第124話 張り合う姉と小娘に挟まれて色々限界な悠
二人きりのダイニングに淫靡な音が流れる。
壁際に追い込まれた悠が、百合華の胸ドンされたまま濃厚で蕩けるようなキスをされていた。
まるで姉成分を流し込まれ細胞の一つ一つまで侵食されるような。痺れるような甘い毒で、カラダ中を姉色に染められているような。
「ちゅっ、くちゅ、ちゅぱっ……んっ……」
とろとろぉ~ん――
完全に催淫され蕩けさせられてしまう。
「ふふっ、どうかな? ユウ君」
「うっ、す、凄い……」
キスだけでメロメロにされてしまった。
凄いキステクニック。
悠と付き合うまではバキバキの処女だったのに、天性の素質でもあるのか今では超テクニシャンの技巧姉だ。
「さっ、部屋に戻るよ、ユウ君」
「えっ?」
百合華がお茶とお菓子を持って歩いて行く。
我慢できないほど蕩けさせてから戻るという、鬼畜プレイのようなオシオキだった。
「そ、そんな……」
先を歩く百合華が振り返り、トドメの一撃を加えるようなウインクをする。
「ユウ君……お・あ・ず・け♡」
「ぐっはっ」
うううっ、やっぱり悪魔姉だった。
こんな気持ちにさせておいてから、中将さんや夕霧さんのところに戻るなんて。
こんなの我慢できないって……
悪魔的キステクニックにより蕩けさせられた悠だが、実は百合華の作戦はこれだけではなかった。まだ隙を見ては隠れて色々攻めまくり、羞恥と快楽で限界まで追い込むつもりなのだ。
同級生の近くでイチャイチャなんてダメだと言っていた悠が、今や百合華のテクで虜になってしまっていた。バレたらマズいとか言っていたのに、もっともっとキスをオネダリしたくなってしまう。
完全に百合華の術中に
一方気に悠を攻めているように見える百合華だが……
実は、かなり限界だった。
もぉぉぉぉ~っ!
私の方が我慢できないんだけどぉ~
何であの子達が家に来るのよ……
しかも、私のユウ君にベタベタしてるし。
教え子じゃなかったら、今頃アイアンクローでノックアウトしてるところよ!
アウトなのは百合華の方だった。
ガチャ――
百合華がお茶とお菓子を持って部屋に入る。
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます」
「百合華ちゃん、ありがとう」
そして、後から入ってきた悠の異変気付く二人。
「ちょっと、悠。何か疲れてない?」
「顔赤いぞ」
「くっ、俺も色々と大変なんだって」
ううっ……
まだドキドキしてるし……
あんな大人のキスをされたら我慢できないよ。
「あぁ~お姉さんにオシオキされちゃったんでしょ?」
「プロレスごっことか言ってたアレか?」
表向きにはプロレスごっこと言ってはいるが、実際はエッチなオシオキや自主規制な内容なのでドキリとする。ドスケベ姉のヘンタイ行為がバレる訳にはいかないのだ。
「悠、何で中将さんたちにプロレスごっこのコトを話してるの? ダメでしょ。私の変な噂話なんかしちゃ」
百合華が更にピキピキしながら注意する。
「ち、違うから。これは、お姉ちゃんが厳しい躾けをするって意味で」
「私はね、悠の為を思って厳しく躾けているのよ。学生の本分は勉強なの。エッチなことばかり考えていてはダメよ」
「えっ、あ、はい……」
ちょぉぉぉぉ~っと待った!
エッチなことばかり考えてるのはお姉ちゃんでしょ!
ドスケベだからオシオキしてるのに。
ま、まあ、エッチしてるのがバレない為に言ってるんだろうけど。
凄い変わり身の早さだぜ。
一階ではデレデレになってチュッチュチュッチュしていたのに、貴美たちの前では厳しい女教師の顔をする百合華。
さすが人前では完璧美人だ。
「お姉さん! 今日は、ちょっと言いたいことがあるのですが」
突然、貴美が百合華の前に立ち言い放つ。
「何かしら?」
「お姉さんは悠に厳し過ぎです。確かに悠はお姉さんを好きかもしれません。でも、お姉さんが躾けと称して厳しくし過ぎるから、悠は私たちをエッチな目で見ちゃってるんだと思うんです」
「は? 中将さん何言ってんの?」
悠が呟くが二人にスルーされた。
待て待て待て待て!
誰がエッチな目で見てるんだ!?
見てないから!
いや、ちょっとは見てるかもしれないけど……
あああ、更にお姉ちゃんがご立腹に……
「へえ……エッチな目で見てるの……」
百合華女王の目が鋭くなる。
「そもそも、お姉さんは男子を興奮させ過ぎです。そ、その、大きな胸とか、お尻とか……いつものスーツ姿もスカート短いし。黒パンストも薄くて透けてるし。お尻に下着のラインが出まくってるし。ブラも割と派手みたいで柄が透けてるし。あと、何かエッチな匂い……香水? フェロモン? みたいなのが出てるし。クラスの男子が皆悩殺されて限界なんです!」
「ででで、出てませんから! え、え、エッチな匂いとか!」
「フェ、フェロモンのことだよ。お姉ちゃん」
超動揺する百合華に悠が耳打ちした。
「出てません!」
「う、うん……」
「ユウ君、そんなに下着のライン出てるの?」
「わ、割と……」
「わざとじゃないですからっ!」
思わぬ指摘をされ、百合華が慌てる。
家での呼び方『ユウ君』を使ってしまっている。
意外と貴美が圧しているようだ。
「そんなエッチなお姉さんが、家で毎日一緒にいるなんて悠が困ってるんです」
「エッチじゃないですから!」
「いや、エッチだよ」
二人のエッチ論争に、つい本音が漏れる悠。
「ユウ君はどっちの味方なの!?」
「あ、ごめん……」
「えっと、何が言いたいかというと……つ、つまり、私が悠と付き合えば上手く行くと思うんです。え、エッチだって……悠が望むのなら、さ、させてあげても良いんだからね……」
「ダメぇぇ~っ! 不純異性交遊は禁止です」
自分はエッチしまくりなのに、生徒のエッチは禁止させたがる。
それが教師だ。
「お姉さんの時代はそうかもしれないですけど、今の若者は普通に学生時代からエッチしてますって」
「そんなに歳違わないですから! 同じ平成生まれですから! 昭和世代じゃないですから!」
ムキになって言い合っている内に、教師と生徒というより友達同士の喧嘩のようになってしまう二人。このままだと姉がポンコツなのがバレてしまいそうだ。
「お姉ちゃん、落ち着いて。誰もお姉ちゃんを年増とか言ってないから」
「誰が年増ですって!」
悠が後ろから捕まえて宥めようとするが、胸が突き出される格好になり、巨乳がぷるんぷるんと揺れてエロい事この上ない。
「うっ……やっぱり凄い……自身無くしそう」
超絶美しくエロい百合華の姿に、貴美が少し怯んでしまう。
「あ、あの、ちょっと良いかな?」
若干おいてけぼりの真理亜が、遠慮がちに発言した。
「百合華ちゃんも貴美も分かるんだけどさ、決めるのは悠だし、ここで言い合っててもしょうがねえっつーか、結論は出ねえだろ」
「それは……そうだけど」
「そうね」
「でさっ、あたしも悠が好きなんだけど……明石がエッチしたいって言うなら……じゃない、あたしが悠とエッチしたい! めっちゃしたいから!」
真理亜までエッチ宣言をしてしまう。
入学したばかりの頃、先輩たちにイジられ傷付いていた時に優しくされてからというもの、ずっと真理亜は片想いしてきたのだから。
「よしっ、エッチしようぜ」
「夕霧さん! ダメだって」
「いいじゃねーか、減るもんじゃねーし」
真理亜が悠に抱きついて胸を押し当てる。
「ちょっと、真理亜!」
反対側から貴美も抱きつく。
当然、胸を押し当てて。
「いいじゃねーかよ」
「よくないわよ!」
「痛い、痛いから!」
両側から腕を引っ張られる。
まるで大岡裁きのようだ。
※大岡裁き
あるところに子供がいました。
そして、その子供の親を名乗る女が二人。
どちらも自分が本当の母親だと譲らない。
そこで大岡越前は提案する。
『その子の腕を一本ずつ引っ張り、勝った方を母親とする』
女たちが両側から力いっぱい引っ張った。
痛い痛いと泣く子供。
一方の女が哀れに思い手を離してしまう。
手を離さなかった女が勝ち誇る。
だが、大岡越前は言った。
『勝者は手を離した女だ。真の母親ならば、子が痛いと泣いているのに続けられようか』
昔からよくある、ちょっといい話だった。
「悠は私とするの!」
「あたしがエッチするって言ってんだろ!」
「痛たたっ、痛いって!」
美談にはならないのがドSフレンズだ。
引っ張り合いはエスカレートして、何故かプロレスごっこのようになってしまう。
シャキィィィィーン!
貴美が腕ひしぎ十字固めのようにアームロックする。
シュバァァァァーン!
真理亜が裏十字固めの体勢になる。
プロレス経験も柔道経験も無いので決まってはいないのだが、貴美の健康的な生脚が悠の顔に乗ってエッチな体勢になてしまう。
更にもう一方の腕に真理亜が逆から入り、ちょっとセクシーな脚が悠の首に絡んでしまった。
二人のJKに太ももでサンドイッチされている感じだ。
「うわっっぷ! 何じゃこりゃぁぁ~」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!
「ユウ君、何で嬉しそうなの?」
女子二人に密着されている悠の上から、ご立腹になった姉が見下ろしている。
「う、嬉しくないから! 誤解だから!」
「やっぱりキツいオシオキが必要みたいね!」
むぎゅぅぅぅぅ~っ!
太ももサンドイッチされている悠に、百合華が無理やり顔4の字固めをする。
百合華のムチッとした太ももが、ギュギュギュッと絞まる。
「もがっ、むぉ、ちょ、待て! やめろぉ~」
竹川あたりが見たら羨ましさで気絶しそうな、女子三人による太もも密着技の完成である。
女同士の戦いのはずが、何故か全員からオシオキされる悠。
これぞシゴカレマスターの運命なのか。
ラッキードスケベしてないで、早く話を決着させて欲しいところだ。
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