第11話 懐かしい匂い


「ナニコレ!!王都より美味しい」


「やだ、私全部好き!おかわり」


「サンドイッチも凄かったけど、ディナーマジやべー」


「流石、、伝説の料理人ブー様」


「えー?!もおこれー、、えー、、何がどうなって、、えー」


「ヌオオオオッー、、ヌオオオオッー、、ヌオオオオッー」


「死んだ、、マジで、、2回くらい死んだ!」


「パパ、ママ美味しいねー」


「ぅぅぅ、、、」


「ここまで、とは、、」



イガーとブーの料理に皆大感激&絶句


中には死んだとか言ってる人いるし、、雄叫びやばい人いるし、泣いてる人いるし


村人も一緒に食べてるが皆んな美味い、美味いと連呼してる



やはりこの日の為にオークエンペラーをゲットした甲斐があった



もうこのお肉本当に美味しいもんね!

サシが適度に入ってて、脂が甘くて、噛む度にジュワーって肉汁が溢れて



「いや、凄かった!!皆が言うように王都でもコレ程美味い食事はなかなかないのではないかな!

えっと!イガー君といったか、、最高のおもてなしをありがとう」


「ヤッホー」


みんなのリアクション、さらには行商人のリーダーから御礼を言われ大満足のイガーは飛び上がった


そうだろう、、何せ黒の魔石を作れて醤油って奴がたまたま出来たからな

それにブーに内緒でハチミツって奴を醤油と混ぜたら美味かったからな


イッシッシッシ後でちゃんと報告しとこう



お互いに眼が合うと笑い合った


そしてハイタッチ!


バチーン!!!!


それを観てまた白い虎獣人の奥様はウルウルしていた


女の子は分からず「ママハンカチ使ってー」と



他の人達はもはや抜け殻状態である


料理長なんか「こんなもん作れるか」とボヤキながらエールをしこたま飲み散らかし

今やイビキをたてて寝ている



「その、、すまんな!美味しすぎて皆気が緩んでるようだ」

自慢の髭を触りながら獅子獣人がゴチる



「そんな気にしなくていんでございますよ」


「ん?」


「俺、、僕、、ワタクシの料理がよろごばたれ、、」



「ん?んん?」


「イガー!また緊張してるよ」


「ガーハッハッハッ、よい!できればいつも通り話してくれ、、、因みにこの黒いタレは?どうやって作ったのだ?」


やはりまだ村の人以外だと上手く喋れないイガー


でも料理のことならペラペラと出てくる


最初の緊張などどこ吹く風


「だからさ、コイツの部屋からハチミツ盗んで使ってやったのさ、、おかげで大成功だったよなー」


「ガーハッハッハッ、、ブーよ、、ハチミツを使ってたそうだぞ?」


「、、、イガー、、ちょっと後で話があるから」


ゴゴゴゴッオォーって音が聞こえそうな位怒ってるな、、やべーな、、逃げようかな!

エンペラー並みに覇気出すなよ



「料理が得意なのはわかった、して、このオークはどうやって仕留めたのだ?」


「そんなの簡単だよ!俺は虎だからな!気配を消してこの爪でザクザク仕留めたんだよ

エンペラーはブーが倒したんだけどさ、俺はまだエンペラーには勝てないから

でもキングは1匹倒したんだぜ

いやー強かったな、、死ぬかと思ったぜ!

でも討伐出来て良かった。


みんなこんなに喜んでくれてるから」




たくさん話してくれる虎獣人


ちょっと聞くとペラペラとまあよく喋る


とても楽しそうに、イキナリ怒ったり、笑ったり、悔しがったり

今日初めて会った獅子獣人に、虎獣人の女性、小さい女の子、狼執事に、冒険者達に




「でさー村長がエンペラーから出てきたデッカい白い魔石をくれたんだ!良かったら後で見せてやろうか?

ちょーデカいんだぜ!見たことあるか?」


獅子獣人がブーを観ると苦笑いしている


「白い魔石か!それはとても気になるな!良かったら見せてほしい」


「そうだろ!おっちゃん分かるなー!どうする?今すぐ行くか?」


「いや、そうだな、うむ!行くか」


食事も終わりのんびりブーの淹れてくれた紅茶って奴を寝てる男衆以外で飲んでマッタリしていると

魔石を自慢したいイガーが

獅子と奥様、女の子を連れて家に行ってしまった


執事もそれならワタシも、と着いて行こうとすると獅子獣人が手でソレを制した


座っていろ、と


「すいません、野暮でしたね!」


「よい」




「さあ、遠慮なく入ってくれ、きたねーけどな」


ヘヘッと鼻の下を人差し指で擦りながら照れるイガー




「ッ!、、うむ」


「ホラ見てくれ!こんなデケー白い魔石を」


「オオッ!言った通り本当に大きいな!」


「まあ、コレは、、、」


「キレー」


「なっ!」


「、、、」


「貴方、、コレは!」


「ああ、そうだな」


「ママキレーだね、コレ」


「ねっ!とっても綺麗」




「イガー君、折り入って頼みがある、

実は私達夫婦はずーっとこの白い魔石

このサイズの白い魔石を探していたんだ!!



⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎、、、


「「「「魔石の大きさと価値=値段」」」


極小「部屋の温度調整ならこのサイズで約1ヶ月」

Cランクの魔物が稀にドロップ

購買価格、銀貨10枚、日本円で約10000円


小「約1年」Bランクの魔物が稀にドロップ、銀貨150枚、約15万円


中「10年」Aランクの魔物が稀にドロップ、銀貨2000枚=金貨20枚、約200万円


大「100年」」現存するSランクの魔物からこの世で1つ、金貨500枚、約5000万円


特大「1000年」時価、値段がつけられない



↑↑↑↑↑↑コレはあくまでも白い魔石のみ↑↑↑↑


赤い魔石を冬の暖房用に使ったりする場合は

もう少し安く買える


魔石のレア価値順は




黄色



土色



黒と白=同価値



但し、王都での一般的な夕飯だと銀貨1枚=1000円もかからない


鉄貨50枚=500円もあれば食べられる


⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎、、




「イガー君の持っていた Sランクからのドロップ魔石はサイズ「大」である


白い魔石大は、、Sランクからはこの世でただ1つ!!!!


とても偶然とは思えないな、、


まさか熊のブーは知っていたのか、、


まあアレの事だからそうだろな、、化け物みたいだろ、、


そしてS Sランクの魔物からドロップ


S Sランクは4体しか存在しない


そのどれかが持っている


さらには王都の獣王が一つ

人間界の王が一つ

魔族の王が一つ

竜が一つ


この世界には6個しか無いと言われてる白い魔石大


名を秘宝珠「ヒホウジュ」と呼ぶ物なんだ


効果は「全てを防ぐ結界」とあと一つ、、、


「解呪」


そして私達夫婦は行商人

あちこち出掛けその情報を獣王に報告している



因みに特大の白い魔石の存在は見つかってないし誰も知らない



「どうだろうか、、、」


「、、、」


「突然の事だから断ってくれても構わない、ただ、獣王国の未来がかかっていると言ってもいい代物なのだ!

イガー君さえ大切に持っていてくれればそれで良い」




「そんな大事な物だとは知らなかった

俺は昔、、父親がこのデカい白い魔石を誇らしげに自慢してきて

いつか俺もこのデケー白い魔石を持ちたいなーと思ってた」


「!!!そうか、、そうか、、うむ!あいわかった!


ではやはりイガー君の物だ


突然欲しいと言って悪かった


さっきの事は忘れてくれ。


ずーっと探してた物だから焦ってしまった」


「いや、いいよ!それにここ獣王国に必要な物なんだろ?


飽きるまで眺めたら俺が王様に直接渡しに行ってやるよ


勿論無料じゃないけどな。


この村に必要な物と交換だ!」イッシッシッシと笑うイガー



「それは願ってもない、王様もさぞ喜んでくれるだろう

この村から英雄が生まれた、と王都で言いふらしてくれるぞきっと」


「よせやい!英雄なんて、、、困っちゃうぜ」


イッシッシッシとまた笑うイガー





「ああ、そうだ!Aランクを倒せるなら獣化は出来るのかな?」


「獣化ってなんだ?」


「、、、イガー君、良かったら明日一緒に狩りに行かないかい?君に見せたいものがある!魔石を見せてもらったお礼にね」


「見せたいもの?なんだかよく分からないが狩りは好きだからいいよ」


「決まりだな!じゃあ明日」


「わかった!」




魔石を見せた後は冷蔵庫を見せてあげたり

今試行錯誤中の料理の話等してお開きになった



心なしか獅子獣人のオッちゃんからは何処か懐かしい匂いがしたからつい、色々と話し込んでしまったが


3人が快く聞いてくれたので長くなってしまった




「それじゃあおやすみ」「遅くまですいません、おやすみなさい」


「ああ、おやすみ」


「虎おじちゃんおやすみなさーい」


「虎お兄ちゃんだぞー!おやすみなさい」




パタン



扉が閉まると獅子獣人に倒れ込む白虎獣人


「大丈夫か?ちょっと長くいすぎたか」


「いえ、、大丈夫です、、あんなに立派に育って!

ああ、、イガー、、ぅぅ」


「そうだな、、そうだな!、、もう少し待とう

今度持ってきてくれるそうだから

2つあれば或いは、、、」


「ええ、そうね!でも2つでダメなら、、一生あの子と、、ぅぅー」


「ママ、また泣いてるの?」


「ごめんね、泣いてばかりで」


「ママー」





獅子獣人達はそのまま村長宅へと行き村長宅に泊まった


その晩獅子獣人と村長とブーは夜遅くまで話し合った


今後のことを、、、


明日は獅子獣人と執事は別行動でイガーと3人で狩りへ


白虎の奥様と女の子と村長は養殖場で王都へ運ぶ魚を観に行く予定だ


魚が大きいと聞いているので女の子が早く明日にならないかなーと、なかなか寝てくれなかった




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