第135話 二人で頑張る新婚さん生活
「ふわぁぁ……ユウ君、だいしゅきぃ~♡」
「俺も大好きだよ」
ソファーに座る悠に向かい合うように膝の上に乗った百合華が、カラダをギュッと寄せて抱きついている。顔は完全にトロンっと蕩けて、猛烈な勢いでキスのおねだりをしているところだ。当然、足は『だいしゅきホールド』でガッチリロックしていた。
「ユウ君、学園では怒ったりしてごめんね」
「気にしてないよ」
「ああしてキツめにしてないと、すぐにボロが出ちゃいそうなのぉ」
「ちゅっ、んっ……」
熱いキスをする。
仕事から帰ってきてから、ずっとこんな調子だ。学園では氷の女王としてピリピリと厳しめなのに、家ではデレデレの完堕ち姉。こんな凄いギャップなのは悠しか知らない。
「でもでもぉ、ユウ君も悪いんだよぉ。私のお尻を叩くからぁ」
「糸くずを取ろうとしただけなのに」
「だぁってぇ、人前でお尻ペンペンなんてされたら、もっともっとオシオキして欲しくなっちゃうのぉ~っ」
どうも屈服させられてから、エロ姉がオシオキを欲しがって仕方がない。やっぱり完堕ち姉になってしまったからなのか。
「全く百合華は欲しがりだなぁ。ほら、このケツが悪いのか?」
ペチン!
「ひゃぁん! ダメぇぇ~も、もっとぉ♡」
「ほら、百合華、もっと俺にご奉仕するんだ」
「ああああ~ん……ちゅっ……」
おおお、お姉ちゃん!
学園と家でキャラ変わり過ぎだろ!
い、いいのかな? こんなにしちゃって。
でも、お姉ちゃんがオシオキ欲しがってるみたいだし……
学園ではプライドの高い氷の女王なのに、俺の前でだけオシオキを欲しがるデレデレ姉だなんて。凄いギャップで背徳的過ぎるぜ……
そして悠は調子に乗った。
「まったく、百合華はふしだらだな。こんな姿を学園の教師や生徒が知ったらどう思うだろうな? 見せてやりたいところだぜ」
「ああん、ダメぇ~秘密にしてぇ」
ペチン! ペチン! ペチン!
「秘密にして欲しいのなら、もっと旦那様に尽くすんだぞ。百合華」
「あはぁん、分かりましたぁ、一生悠様に尽くしますぅ~♡ んちゅ、ちゅぱっ、んっ、れろっ……」
ギュギュっと抱きつき巨乳を押し当てながら、激しい舌使いでキスの嵐だ。旦那様を満足させようと、一生懸命に心を込めてカラダ中にキスを這わして行く。
――――――――
――――――
――――
事が終わってから急に我に返った百合華が、自分の言動を思い返して羞恥心で真っ赤になる。
「あ、あ、あの……今のは……ちがくて……」
耳まで真っ赤で声が震えている。
「えっと、奴隷姉のこと?」
「だ、だから違うからっ! 忘れて!」
「あんなインパクト忘れられないよ。『一生悠様に尽くしますぅ』とか」
「だ、ダメぇぇぇぇ~っ!」
フニャフニャと崩れ落ち、恥ずかしさと震える程の快感とでソファーにもたれ掛る。
「あああん、姉の威厳を守りたいのに、ユウ君が大好き過ぎて何でもしてしまう自分が怖いよぉ。自ら望んで弟に屈服されちゃうエッチな我が身が恨めしいよぉ」
滅茶苦茶大人っぽくて色っぽい姉が、自分の前でだけ屈服されているのを見て、悠は征服感やら背徳感やら満足感でウズウズしっぱなしだ。
お姉ちゃん……
あの神聖で完璧で気高くて美人のお姉ちゃんが……誰にも屈しないプライドの高いお姉ちゃんが……女王のような威圧感と悪魔のような策略で攻めてくるお姉ちゃんが……俺に屈服されてオシオキをおねだりするなんて。
す、凄い征服感と背徳感が……
良いのかな?
何だか畏れ多いような?
でも、俺に様付けでオシオキをおねだりするお姉ちゃんを見ていると、もっとオシオキしたくなっちゃうような……あまり酷いことするのは可哀想だと思うのに……でも、もっともっとオシオキされて堕ちまくるお姉ちゃんも見たい気がする……ああ、俺はなんてイケナイコトを考えているんだ!
シゴカレマスターの悠が、ちょっぴりSに目覚めそうだ。普段はMっぽい雰囲気を出していて年上女性やヤンチャな女子に狙われるのに、屈服された姉を見ていると少しだけSっぽく攻めたい気がムクムクと出てきてしまう。
「まったく、百合華はドスケベ過ぎて困るぜ」
ガシッ!
百合華が少し怖い顔になって悠を掴む。
「ユウ君、呼び捨て禁止!」
さっきまで奴隷姉だったのに、ちょっと復活して女王姉になっている。
「うわっ、お姉ちゃんが復活した」
「普段は姉を敬うコト! ダメだよ、ユウ君、弟は姉に服従するのがルールなの。で、でも……え、エッチの時は……呼び捨てでキツめな感じで攻めても……良いけどぉ……」
復活して威厳のある姉に戻ったのに、エッチなことを考え始めた辺りから、再びヘナヘナして屈服されたそうになってしまう。
「ドスケベ百合華、ふしだらなケツにオシオキだぜ」
ペチン!
「はあああぁん♡」
お尻ペンペンしたら、再びスイッチが入ってしまった。
「えっと、これエンドレスかな?」
こうして今日も、イチャイチャでエチエチな甘い生活は続く。
――――――――
三学期も終わりに近づいた頃、悠は最終年度に向け勉強に取り組んでいた。
悠は色々と責任を感じているのだ。
お姉ちゃんのことだから、卒業と同時に結婚になりそうだよな。結婚しても、俺が学生だと生活力とかは皆無だし。しばらくはお姉ちゃんに養ってもらう旦那様になってしまいそうだ……
そして何より、今はまだ0.01ミリ的な製品を使ってくれているけど、卒業と同時に『ユウ君、やっぱり
「こ、ここは、旦那様の俺が頑張らねば!」
「何を頑張るの?」
「うわっ!」
いつの間にか後ろに百合華がいた。
「お姉ちゃん、いつの間に! ノックは?」
「ノックしたよ。ユウ君がブツブツ独り言呟いてたんだよ」
ヤバい、変なの聞かれてたかも……
「ユウ君、生が良いとか、中が良いとか言ってたけど?」
「言ってません!」
「ふぅ~ん、ユウ君って生が良かったんだぁ」
「あああ、お姉ちゃんが喋ると全部エロく感じる」
※生ビールの話です。セーフです。
「ねえねえ、ユウ君、何して遊ぼっか?」
「俺は今から勉強をするから。一人で遊んでてね」
「えええぇ~っ、勉強は置いといて先に遊ぼうよぉ」
「とても教師の会話だとは思えねえぜ」
これでは、どっちが年上か分からない。
「どうしたの急に?」
「それは……お姉ちゃんと結婚したら、俺が頑張って家族を支えないとって」
「ゆゆゆ、ユウ君!」
百合華にギュウギュウ抱きしめられる。
「ユウ君、結婚のこと真面目に考えてくれてるんだ」
「当然だろ。やっぱり俺が年下で、最初は生活力が無いし……」
「そんなの、お姉ちゃんが養ってあげるから大丈夫だよぉ」
「それじゃヒモでしょ!」
シゴカレマスタースキルの他に、ヒモスキルまで手に入れてしまいそうだ。
「大学卒業するまでは気にしなくても良いよぉ。ここに住んでれば良いし」
悠の第一希望は、家から通える大学だった。希望に沿った学部というのもあるが、最大の問題は姉から離れたくないという事だ。
「それはそうかもしれないけど」
「ユウ君が進学する頃は、お父さんの転勤も終わって戻るみたいだけど大丈夫だよ。むしろ、両親の前でイチャイチャしまくって見せつけてよろうよぉ。新婚さんプレイで、ユウ君が私の肩を揉むという
「それダメ! 絶対ダメ!」
ううっ……
お姉ちゃんなら本当にやりそうで怖い……
実際に冬休みの時も、こっそりやろうとしてたし。
「ほら、こんな感じに――」
即興で百合華の一人芝居が始まる。
悠『どう? 気持ち良い?』
百合華『そこそこ、きっくぅ~』
ぐりぐり――
悠『こうかな?」
百合華『ああっ、そう、それ……』
ぐりぐり――
幹也『お、おい……まさか……』
絵美子『ああっ、
※注意:肩もみです。
「ダメに決まってるでしょ!」
「ケチぃ~っ」
「とにかく、学生の間はしょうがないとして、いつまでも養ってもらうわけにはいかないから頑張るの」
姉はエッチなことを考えているが、弟は真面目に人生を考えていた。
「ふふっ、ユウ君……嬉しいよ。将来のこと考えてくれて。大切に想ってくれてるんだよね。ありがとね」
百合華が慈愛に満ちた顔で話しかけてくれる。
「ユウ君が私の為に頑張ってくれるのは嬉しい。でも、無理はしないでね。ピンと張り詰めた糸は切れやすいって言うから。少しは余裕を持たせておいた方が強いんだよ」
「分かった。無理しないようにするよ」
久々に見る天使姉だ。優しく慈愛に満ち暖かく包んでくれる。何度この姉の笑顔に救われてきたことだろうか。この笑顔を守る為なら何でも出来そうな気がしてくる。まさに幸せを恵んでくれる天使や女神のようだ。
「じゃあ勉強頑張ってね」
「うん」
「あと、オシオキ……じゃなかった、ご褒美も考えておくからね」
「チョイ待て、今オシオキって言った?」
「えっと…………」
ちょっと挙動不審になった姉が上目遣いの超可愛い顔で過激なセリフを言う。
「だってぇ、最近はユウ君に負けっぱななしで悔しいんだもん。そ、それは、奴隷姉にされちゃうのも、ちょっとは良いかなって思ってみたりみなかったり……きゃ、なに言ってるんだろ♡ でもでもぉ、私の方が年上なのに、ユウ君に色々されちゃって、もう私のプライドがズタズタだよぉ。こうなったら、スッゴくエッチで超キッツいオシオキを考えて、ユウ君が絶対服従したくなっちゃうように躾けるんだからぁ~っ!」
「ダメだ……やっぱりこの姉は手遅れだ」
将来に向けて頑張る悠。しかし、超エロくて超キッツいオシオキで挑む百合華。
二人の愛の暮らしとエチエチな攻防は続く。
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