第134話 ユウ君、レベルアップする
今日も今日とて、
「お姉ちゃん、この串カツ美味そうだね……ちゅっ」
悠がテレビを観ながら姉に話しかける。
「んんっ、ああ……」
もう息も絶え絶えになっている百合華はテレビどころではない。
あれから、家にいる間中ずっと抱っこされ撫でられ続けているのだ。元々敏感で悠の攻撃がクリティカルに効いてしまう百合華のカラダが、何度も陥落しまくり限界突破していた。それでいて、キッツいトドメの
無意識なのか何なのか、悠の甘やかし攻撃が百合華に最大のダメージを与えていた。何度陥落させて堕としても、再び復活して超オシオキスペシャルで返してくる地上最強の姉が、まさか甘々な攻めが一番効果的だったとは誰が気が付いただろうか。
「ははっ、ソースの二度づけ禁止なんだって」
「もぉぉ~っ! ソースじゃなく、ユウ君のオシオキが禁止だよぉ~っ!」
「ええっ?」
悠の膝の上でピクピクしている百合華がキレた。
「ユウ君のイジワル! 毎日ずっとエッチにナデナデされたりペロペロされて、スッゴくエッチな気分になっちゃってるのに、何で
「ええ……してるのに」
「それは……そうだけどぉ……」
「一日中くっついていたいって言ったのはお姉ちゃんなのに」
「それも……そうだけどぉ……」
「じゃあそういうことで……ちゅっ」
悠が再び甘々なキスを始める。それは完全に屈服されされた百合華に、まるでオーバーキルのように追撃し深淵へと堕とされるような攻撃だ。
「ああああぁ~ん、もう許してぇ~♡ もうムリ、限界なのぉ~っ♡ 何でもするからぁ♡ ユウ君に絶対服従するから、ユウ君の奴隷姉になるから、もうイジワルしないでぇぇぇぇ~っ!」
手足をジタバタしながら屈服宣言する姉。遂に自分から奴隷宣言まで飛び出してしまう。
「ユウ君のトドメの必殺技が欲しいのぉ~一日十回なのぉ~」
「いや、一日十回は無理だけど……」
そんなこんなで、ここ最近の溜まりに溜まった百合華の欲求不満が爆発し、超激しい
――――――――
――――――
――――
久々に大満足の必殺技をくらい、ご満悦になった百合華が悠に抱きついている。
「ふへぇ~ユウくぅ~ん」
「お姉ちゃん大丈夫?」
「も、もぉ、あれ無意識にやってたの? ホント恐ろしい弟だよ」
「だって、優しくした方が良いのかと思って……」
「それはそうだけど……」
不意に百合華が、自分が発した奴隷宣言や絶対服従宣言を思い出し、強烈な羞恥で真っ赤になってしまう。
「あああ~ん、ユウ君に負けちゃった。姉の威厳が地に落ちちゃったよぉ~」
「可愛いのに。『奴隷姉になりますぅ~』とか」
「い、言ってないし」
「言ってました」
「あぁぁぁぁ~ん……」
このままでは完全屈服記念日になってしまいそうだ。
「もうっ、私が主導権を持つのが重要なの! このままユウ君に絶対服従しちゃったら、もうユウ君が大好き過ぎて何でも許しちゃいそうな自分が怖いんだからぁ!」
「そ、そうなのかな?」
「そうなの! 昔は、私が迫るとビクビクッってして可愛かったのに、いつの間にか立場が逆転して、私が攻められまくってビックンビックンしちゃってるじゃないのぉ~っ! 弟を調教して躾けようとしたら、とんでもない魔王を生み出してしまったのかもしれないのよ!」
「それ、ラノベ原作の漫画だよね?」
悠の持っている漫画ネタだ。
百合華が悠の漫画を読み漁っていて、いつの間にか悠好みのオタクに理解のある姉になっていた。
「どうしよう……このままユウ君に調教されて、世間に顔向けできない奴隷姉にされちゃったら……」
「そんな酷いことしないけど……」
「しないの!?」
「どっちだよ!」
して欲しいのか、して欲しくないのか、ちょっと危険なお姉ちゃんだった。
逆光源氏計画によりオシオキして厳しく躾けてきた弟が、姉好みに成長して大好きな彼氏になった。そして、予想以上に攻撃力を上げてしまい、逆に躾けていた方が躾けられてしまう危険性をはらんでしまう。もう、嬉しいのか怖いのか複雑な心境の百合華なのだ。
――――――――
新学期も始まり、今日から生徒達も登校する。相変わらず外では完璧美人の女教師百合華が廊下を歩くだけで、誰もが振り返り羨望の眼差しを向ける。
カツカツカツ――――
重力に逆らうように突き出した巨乳が揺れ、短めのタイトスカートからムチッとした太ももを覗かせる。肉感的な脚は薄い20デニールの黒タイツに包み、透けたスベスベの肌とのコラボレーションが素晴らしい。
少し屈んだだけでパツパツのタイトスカートにはパンティーラインが浮かび、周囲の男達を心臓が破裂しそうなほどドキリと魅了させてしまう。教師にあるまじきスカートの短さと
その完璧な悪魔的美貌には、生徒だけでなく同僚の男性教師達も完全に虜にしてしまっていた。今日も、男性教師たちが百合華を見掛けては噂話をしていた。
「はぁ、今日も美しいな女王は」
「気高くプライドが高く凛々しい」
「きっと男に屈するなんて無いんだろうな」
「そりゃ、そうだ。あの氷の女王を堕とすなんて不可能だろ」
丁度そこに登校した悠が通りかかる。
「おはようございます」
「あっ、おはよう、明石君」
「明石、今日もお姉さんは美人だよな」
教師の間でも悠は有名人だ。あの氷の女王の義理の弟であり、唯一百合華をデレさせている猛者であると。
「えっ、いつもと同じですよ」
「違うよ。毎日が違った美しさがあるんだよ」
「先日の仕事始めの時は、凄い色気を放出していてだな――」
もう、生徒と教師というより友達にエロい女の話をするようになってしまっている。学園の
「いえ、家では普通のお姉ちゃんですよ。ちょっとズボラ――っ、じゃなくて……」
悠が余計な事を喋ろうとしたその時、地獄耳の百合華が聞きつけてやって来た。これには悠もビックリだ。
「悠、なに余計なことを話しているの?」
家でのぐでっとした話し方とは違い、少し気が強めの凛とした声をかけられる。
「お、お姉……先生、ごめんなさい」
「先生方も、生徒と下世話な話をするのは如何なものですか」
「い、いえ、少し世間話でもと」
「そ、そうですコミュニケーションですよ」
「親睦を兼ねて……」
百合華の迫力に圧された同僚が、女王の威厳でビビりまくってしまう。
そして、悠はといえば。姉のスカートに糸くずが付いているのを見つけ、よせば良いのにゴミを取ろうと余計なことをしてしまう。
「あ、お姉……先生、スカートに糸くず付いてますよ」
パンパンパン!
「んんんっ~~~っ……」
ビックゥゥゥゥーン!
ゆゆゆ、ユウ君!
何で私のお尻ペンペンするのぉ~っ!
変な声出ちゃうよぉ~
悠にケツを叩かれて、一気に百合華のスイッチが入ってしまう。
「んっ、教師と生徒というのはぁ~ん、んんっ、親睦も必要ですが、立場を
百合華が、カラダの奥から沸き上がるゾクゾクした感覚に耐えながら、必死に取り繕って気丈に会話を続ける。途中で声が震えてしまったり、少し
「すみません……」
「確かに立場を
「プライベートなことを聞いて申し訳ないです」
「分かってもらえたら良いのです。んぁ……」
あああぁ~ん、ユウ君、もうダメぇ~っ!
はぁん、イジワルしないでぇ~
お外では許してぇ~っ!
家では何でもするからぁぁぁぁ~ん!
ゴミを取っているだけなのに、勝手に盛り上がって堕ちまくる。
「お姉ちゃん、ゴミが取れたよ」
「こらっ! 明石君! 学園では先生と呼ぶように躾けたはずよね! こんな所で油を売ってないで早く教室に行きなさい!」
「ええ……ご、ごめんなさい」
無意識に姉を堕とす悠が悪いのだが、百合華に怒られてしまう。少しションボリしながら悠が教室へと向かった。
「それでは私も失礼します」
カツカツカツ――
今にも崩れそうなドロドロした感覚を鋼の意志で奮い立たせ、プリプリとした尻を揺らしながら百合華が去って行く。短めのスカートから伸びる長く美しい肉感的な脚が魅惑的過ぎる。
後に残された男性教師たちが、完全に魅了と催淫され前屈みだ。気が強そうな声の中に微妙に雑じる吐息と震えがエロ過ぎてたまらない。溢れ出すフェロモンとの相乗効果で、改めて悪魔のような魅力に隷属されそうになってしまう。
「ああ、女王に説教されるのがくせになりそうだ」
「例えデレた弟にさえも屈しない気の強さ」
「きっと恋人でも、男に堕とされるなんて無いんだろうな」
「そりゃ、あの氷の女王が男に屈するなんてあり得ないだろ」
知らぬが仏だ。外では完璧美人で気が強そうな百合華が、家では年下の弟に堕とされまくって屈しているなどと想像できるはずもない。何も知らない有象無象の男達は、百合華の堕ちまくって屈服されたエッチで可愛い顔を一生見る事も無いのだから。
朝っぱらから姉に叱られてヘコみ気味の悠が教室へと入る。ここぞとばかりに待ち構えていた貴美と真理亜が近付いて来るのもいつものことだ。
「悠、おはよ」
「うぃす」
「あ、おはよう」
悠が二人に挨拶する。
「あ……」
真理亜が悠のマフラーに気付くと、その視線を見た悠が話し始めた。
「夕霧さんのマフラーは大事にしまってあるから。やっぱり好きな人に誤解されるような行動を良くないと思って。ごめんね」
「あ、ああ、あたしのはいいからさ」
意外と男らし悠に、真理亜がドキッとする。
くっそ、何か明石がカッコよくみえちまうだろ! 初めて会った時は、頼りなくて童貞っぽいって思ってたのに。途中から優しさに惚れて……今はすげぇカッコよく見えちまう。あああ、あたし何やってんだ! 忘れようと思ってたのに。
「全く悠は相変わらずよね、シャキッとしないさいよ」
いつものように貴美が絡んでくる。
「だよね。だからもっと
「な、何よ……悠のくせに」
意外と確りしてきた悠に貴美がドキッとする。
な、な、何なのよ! あの頼りなさげな悠が、ちょっとだけ頼りになりそうに感じちゃったじゃない! あああ、何であんたは、いつもいつもそうやってアタシの心を揺さぶるのよ! これじゃ忘れられないじゃない!
「不毛ね……」
二人の後ろから沙彩が声をかけた。
「うるせぇよ!」
「うるさいわね!」
姉を屈服させたからなのか少しだけレベルが上がったからなのか、ちょっぴり頼りになりそうになった悠が、百合華との将来に向かって歩み始めた。
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