第7話 魔石の価値は


イガーが止まらずにどんどんオークを倒していく


それもそのはず


イガーの素早さと攻撃力ならどこを攻撃してもワンパン


しかし問題は他だ



1つのランクが上がるだけで一気にステータスの数値が上がる


ハイオークはまだいける


だかジェネラルは苦戦するかな、、


キングは俺1人で見つけたら戦わない選択を選ぶと思う



ましてや今はエンペラー



ブーよ、、生きて帰ったら怒るからな!!





オークの処理が終わった頃


ハイオークが数匹まとめて襲いかかってきた


ドゴンッ、、振り下ろした棍棒に当たった感触がないのでハイオークがキョロキョロする


「ブモモー」


それを後ろで観てるジェネラルが指示を出す



まるで「違う、そっちじゃねえ」と俺を見えてるように


ハイオークの攻撃を避けたあと


流れるように3匹のハイオークの首に爪を突き刺す



「やはり、、浅いか、、!」


攻撃は当てられるが浅い


ハイオークになるとオークより少し硬い!


防御力が少し上がる



「ここで時間食うとやべーからな、、新技使わしてもらうぜ」



ポケットから赤い魔石を取り出しグッと魔力を込める


赤い魔石が光ってフッと消えた後


イガーの爪が紅くなる


「実践では初めてだからな!いくぞ」



「炎爪撃」



先ほど打ち込んだ場所にもう一度爪を突き刺す


すると攻撃を当てた中から炎があがる



「ブモモー」


燃え上がる炎を消したくて後ろのジェネラルの方へ

助けを請う



しかし魔物は冷酷だった



ジェネラルの持つ鉄の棍棒でグシャッと1発


ハイオークの頭が身体にめり込む




「うえっ」



イガーは左目をビクッとさせた


眼は逸らさない


しかし、幾ら敵とはいえ


仲間同士のはず


そこまでやるのか、、!




「ブモモー、、ブモモー」


ジェネラルが残ったハイオークに指示を出す



それを聞いたハイオーク7匹が一気に駆け寄ってきた



「7匹はキツいんじゃボケー」


ポケットからまたもや魔石を出す



次は土色の魔石


ソレを発動させるとイガーの前の地面がグニャグニャッと波打つ


「やーい、、こっこまでおいでー」


その場でぴょんぴょん跳ねるイガー




一直線に駆け寄るハイオーク


もう少しでハイオークが射程圏内、、、


って所でハイオークが地面に沈む



バシャンッ、、


柔らかくなった地面は巨体のハイオークが肩まで浸かるほど深い



両手をあげて、、急いで上がろうとするハイオーク



そこを炎爪撃でグサッグサ、、グサッと刺していくイガー



刺した所からまたもやドーンっと炎があがる




「フッ、、焼き豚になっちまいな」



炎爪撃、、めっちゃ強いじゃねえかマジで


なんでもっと早くやらなかった?俺


え?天才?


ハイオークワンパンってやばくね??


魔石やべーーーー!




内心お祭り状態のイガー




「これなら、、イケる」


調子に乗ったイガーは次の行動



イキナリ黄色い魔石を使いオークジェネラルに発動させた




「オラっ痺れろや」


バチバチバチッと光りながらジェネラルに向かう電気



よーしこれで残りはキングとエンペラー



「、、、」


バチバチッとオークジェネラルに光が当たる、、が!





ん?



んんん?



オークジェネラルは持っていた鉄の棍棒で電気を防いでいた


「、、ハハっ、、ちょっと退散」



ピューんっと逃げるイガー



持ってた魔石が無くなりピンチである



「ブー、、ちょっと離れるぞ」


「わかった」



急いで最初にブーとやり取りした場所まで戻るイガー



しかし敵は待ってくれない


ジェネラル2匹が追いかけてきた





やっべー



急いで対策を練らなくてはいけない



失敗すれば自分が死ぬだけだ


下手したらブーも死ぬかもしれない


そんな極限状態が


イガーを覚醒させる





さっき持ってた魔石より!、、もっとデカイ奴が必要だ




走りながら右手に魔力を集中させる



そして左手も



ソレを、、、バチーン



合わせる!



中に少し空洞を作り


そこに集めるイメージ



込めるは熱い、、灼熱の炎




昔幼い頃見せてもらった父親のように


両手に全魔力を込める




「オラっいけ!アイツを守ってやるんだ」



ドンッと音がしたと思ったら中から煙が立ち上がる



恐る恐る中を観ると、、、出来ていた



今まで作れたのは親指の先っちょ程の小さい魔石だったが


今は卵くらいある


「ヒャッホー、やったぜ!イキナリ完成させちゃう俺はやっぱり世界一だぜい」




キキーっと止まりながら振り返る



オークジェネラルが走ってきてる



ジャキン、、ジャキン、、、


すれ違い様に2匹に「灼熱の炎爪撃」を当てる



首から斜めに切り込んだ三本の爪痕から


先ほどよりもデカイ火柱が上がる





「フー、、やれやれ、、危なかった、、


ところで、、アイツは?」





最初の魔石の時よりも紅い爪が長くなってるし


爪一本一本にグルグルと炎が螺旋状に纏わり付いている


自分の変わり果てた爪を見ながらブーを探す、、





まさか、、死んでねえよな?




「!!?!」


オークジェネラル1匹が走ってくる???


それに、、キングも1匹???



待て待て、、キングはやべーだろ!!



アイツの棍棒ミスリルだっけ??



硬いんだよな、、


昔爪の一本折られたからな、、、正直キングはやべえ



でも行くしかねえか




景色に溶け込み


いつも通り待ち構える



先にジェネラルッと、、



オラっ!


ブモモモモモー!」



脇腹に刺さった爪の跡から炎があがる


「ゴオオオオッッ」ブスブス音をたてながら倒れるオークジェネラル



次っ、キングにも1発!



「ガキンッン!」


「チッ」



流石にキングは無理か、、防がれた



こいつあタイマンでも勝てるか分かんねえや




「シャー、、本気でやってやる」


とにかく攻撃されないよう走る、、


一定の距離、、ミスリルの棍棒が届かないギリギリの距離を


何度も踏み込むフェイントを入れて


たまに、、本物を


「オラっ」


ギャリギャリッ」



金属同士が擦れて嫌な音が響く



持ってくれよ、、俺の爪



ガキンッ、、ドゴっ、、ギャリギャリッ、、、ガキンッ



クッソー、、入らねえ



魔石ももうねえし


持たねえぞ


本腰入れねえと俺が死ぬな、、、




スーーっと歩きながら消えるイガー



「、、、」



「、、、フー、、フー、、」



「、、パキッ」



「ブモモー、、ドゴンッ」



「、、残念」



グサッ



「グアアー、、フンッ」



「チッ、、ちょっと刺さったんだけどなぁ」



また歩きながらスーーっと消えるイガー



今度は木の上に登ったり降りたりをわざと音を立てながら撹乱する



それもものすごい勢いで、、


目の前でザッと音がしたと思ったら


後ろから襲ったり


離れたと思いきやまたすぐ踏み込んで横から攻撃したり、、


オークキングも次第に汗をかいている



どっちが勝ってもおかしくない



そんな戦いだ!



イガーは1発喰らえば負けるだろう


素早さと攻撃力に全振りしたようなステータスだ



オークキングの攻撃力には耐えられない



だから素早さと工夫で戦うしかなかった



そう、、工夫で、、



何分と戦い続けた勝負に


不意に終わりが見えた




オークキングが片膝を着いたのだ


ガクッと項垂れるオークキング



その一瞬を逃さないイガー



正面から踏み込む!!!


ザッッッッ!


枯れ葉が擦れる音に反応し、棍棒を振り下ろす



しかし棍棒からは衝撃が伝わってこなかった


その代わりに


重くなる棍棒



顔を上げると、、、紅い眼をした虎獣人が棍棒に乗っていた



「ブモ」「うるせえよっ」



両目に灼熱の炎爪撃をめり込ませる


爪が入り、炎が出る




「フー、、やばかった、、毒の魔石、、紫の魔石が効いてよかったぜ、、でも、、魔石の二重使用なんて初めてだったから、、賭けだった、、」



紅い眼がフッと消えると


紫色の毒の魔石と、炎の魔石重複スキル


「炎毒爪」が消えた!!



そして、イガーの意識もプッと消える





「、、ブーを、、助けに行かねえ、、と


悪りぃ、、、逃げて、、く、、」




パタンっ!!!









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