豚とにわとりに水をあげる熊雄
コップや器なんてない
熊雄の大きな手のひらに入れた水魔法をミカエル様が浄化魔法で飲めるようにした水だ
「腹減ったろ、、、森に行けばきっと何かあるからな!!もう少しの辛抱だぞお前たち」
ニャー、、ワンッ、、コケー、、ウモー、ブヒッ
「ヘヘッ、、それに今日は、、そらっ」
ボフンッ
生物創造魔法で飛び出てきたのはサルだった
「よしっニホンザルだぜ!なあ、、あの森に皆んなが食えるもんあるか先に行って見つけてくれよ」
「キキーッ」
熊雄が頼むと颯爽と走っていくニホンザル
「さあ俺らも行くか、、」
自分達の真上は晴れてるが
行く先の方で雨雲がゴロゴロ鳴っていた
「あちゃー、。土砂降りは勘弁だぜ、、」
熊雄達は森に入ってまずは洞窟がないか探した
先ほど見た雨雲が気になったせいだ
濡れたら体温を奪われ体調を崩してしまう
異世界に転移して風邪引いて死にました、じゃ笑えない
体調管理は昔っから気をつけてきた
それに自分だけならまだしもクロベエやシベリアンハスキー達もいる
しっかりしなくては、、
「おっ!あの崖下いいな、、雨宿りはできそうだぜ」
少しずつぽつぽつと降ってきた、急がねば
「ん?、、ミカ、あそこ何かいるよな」
「、、はいです!アレは、、ゴブリンかな、、」
「ゴブリン??!」
「魔物ですね!ヒトを殺す事もあるです!気をつけてくださいね」
「、、俺が倒すのか?」
「ウフフ、、倒さないならクロベエちゃんやられちゃいますですよ」
「、、フー、、平和な日本から来たんだぞ、、まだ心の準備がなー」
「熊雄さん、、シベリアンハスキーくんも殺されちゃいますですよ、、」
「、、、わかった!で、、どう倒せばいい?」
「まず武器がないので魔法ではどうですか?最初に使った風魔法、、アレをもっと強くイメージしてくださいです」
「イメージした、、!」
「そしたら走って行ってゴブリン目掛けて放つだけです」
「ふぅ、、お前ら!ちょっと待ってろよ」
ニャー、、ワンッ、、ウモー、コケー、ブヒッ
崖下にいるのは5匹
立ちながらキョロキョロしてるのや
座ってるの
2匹で話し合ってるのと、、寝てる奴
熊雄が走って行くとゴブリンも気づいたのか手に持っている木の棒を振りかざしている
「オラっ、、!」
手のひらに集めた風魔法をゴブリン達目掛けて放つ
シュゴオオオオォォォッ!!!ドゴンッ、、
一瞬だった!
熊雄が手のひらをゴブリンに向けて風魔法を放つと
巨大な竜巻が手のひらからゴブリン目掛けて放たれ
後ろの崖に吹っ飛ばされて崖に亀裂が走った
「グハッ、、ゴフッ、、ウグッ、、」
ゴブリン達は即死だった
「、、、、悪りぃな、、!」
近くの地面に穴を開けてゴブリン達を埋めた
「、、、」
熊雄は終始無言だった
異世界に来て初めて二足歩行の生き物を殺した
食べる為じゃない
ほっとけばいつか襲われるかもしれないからだ
聞く人が聞けば
そんなの当たり前だろ、って言うかもしれない
でも熊雄は、、、心を痛めていた
話しかけてたら分かり合えてたかな、、
襲うなって教えたら!?
知能はあったのかな、、
そんな事を考えてたら気づかなかった
「ワウッ、、キャンッ」
「なんだ、、!?」
「熊雄さん、、奥にもゴブリンがいました」
「なっ!!ギンタ!、、クソッ」
熊雄は木の棒で殴られたシベリアンハスキーの元へ駆けつけてゴブリンを睨んだ
「お前らの仲間を殺して悪かった。だけどお前達と仲良く出来ねえか?」
熊雄の話なんか聞く耳持たないとばかりに尚も襲ってくる
ニャー、、ウモー、、コケーッ
「そうかよ、、やっぱりダメか、、なら仕方ねえな」
手のひらに炎を発動させてゴブリン達へ放つ
ゴオオオオッッっと音と共に焼けてくゴブリン達
「ミカ、、ゴブリンとは会話出来ねえのかな、、」
「そうなのです、、下級ゴブリンではまず無理ですね、、というか会話となると魔物とは無理です!
脅して言う事を聞かせるならもっと上位なら或いは、、」
「そうか、、」
「ゴブリンは流石に食べられませんが
他の魔物なら食べられると思いますですよ」
「、、、魔物は、、そうか、、鹿か」
熊雄は分かった
北海道民にとって鹿は害獣
奈良県だと神様の使いだと言われ街に居ても大丈夫なようだが
北海道民は鹿を害獣としか思ってない
畑を荒らされるからだ
せっかく育てた芋を食べられたら誰でも怒るだろう
こっちの世界で魔物は鹿なのだ、と頭を切り替えた
するとさっきまでの罪悪感はゼロになった
「ヨシっ!さあちっと雨が強くなってきた。お前らもこっちで休もうぜ
ギンタ、、大丈夫か?」
ギンタは左前足をひょこひょこしながら熊雄に近寄る
「うわっ、、ちょっと切れちまってるな、、何かねえかな、、」
「ウフフ、熊雄さん、、傷が治るイメージで魔力をわんちゃんに当ててください」
「?、、おっおう、、ギンタ、、痛いだろう、、治れ、、治れ、、治れー」
熊雄が光る手で傷口を摩るとみるみるうちに傷が塞がっていく
「ワンッ、、ワンッ、、」ペロペロ
「わはは、よせ、、くすぐってえぞ」
「ウフフ、、熊雄さん、貴方は魔法で大概のことが出来るようになってます!
困った事があったら魔法に頼ってくださいね」
「大概なこと?、、そうか、、」
「ウッキー!」
「おっ!戻ってきた、、何かあったか?」
両手いっぱいに木の実やフルーツを持ってきてくれたニホンザル
それをみんなでもぐもぐ食べた
ニホンザルのクッキーはバナナっぽいのを
ネコのクロベエはクルミみたいな木の実を
犬のギンタは真っ赤なフランボワーズみたいな実を
美瑛牛のタムと十勝ポークのコンゴは水と草を
にわとりのヤマさんは水と木の実を砕いたのを
そして熊雄とミカエル様はりんごみたいな果物を
「オオッ美味えなコレ、、りんごと桃を足したような味だぜ」
「ウフフ。、、おいちーですよ」
熊雄が2個食べるのは分かる
でもミカエル様も2個食べた
おかしい、、あの小さな身体のどこに2個も入ったのか、、
熊雄も最後の方は驚いた
お腹がぷっくりおじさん体型に膨らんだからだ
「なあ、、天使って太るのか?」
「なっ!!僕は太ってませーん」
デリカシーのないセリフに天使パンチをお見舞いするミカエル様
ほっぺがムニムニと凹む
それを観て皆んなが笑ったように見えた熊雄
「ヘヘヘッありがとうなっ!お前達がいれば楽しい世界になりそうだ」
「ニャー」
「ワンッ」
「ウモー」
「コケーッ」
「ウッキー」
「ブヒッ」
「ネコ、犬、サル、鳥、牛、豚、、あと何だ?、、あっそうか、、」
ボフンッ、、
煙から出てきたのはフクロウさん
「えーっと、何とかってフクロウだったな、、」
「、、ホー、」
熊雄の言葉に返事をするフクロウさん
「ヘヘッ、、ちょっとずつ賑やかになるな」
「ちょっと熊雄さん、、皆んなのご飯も大事ですよ!」
「ああ、、ちょっくら探してくるさ」
「えー!!僕達だけで襲われたらどうするんですか?」
「ヘヘッ困った事があれば魔法に頼れ、、だろ
皆んな1箇所に集まってろよ、、、フンッ」
ピカーンと皆んなの周りにガラスのような透明な膜が出来る
「、、コレなんですの?」
「、、んー、、バリア?」
指でコンコン叩く、、
「フンッ」
次は思いっきり殴ってみる
ゴーンっ!
「イテテッ、、とりあえず大丈夫かな!なるべく早く戻る!皆んな待っててくれよ!行くぞ!クッキー」
「ウッキー」
「あっ!ちょっとー、、あーあ行っちゃった、、」
こうして崖下で待たされる事になったミカエル様とネコ達
そして皆んなの為に暮らしやすい場所はないかと探す熊雄とお猿さん
「ニャー、、ニャー」
「ワンッ、、ワンッ」
「コケーッ、、コッコッコッ」
「ブモーー」
「ブヒッブヒッ」
「ウエーーン、、早く帰ってきてよー、、あっちょっと、、髪の毛引っ張らないでよ、、もうっ!」
動物達にしわくちゃにされるミカエル様でした
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