#03 二人で帰るドキドキ





 2時間でカラオケを終えると、お店の前で解散となった。


 俺とアサミちゃんは、同じ電車通学なので二人で並んで駅に向かって歩く。



「今日のカラオケ、楽しかったね☆」


「うん、楽しかったね。 歌ってる時のアサミちゃんも、最高に可愛かったよ」


「もう~ケンくんは調子がいいんだから~」



 アサミちゃんと並んで歩いていると、すれ違う人、特に男がチラチラ見ていく。


 凄い優越感

 彼氏じゃないけど、アサミちゃんみたいな美少女と楽しそうにお喋りしながら並んで歩くの。


 コレ、恋人同士になって、手を繋いだり腕組んだりしてたらもっと凄いだろうなぁ



 周りの視線など全く気にしていない様子で、ニコニコ笑顔でお喋りを続けるアサミちゃんを見ながら、そんなことを感じていた。




 駅に着いてホームに行くとそこそこ混雑していた。

 アサミちゃんとは地元も同じなので乗る電車も同じ。



 小中は一緒に下校したりすることは無かったけど、高校になってからはたまに一緒の電車になったりすると、少しお喋りしながら帰ることはあった。

 でも、今日みたいに一緒に遊んで二人で帰るのは初めて。


 カラオケで楽しんだ後で少しテンション高めのアサミちゃんは、ずっとお喋りを続けていた。


 電車に乗ってからも楽しそうに喋ってて、でも車内は少し人が多くて、立ってる俺たち二人の距離は結構近くて。

 そしたらお喋りに夢中なアサミちゃんは多分無意識に、俺の制服の上着を手で摘んでいた。


 うお!?

 こ、これ周りからみたら、どうみても恋人同士だよな???



 そんなこと意識しだしたらドキドキが凄くて、そんな俺の様子に気が付いたアサミちゃんは、自分が俺の制服摘まんでいたことにも気が付いて

「あ! ごめん・・・」と離してしまった。


 でも俺はテレくさくて「ん?なにが?」と惚けてスルーした。






 その日以降、放課後に度々アサミちゃんから遊びに誘ってもらえるようになった。


 二人っきりでっていうのは1度も無かったけど、それでも凄く嬉しくて楽しかったし、帰りは二人っきりで、アサミちゃんとの距離がこれまで以上にドンドン近くに感じるようになってて、次第に「もしかして、イケるんじゃね?」と思い始めていた。



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