第50話 皆んなで肉ダンジョン



「クロ、ルミ!そっち行ったよ!」


「はい」「うん」


ズガンッツ、ドンっ!


「やった!お肉出た」「ほんとにお肉だけ出るんだね!面白いや」


「あ、危ない!まだ残ってるぞ」


「っ!任せて、、やー!魔王パンチ」


「ウリャあー!ドラゴンクロー」


ベシャッ。  ザクっ!


「ルミエンド♂のドラゴンクローって俺の爪斬撃と似てるよな」とイガーが言うと


「うん、、ただの爪攻撃だからね!」


「ズコッ!ソレを言ったらおしまいだな!イッシッシッシ」




ここは肉ダンジョン内部の草原エリア


ついこの前イガー達を獣王神様に預けてブーだけ帰った場所に、ルミエンド♂とクロトも一緒にいる


たまたまお魚が取れたからと連絡してきたクロトに

「肉ダンジョン行く?」と聞いたら興味津々でうんと即答だった

なんでも魔王領でも魔物はいるがもっと欲しかったとの事

いっぱいゲットして帰らないとと鼻息荒くするクロトであった


そしてルミエンド♂は、、、何となく


何か暇だったらしい


フフフ、、そりゃそうだよね!毎日おもちゃ触ってたらたまには息抜きも必要だよ


おじいちゃんのカエルンドに「孫に何かあったらすぐ呼んで欲しい」と頼まれたのでミツバチさんバッジを渡しておいたブー


「ホッホッホこれは便利だのう、、なに、、ルミエンド♂に何かあればその肉ダンジョン諸共消しとばしてやるぞい」と、、


おーこわっ!世界最強やばすぎでしょ


白鳥獣人のリディアの前だとただのエロジジイなのに、、、フフフ



「さあ行こう!今日は攻略するまで帰らないからね!みんな気合い入れてよー」


「うん」「わかった」「「「「「おう」」」」」


クロト、イガー、トンガ、トンゴが前衛


僕とギンが中衛


ルミエンド♂が後衛


ヤマトは火鶏に乗って遊撃手


ヤマトは今や3キロ先までクナイを飛ばせるみたい




「ハッ!」、、、グエー


「ウリャっ!」、、ウブシュッ


「竜の雄叫び」、、、!!!バタンッ


ヤマトは見つけた魔物にクナイを飛ばして仕留め


イガーは気配を殺して暗殺


ルミエンド♂は後ろからなのに竜の雄叫びという必殺技を使っていた


ただの雄叫びとは違い声に魔力を込めるんだと!


それでピンポイントに衝撃を飛ばせるとは、、竜凄い!


みんなから「なにそれ、、いいなー!」と言われ照れていた


やはり竜、、素質が凄い!というかズルい!チートだな


すぐに抜かれるかもと思ったブーだった



皆んな強いのでサクサク進んでいった


今や31階


ここからはマグマ地帯!


降りてくる途中でわかった!とにかく暑い


いや。。暑すぎなのである


元気なのはルミエンド♂と火鶏


火鶏は名前の通り暖かい所でも大丈夫らしい


ヤマトが羨ましがっている


「アぢー!」「ここは、、鎧キツいな」「ウッ!脱ぎたい、、」「うひゃー!暑いよー」


「え?ホント?僕は竜だからかな、、適温なんだよね、、」


「「「「「ずるい」」」」」


フフフ、、竜種ってホントチート過ぎだね!


するとイガーがポンッポンッと青い氷の魔石を作って皆んなに渡すと

だいぶ楽になったと喜んでいた



「みんな、見たことない魔物が!2時の方向」


「あれは、、、四つ腕コング、、オニモンキーもいる!気をつけてね皆んな」


ヤマトが教えてくれたのでミツバチさんを飛ばして感覚共有で魔物を近くでみたブーが皆んなに伝える!


四つ腕コングが20体ほど


鬼モンキーに至っては50匹くらいいる、、


さて、、どうするか、、


「へへっ!ブー様、、ここは俺達にやらせてください」と前に出るトンガとトンゴ


「ん?、、大丈夫?」


「へい、、伊達に獣王神様に鍛えられてません」

「最近運動してなかったからウズウズしてまさあ!」


そう言いながら両腕を獣化して斧を頭の上に構えるトンガ


あ!斧に闘気が込められてる、、、


「一刀両断ッ!」


獣化した腕で斧を地面に叩きつけると斬撃が真っ直ぐ飛んでいく


「?!ッ!キキー」


「ウホッ」


ズガーンッ


両腕を獣化したトンゴが自身の握り拳をガンガンッとぶつけた後に

「空爆殺!フンッ、、フンッ」と腕を振ると


衝撃波が飛んでいく


「!!キキー」


「、、、ウホッほー!」


まるで中級の風魔法みたいにザクザク切り刻む


「お二人とも、、残してますよ!ハッ!二刀流、、ハッ、、、横一文字✖️2」


刀を真横に抜刀するとそのまま斬撃が2本飛んでいく


ズザッ、、「キー」「ウゥッ」


「ギンこそっ!5匹飛んだよ!、、ハッ、、ハッ」


火鶏に乗りながら両手からクナイを投げるヤマト


ボフンッっと煙が上がり猿肉とコング肉が落ちていた


「お見事!」「うわっ皆んな強いですね」「フフフ、凄いレベルアップしてるね皆んな」


「、、俺何もやってない、、、」


出番が無くて独りゴチるイガーであった


「まあまあ、狩りはこれからこれから」


「そうだぞイガー!イガーは秘密兵器って奴さ」


「そうか?そうだと俺も思ってたんだ!さあ行こうぜ皆んな♫」


イガー以外皆んな笑っている


イガーがいるからこその雰囲気であった


因みに今日はダサパーリーはお留守番


「やだ、ついて行く」と言われたがお前達にSランクはまだ早いとガッツリ説得したイガーだった



「しっかし、、猿とゴリラ?食べれるのかな、、」


「そうだよね、、食べたことないや」


「ウゥゥッ、、僕はパスッ!なんか臭そう、、、」


一応お肉の状態で匂いを嗅いでみたけど、、、


うん、、よく分からない!という感想


かと言って食べるのもなー


「ねえイガー」

「ん?、、ああ、、鑑定」


@Aランク鬼モンキーの肉


煮込み料理に最適!トマトと相性良し



@Aランクの四つ腕コングのお肉


塩漬けにして燻製にすると美味



「だってよ!」


「へー!鑑定すごっ!料理名まで出るんだ」


「イガーくんすごいね!」


「フフフ、、鑑定欲しいよね」


「「「「うんうん」」」」と皆んな首を振っていた



「しっかしこんな暑いのによく魔物って生きてるよな!」


「そうだね、、過酷な環境の方が外敵がいないからかな、、その分食べ物もないはずなんだけど、、、」



すると奥の岩壁の山頂付近から何やら視線を感じたブー


「、、、ウソ!、、」


「「「「え?」」」」


ブーが驚いた視線のその先を皆んなが追うと

1匹の魔物?がいる、、、ような気がする!!


「よく、、見えないな、、」


「ああ、小さい、、」


「うそ、、あれは勝てないよ、、」


「え?ブー様が勝てない?、、」


するとその魔物はサッと飛んでいってしまった


「「「、、、!?」」」


「、、ぶはー、、」ドッと汗をかいているブー


「ブー様、、どんな魔物だったのですか?」


「フフフ、、驚いた!アレは多分不死鳥フェニックス、火の神様の眷属だよ!

ランク的にはルミエンド♂のおじいちゃんと同じくらい」


「え!おじいちゃんと同じ?それなら無理だー」


「、、よかった!そんな強い魔物が襲ってきたら全滅でしたね!」


すると無線から声が聞こえた!

「お主達は運がいいのー」


「あっ!おじいちゃん!さっきの気付いてたの?」


「まあ、、なんとなくな、、襲ってきそうなら向かうとこじゃったわい」


「そうなんだ!良かった!どっかいったよ」


「ああ、、引き続き気をつけてなー」


「うん」


というか無線ミツバチさんを通してそんな事分かるの?

やっぱりおかしい、、竜はもはやチートだね


警戒しながら歩いていると

視線の先にキラリと光る!


なんだろう、、と近づいて行くと

どんどん大きくなる


青っぽいような銀色っぽいような、、、


このフォルムどっかで、、、


「えっ!もしかして、、」


「こんな所にもいるんだな!」


「しかもゴールデンより大きいし」


「うわっ!ミスリルカウだ!」


軽自動車くらいのミスリル色の牛


形はまんまゴールデンカウ


違うのはその表面の色


この前まで皆んなが装備してたミスリルと同じ色


「マジか!アダマンタイトの装備があって良かったぜ」


「ああ、、」


「クロト、ルミエンド♂、アイツは逃げるからね!絶対倒すよ!」


「うん」「はい」


「魔王の呪縛」


そう唱えたクロトから血が飛び出してミスリルカウの陰に入り込む


「みなさん、、コレでアイツは動きが遅くなります」


「イッシッシッシ!なんだよ、、クロトって結構やべーじゃん!コイツあ俺が貰うぜ」


ビュッと走り込むイガー


脚と腕だけ獣化させてるからか、凄いスピードでそのままミスリルカウへ攻撃する


「、、ウモー、、ウッ!」


ミスリルカウも動こうとするがクロトのスキルのせいか思うように動けないみたいだ


「ヘヘッほぼ止まってるなら楽勝だな!オラっ灼熱炎爪撃」


キンッ、、キンッ、、ズザッ、、キンッ、、グサッ、、キンッ、、ズブっ!、、キンッ


「ウッ、、ウッ、、ウモーー!」

 

ボフンッっと煙が上がってお肉とミスリルカウの小さいベコが出てきた


「ヘヘッ、、今度はこの色か」


イガーが出てきたミスリル色のベコの首をチョンッと押すと


うんうんうんうん!と動きだす


「アハッコレどっかのお土産で見たねー」


「あっ!思い出した!東北だっけ?」


「フフフ」


やっぱり転生組は知ってるみたい


そしてルミエンド♂とクロトがお互いに顔を見て驚いている


「えっ!ルミエンド♂ってもしかして、、、」


「えっ!クロトってもしかして、、、」


「「地球から転生??」」


ハイやっとお互い気付きましたね!


僕以外に転生者がいたのがよほど嬉しいのか2人で後ろに移動してコソコソ盛り上がってる


「ルミエンド♂はどこ生まれ?」


「僕は山梨県だよ!」


「えっ!僕も山梨県だよ」


「「えー」」



「なあ、このミスリルカウのお肉って、、やっぱり美味しいんだよな?」

「兄者、、それはもはや当たり前だと思う」




「ケンもさっきの真っ赤な鶏みたいに進化出来るかな?なれるといいね!」

「クエー。」



「ねえねえイガー、、ちょっとお願いがあるんだけど、、」


「ん?、、うん、、なるほど!いいぜ!」ボフンッ



「みんな!来たよ!次の敵だ」


真っ赤な猪、、それもかなり大きい


さきほどのミスリルカウが軽自動車くらいだったが

今度はトラックくらいある


しかも鼻先と牙が先ほどのミスリルみたいな色をしている


あれで突進されたらかなりの手練れじゃないと即死だな


「みんな!ここは僕に任せて」


ギンが一歩前に出てそう告げる


「青の魔石よ!我が刀と一体になりその力を示せ


氷爆斬!2連斬り」


2本の刀の柄の部分に魔石を嵌める所をノム爺が作ってくれた


最初は何も出来なかったが

最近やっと魔石が発動するようになったらしい


青白い斬撃が炎猪に当たるとパキーンと凍りついた


その後少し経ってからボフンッと消えてお肉が出てきた


「やった!イガーありがとう」


「ヘヘッ!こりゃいいや!今度もっと魔石作って渡すからよ」


「うん!それがあればもっと強くなれるよ!ありがとう」


「よせよ!仲間なんだから、、、」


なんだから、、の後は言わなかったイガー


ギンも分かってる。分かってるけどやっぱりお礼を言いたい

魔石なんてそうそう出るもんじゃないから


魔石を作れるイガーを当たり前に思ってしまったら

それこそ仲間としてどうなんだろう、と


なによりあの日プー様と一緒に自分達の人生を変えてくれたイガーにも、同じように感謝している。


「うん、、ありがとうイガー」


小さく呟いたその言葉はイガーの耳に届いていなかった


例え届いても良かった、、でもギンも照れて小声にしてしまった



「段々と敵のレベルも上がってきてるね!油断しないようにね皆んな」


「「「おう」」」」


結局その階は階段が見えてきたからそこで終わった


そこそこ広く3時間くらい歩いたが

敵が少なくそんなにキツくない


もしお肉目当てだとしたら逆に効率が悪過ぎる階だな、、と皆んな思っていた


「えーっと次が32階?だっけ?」


「うん、、そうだ、、よ?」


1番最後のルミエンド♂が32階に足を踏み込んだ瞬間

降りてきた階段がフッと消え


何も無い所360度全てに敵がイキナリ現れた!!!!


しかもほとんどAランク


先ほど戦ったミスリルカウ、炎猪、鬼モンキー、四つ腕コングはもちろん

斧二つ持っているクラッシャータウロス、オークキング、ゴブリンキングもいる


他にも空にはワイバーン

後衛にはシープウィザード達もチラッと見えた


「皆んな円形になって、各個正面の敵を撃破」


「「「おう」」」


ヤマトは魔力を込めたクナイを5本縦に投げた


ギンも同じように魔力を込めて刀から2本の斬撃を飛ばす


トンガは獣化させて一刀両断


トンゴは地爆殺、地雷陣と唱え地面を殴ると地面から岩が突き出てくる


イガーは緑色の魔石を爪に纏わせ「風殺爪嵐撃」を飛ばしまくる


クロトはスキル魔王から魔王パンチで正面の敵を吹っ飛ばす


ルミエンド♂は慌てて竜の雄叫び


ブーは瞬時にビーと合体し独り上空に行きワイバーンを迎撃しながら


手が空いた時に地上の敵にも魔力弾を飛ばして撃退している


さらに小さい毒槍を持ったミツバチさん達もチクチク攻撃してくれてる



皆んな何とか自分の目の前の敵を撃破しつづけるも

ヤマトとギン、それにトンガとトンゴが押されてきた


「グッ!敵が多い」


「ヤマト、、踏ん張れ!!横一文字」


ヤマトが押されてきたのをフォローしようとギンが自分の所とヤマトの正面も頑張る



「トンゴよ、、俺の盾の後ろに来い」

「兄者、、俺はまだやれる!」


「くそっ!キリがねえ、、、」イガーは独り敵の攻撃を避けながら何とか凌いでいた


そこへ後衛からの魔法攻撃!!


「ルミエンド♂!魔法を相殺して」


「わかった!」


シープウィザードが唱えた水球を土魔法の土壁を皆の前に展開し防御したルミエンド♂


しかもその土壁のおかげで少し体制を持ち直せた


「ルミエンド♂ありがとう、、助かる」


「まだだよ、、コレすぐ消えちゃうから」


水球が何発もドゴンッ、、ドゴンッ、、と当たった後

ルミエンド♂の言う通りボロボロと崩れる土壁


壁が無くなると同時に背の高いクラッシャータウロスの斧攻撃


炎猪の突撃


オークキングの斧攻撃


ゴブリンキングの棍棒攻撃


鬼モンキー、四つ腕コングも!皆んな一斉に仕掛けてきた


「ケンッ!飛んで!」「クエーッ」


火鶏が5メートルも飛ぶとヤマトはそこからクナイを360度飛ばす


その数30本


全てに魔力が込められている


ボフンッ、、ボフンッ、、、ボフンッ


クナイが刺さった敵がお肉に代わる


しかし敵の猛攻は止まらない


ヤマトと火鶏が落ちてくるのを狙ってる敵がいる


「ヤマトッ!危ない」ギンが飛んでクラッシャータウロスの斧を二刀流で受けると

ギンとヤマトと火鶏が吹っ飛ばされた



ガキンッン、、ドスッ、、ギィィンッ!

「グッ、、クソ、、防戦一方じゃやばい。、!」


「兄者、、俺が出る、、」


「動くな!!!まだだ、、動くな、、」



「んー!ピンチなんだな、、、ドラゴンオーラ発動!」


「仲間を、、助けなくちゃ!!スキル魔王の波動」


ルミエンド♂がドラゴンオーラを体に纏って吹っ飛ばされたギン達の元へ駆けつける


もちろん敵もただじゃ通してくれない


近寄ってくるルミエンド♂へ攻撃を仕掛けてくるが

ルミエンド♂のドラゴンオーラには攻撃が通らなかった!

まるで見えない結界があるかのように、、フワッと攻撃が止まってしまう


「へへーん!効かないよーだ!突き刺され!アイスランス」


至近距離で発動させた氷魔法で串刺しになるクラッシャータウロス、炎猪


その頃ようやく魔王の波動がクロトを中心に拡がっていく


スキル魔王の波動は敵を数秒間硬直させるのと同時に敵のバフを全て消してくれる


今はバフがかかっていないので敵は硬直しただけであった


そのおかげで皆んな数秒間自由に動けた


ルミエンド♂はギンとヤマトと火鶏を助けに


イガーは形勢逆転のチャンスだと

全身獣化し、トップスピードで切り刻みまくる


トンガとトンゴも反撃に転じた


「いくぞトンゴよ」


「おう、兄者」


「ウオオオオォッ、、斧旋風!」巨大な竜巻が起こり目の前の敵を吹き飛ばすトンガ


「ウオオオオォッ!大爆殺!ガンッガンッ、地割れ!」ドゴーンッ!

メキメキッと地面が割れて敵が落っこって行く


さらにワイバーンが硬直し落っこちてったおかげでブーが動けるようになった!


「ビーいくよ」「ビー」


上空でまるでアイヌ踊りを踊るように回りながら衝撃波を敵に飛ばすブー


獣化させた手の魔力を振り落としてるだけなのかもしれない

だが凄まじい威力の衝撃波がそこら中にいる敵へ向かって飛んでいく


「フフフ、スピードあげるよビー」「ビー」


ビーも乗ってきたのかどんどんスピードが上がるブー


すると辺り一面にビーの羽から舞う鱗粉みたいのでキラキラしてきた


「なっ!、!ナニコレ」


「綺麗!!」


「おかしい、、我々は戦ってる最中のはず」


皆呆気に取られた


一瞬でも油断すれば命が危ないはずなのに


今目の前の光景はとても、、、、綺麗だ



「いた!アイツがボスかな!

皆んな集まって各個撃破」



あともう少し地上にいるけど皆んななら大丈夫だと信じてボスに向かうブー


「「「はい」」」


ブーが飛んでった先にいたのは

アダマンティス2匹とミスリルマンティス2匹


黒っぽいカマキリがアダマンティス

青っぽい銀色カマキリがミスリルマンティス


ブーが飛んでいくとアダマンティスが両手の鎌から斬撃を飛ばしてくる


身体を縦に反転して空中で上手く避けるブー


すれ違い様に獣化した殴打を浴びせるもあまり効いてない様子


「フフフ、やっぱりSランク!しかもアダマンタイトが混じってるのかな、、凄い硬いや」


この前イガーと倒したオークキングはさっきの殴打で倒せた

しかしアダマンティスは倒せない


同じSランクでも違いがある


魔法がいいのかな?

そう思いながら魔力弾を何発も自身の周りに展開して、どんどん打ち込むブー


ドシュッ、、ドシュッ、、


ギィィン、、ギィィン、、


「んー!魔法もダメか、、殴打もダメ、、ならコレは?」


アダマンタイト製のレイピアを出して突っ込むブー


シュンッシュンッシュンッ!


ギャイインッ、、ザシュッ、、ズブッ、、ギンッ!


「うん、、斬撃かな、、」


1対4


ブーがちょっとでも油断すると被弾しかねない


だが一発も当たらないせいか


アダマンティスとミスリルマンティスが焦る


合体の良いところは役割分担出来る事


飛行のほとんどをビーに任せている


なので、ブーは攻撃に専念出来る


「フフフ、、これだけの攻撃を避けるって凄いねビー」


「ビー」  


しかも当たりそうになるとその辺に浮遊しているミツバチの元へ瞬間移動もする

 

ブーにあまり空高くいかれるとカマキリ達も攻撃をしなくなる


回避能力の高さ!!!この一点が特に秀でているのがブーである


「さて、、そろそろ決着をつけようか、、」


空から魔力弾を飛ばす


今度は球ではなく槍状にして


ブーの放つ魔力槍は無属性


弱点を突かない代わりに誰にでも有効


故に極めれば最強になれると幼い頃のブーは考えた


その考えはSランクにも通る


ザシュッ、、ザシュッ、、ザシュッ


アダマンティスとミスリルマンティスの羽に穴が開く


反撃出来ない所から攻撃されたら堪らないとばかりに

イガー達の方へ走ろうと向きを変えた


「ビー移動」「ビー」シュンッ



背後に移動して全速力でレイピアをアダマンティスの後頭部へ叩き込む!


グサッッッッ!!!



「ギエー、、、」ボフンッ


アダマンティス1匹撃破


続けてもう1匹のアダマンティスを刺そうと思ったが

先ほどの断末魔を聞いてたからか

避けられた


するとミツバチさんを通して連絡が入る


「、、、、わかった」



またしても魔力槍を展開し


敵へ打ち込むブー


食らいたくない敵は段々と真ん中に集まる


今ブーは左右から分けて攻撃している、、、


狙いは、、、


「ブー、、今だ!」


ブーが魔力槍を止めてサッと横に避けると


後ろから一本の光が通り過ぎた


「獣王神様直伝、、グングニル!!!」



先頭のアダマンティスが自分の鎌を交差して止めようとする


ガキンッンーーーー


貫かれたら自分達も死ぬとミスリルマンティス2匹もアダマンティスの後ろから鎌を4本忍ばせ耐久力を上げる


「へっ!済まねえな!、、魔石よ!発動っ!」


敵の鎌とイガーの爪先がピカッと光ったあと


その光がずっと先の方まで伸びてった!!!


「ギギッ、、ギエー!!」


ボフンッ、ボフンッ、ボフンッ


3匹のカマキリの頭が吹き飛び消えていたと思ったら

煙になって消えた!



「フフフ、、何あの技!凄い貫通力だね!」


「おーい、、、助けてくれー」


え?と思ったら貫通力があり過ぎて岩に穴を開けて身体ごと刺さったイガーがいた


「フフフ、、貫通力あり過ぎも問題だね」


「、、止める方法を考えなくては、、、イッシッシッシ」

 

ブーが一生懸命イガーを引っ張ってると

ルミエンド♂達がやってきた


「お疲れ様!しっかし凄い敵の量だったね」


「ホント!最初パニクっちゃったよ!」


「一時危なかったな、、」


「俺ももっと修行しないと、、」


「皆さんすいません!また俺とヤマトが、、」


「すいませんでした!」


深々と頭を下げるギンとヤマト


「大丈夫!むしろあれだけの敵に囲まれて

よく無事だったよ!ねっ!皆んな」


「うん!」


「ねっ!」


「ウゥゥッ、、もっと修行します」


「もっと修行します」


「フフフ、、さっきミスリルカウ倒したからね!もしかしたらまた進化するかもよ?」


「「「えっ!また?」」」


輝いた目で見てくるトンガ、トンゴ、ギンとヤマト


「分かんないけどね」


「「「「ズコッ」」」」



結局ドロップのお肉を集めて収納するのに1時間かかった


「ふー、、お肉集めるのにこんな苦労するとは思わなかった」

「だね!今となってはモンスターハウスもお肉集めの観点からは効率的だと言えるかもね」


「げっー、、俺はゆっくり狩りしたいぜ」


「フフフ、、緊張感があって経験値稼ぎには良かったかもよ」


「流石に多すぎでしたよ、、」


「僕はそろそろクナイだけだとキツいなー」


お肉を集めたからせっかくなら食べてみたいと誰かが言ったから

今はイガーの収納からキャンプで使うような網焼き機を出してお肉を食べている


「ルミエンド♂のさっきのなに?」


「えっ、、ドラゴンオーラのこと?魔法の事?」


「「「ドラゴンオーラ???」」」


「そう、、おじいちゃんに教わったの!

ドラゴンオーラやるとほとんどの攻撃が通らなくなるの」


「「「なにそれズルい!」」」


「ウフフ、竜ってズルいよね!自分でもそう思うよ」


「ハァーッ、、流石にソレは参考にならないなー」


「クロトさんのは?」


「??魔王の波動のこと?、、魔王パンチ?、、血の呪縛?」


「「「魔王の波動ってなに?血の呪縛???」」」


「魔王の波動は一瞬怯ませるの!さらに追加効果でバフを消すの!

えーっと、、魔法には身体強化があるでしょ?

それを消せるの!」 


「「「えー!ズルい」」」 


「ズルいって言われてもね、、例えば皆んながやってる魔力を纏うのや、獣化って呼んでるやつも

僕が魔王の波動を掛けると解除されるよ」


「「「えっ!本当にヤバいなソレ」」」


じっくり聞くと本当にそんな事されたらクロトを含む魔族と何かあったらヤバいのでは?と

頭に浮かんで来たみんな


「そんなに露骨に警戒しないでよ!これでも信用してるから自分の能力話してるんだからね」


「あっそうか、、アハハ」


笑って誤魔化す面々


「そりゃそうだよね!僕もみんなと争いにならないと思ってるから話してるんだよ!

まあそっちの手の内も観てるからお互い様かも知らないけどね

まあでも、、、、1番ズルいのはブーさんだと思うけど、、、」


「ホント!ブーさん相当やばいよね」


「「「「うんうん、ソレについては俺らも重々わかってる」」」


呑気にお肉にハニーマスタードを掛けて食べてるブー


今はラフレシアの蜜を掛けたから悶絶してる


「おいちー」そう叫びながら両脚をバタバタするブー


子供か!っ


「ん?ブー、、ソレ、、、鑑定」


@世界でも珍しい数年に一度しか咲かない花

ラフレシアのハチミツ!


とても濃厚、美味、レア度8


舐めると3時間の間攻撃力、守備力、素早さ、繁殖力が30%アップする


「おいおい!スゲーもん舐めてるな!」


「繁殖力って、、、」


「フフフ、、どおりで美味しい訳だね!」


圧倒的なまでのバフハチミツだと知るや


皆んなも一口頂戴とせがむ!


「えー、、あとちょっとしかないのに、、、一口だけだよ、、、」


普段は何でもくれるのに、、ハチミツだけはケチになるブーの一面を観て皆んな笑っていた


トンガ、トンゴ、ギン、ヤマトなんか

ひょっとしたらブー様は神様かも、と思っていたから余計にそんな一面が見れて嬉しかったらしい


「ちゃんと獣人だったんだ、、、」


「ホント」


「僕はまだ信じてないよ」


「ああ、、まだ神様かも」


「お前ら、、、壺に頭突っ込んでる姿見たらゾッとするぞ」


ソレを聞いたクロトとルミエンド♂は笑っていた


「「あー、、某キャラにいたね」」と



「あ!忘れる所だった!コレボスからのドロップ品」


白くてフワフワした丸い物

黒い鎌が2本

それにミスリル製の羽みたいな物


「コレは、、、卵?」


「へー、、この色ってアダマンタイト製だよな!」


「うわっコレ綺麗だね!ちょっと透き通ってるよ」





食後にドロップ品も楽しめたし

思わぬ所で休憩出来たからか

すっかり体力も回復したパーティー


「さあ、もう少し行ってみようか、、」


「「「おう」」」「うん」「はい」




「実は休憩時間中に次のターゲット見つけておいたよ!ズバリ、、、!次の階層に、、、ほかのSランクが3体いる!」




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