第3話 下校の時間、ゴーイングホーマー
「あ、あの!」
僕は呼び止める。
学校から出ても、ズルズル引きずられている。
しかも、彼女が結構早足。
「なに?」
「もうちょっと……ゆっくり!」
完全に息切れしてる。
家に着く前に倒れてしまう。
「わかった!」
やっと歩きになった。
落ち着いてきた僕は、いくつかの疑問をぶつける。
「ねぇ、名前聞いてもいい?」
「え?」
そんなきょとんとされても……。
「だって、まだ知らないんだよ?」
「あなたは、
「うん、そうだけど……」
てか、なんで知ってるの?
「君は?」
「私は、
不破……心美……。
「知らない?」
「ごめん……」
全く記憶にない。
むしろ君は、なぜ僕の名を?
「ううん、いいの!」
「私はあなたのこと、好きだから!」
「あ、あの、それなんだけどさ」
告白のときから、気になってたんだけど。
「君は……不破さんは、どうして僕のことを……」
「あ、着いたね!」
質問は遮られた。
たしかに彼女の言うとおり、目の前には見慣れた我が家がある。
ここでお別れだ。
「それじゃあ、また明日ー!!」
「う、うん……」
僕は走っていく不破さんを見送る。
あれ、そういえば彼女はどうして僕の家を……?
「お兄ちゃんー!」
「ご飯だよー!」
玄関から、妹の声が聞こえた。
「あぁ、今行く!」
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