第122話 超オシオキEXと超甘々可愛がりで躾けてくる超ヤバい姉

 姉のお尻で踏まれている。

 物理的にだ。

 世界広しといえど、こんなに姉の尻に敷かれる男は悠だけだろう。

 お尻は色々な事を教えてくれるが、同時に色々なオシオキにも利用されるのだ。


「きゅぅぅぅぅ~っ……」

 悠が尻の下で変な声を上げる。


 ムチッとした百合華の美尻であちこち踏まれ、完全に躾けられて屈服状態になってしまう。


 普通の女子ならシャワーを浴びてからと言うところを、百合華ときたら仕事帰りの蒸れた黒タイツで踏む恐ろしさだ。

 敢えて匂いの強いまま踏んで、濃厚なフェロモンで悠を悩殺しようとする、まさに悪魔のような所業だった。


 ただでさえ可視化できる程のフェロモンを出しているのに、直接こんな強いフェロモンにやられたら一溜りも無い。

 こんなオシオキを毎日のようにくらっていたら、どんな強者であっても姉依存症にさせられそうだ。


 百合華ときたら全体的にはスリムなのに、尻と胸はムチムチと大きくセクシーなのだ。

 ウエストが細いので、余計にプリッと上がった丸い尻が際立ち、普段のタイトなミニスカートでプリプリ揺れる尻は、誰もが振り返りガン見して前屈みになるほと魅了して止まない。

 極上の尻で踏んでもらえる栄誉に与れるのは悠だけなのだ。



「どう? ユウ君、反省した?」

「したした」

「えっ、もっと欲しいの?」

「言ってないぃぃ~」


 シュルシュル――

 何を思ったのか、黒タイツを脱いでいる。


「伝線しちゃうから脱ぐね」

「ううっ、もう好きにして」


 白くすべすべの脚を首に絡める。

 プロレス技の首4の字固めだ。

 ムチムチした太ももやふくらはぎが顔に当たり、まるで天国のような感触と気持ちよさで追い込まれる。


 ふぁあ~っ……

 お姉ちゃんの脚が最高過ぎるぜ……

 きめ細やかなスベスベの肌。

 適度な肉付きでムチッとした張り艶。

 少し汗でしっとりした感触。

 本能を揺さぶるような良い匂い。

 天国やぁ~


 悠が至福の時間を過ごしていると、上から百合華が覗き込んでくる。


「ユウ君、何だか嬉しそう。これじゃオシオキにならないかな?」


「えっ、なってるなってる。これが最高……じゃなく、最恐なオシオキだよ」

 やっぱり最高だった。


「ヒッププレスの方が良いかな?」

「ぶふぉ! い、いやそれは……」

「それならぁ、逆さ首4の字固めとか!」

「は?」


 それは正に最恐なオシオキだった。

 実際にそんなプロレス技があるのか不明だが、百合華が考えた最も恐ろしいオシオキ技である。

 首4の字固めを180度反転し、逆向きに悠の上に乗って首4の字固めをすることにより、同時にヒッププレスで攻撃までできる最強最悪最高なオシオキなのだ。


「ひぃぃぃぃ~っ! 助けてぇ~っ!」


 ※余りにも恐ろしいので自主規制中です。




「ユウ君、大丈夫?」

 ヘロヘロになってしまった悠を心配して、百合華が膝枕して声をかける。


「大丈夫じゃない」

「じゃあ大丈夫そうだね」

「おい」


 なでなでなで――

 膝枕しながら頭をなでなでしてくれる。


 騎士王になって百合華と対等になったはずなのに、エッチなことではまだまだ百合華に攻めまくられているように感じる。

 しかし、実際はそうでもないのだ。


 本番では百合華が勝手に何度も陥落して、悠に屈服しまくっていた。

 姉の威厳とか言っているのに、本当は弟に絶対服従しそうになるのをギリギリで堪えている状況である。


 外では『男には屈服しない』などと言っている地上最強の女王は、エッチでは悠に屈服しまくり堕とされまくり恥ずかしい顔を晒してしまう、凄いギャップのお姉ちゃんなのだ。



「ユウ君、お風呂に行こうか?」

「うん」


 仲良く抱き合いながら浴室へと向かう。

 もう毎日がラブラブな日常系なのだ。

 こんなに毎日くっついているのに、飽きるどころかますますラブラブになってしまう。


 髪も体も優しく洗いっ子してから一緒に湯舟に浸かる。

 もちろん抱き合って。


「ユウ君、おいで」

「お姉ちゃん」


 ぎゅぅぅぅぅ~っ!

 湯船の中でギュッと抱き合ってキスをする。


「んっ、ちゅっ……んんぁ……」

「お姉ちゃん、ずっと一緒だよ」

「嬉しい……大好きユウ君、ちゅっ」

「ちゅっ、ちゅっ……」


 のぼせてしまいそうなくらいキスし続ける。

 キスが止まらない。


「お姉ちゃん、そろそろ……」

「ダメぇ、もっとキスするのぉ」

「でも……ちゅ」

「二十四時間キスするのぉ~」

「無理だって……」



 さすがに長時間入浴し続けてのぼせそうなので、姉を抱っこしたまま風呂から上がる。

 タオルで体を拭いている時もキスするくらいだ。


「お姉ちゃん……ほら着替えて」

「ちゅっ、ヤダよぉ~ちゅっ、ちゅっ」

「ううっ、駄々っ子かよ」


 やっとの事で着替え終わりリビングまで戻る。


「ううっ、手のかかる姉も可愛いぜ」

「弟は姉にサービスするものだよ、ユウ君」

「相変わらず横暴姉だぜ」


 今度はおんぶされたまま降りなくなってしまい、後ろからぎゅぅ~っと抱きつかれたままになってしまう。


「子泣きお姉かな?」

 悠がおんぶ姉を、夜道で泣いている赤ん坊を抱き上げると重くなる妖怪に例えてしまう。


「そんなに重くないからぁ~!」

「この感じだと体重は――って痛たたっ……」

「女性の体重は内緒なのぉ~っ!」


 ソファーに倒れ込み、やっぱり上から抱きつかれぎゅうぎゅうされる。


「ぐわっ、やっぱり重っ……あっ、ヤベっ」

 悠が禁句を言ってしまう。


 決して姉が太っているわけではないのだが、突き出た胸部装甲とムチムチしたお尻により、スリムなのに超弩級戦艦のような迫力なのだ。


「ふぅーん、ユウ君……まだオシオキが足りないみたいね。もう一回……いや三回プロレスごっこする?」


「えっ、あの……その……」


 この後、滅茶苦茶プロレスごっこ自主規制した。


 ――――――――




 結局あの後キッチリ三回もプロレスごっこさせられ、ヘロヘロくたくたにされてしまう。

 お風呂に入ったばかりなのに、また汗だくになってしまった。


「お姉ちゃん! 激し過ぎるよ!」

「だってぇ、ユウ君がぁ……」

「だってとか可愛く言ってもダメ」


 二人でぐったりしながら抱き合う。

 時折キスをしながら。


「ユウ君が悪いんだよ。イジワルするから」


「し、してないよ。お姉ちゃんが太ってないのは知ってるから。お尻は重いけど」


 ぎゅうぅぅぅぅ~っ!

「ユウ君、良い度胸だね」


 何だか永遠に繰り返していそうなバカップルだ。

 阿吽あうんの呼吸で、わざと相手を挑発してはエチエチしまくる。

 何をするにも一緒で常にイチャイチャしていたがる二人だった。


「でも、ユウ君が職員室に飛び込んで来た時は嬉しかったよ。最初はビックリしたけど、まさか教頭先生に直談判するなんて」

 強く抱きしめたまま、百合華が話し出す。


「お姉ちゃんが居なくなっちゃうんだと思ったら、絶対に助けなきゃって夢中になって」


「本当は、遠くの学校に赴任して、少しだけユウ君と距離を置こうかと考えたの」


「えっ……」


「私のせいでユウ君の人生を壊してしまうかもって考えたら、怖くなって……私の我儘でユウ君を縛っているんじゃないかって……本当ならユウ君はもっと良い道があるんじゃないかって……」


「そんなことない! 俺は、お姉ちゃんと出会えたから幸せになったんだ。お姉ちゃんがいたから頑張ろうって思えたんだ。お姉ちゃんが俺にたくさんのものを与えてくれたんだ。だから、俺は絶対にお姉ちゃんを幸せにする。お姉ちゃん……百合華は俺が幸せにするんだ!」


「ユウ君!」


 強く抱き合う。

 強く――

 強く――

 お互いの体が溶け合うように。



 ぐぅぅぅぅ~

 不意に、お腹の音が鳴る。


「っ……えっと、これは、ちがくて……」

 百合華の顔が真っ赤になる。


「大丈夫、お姉ちゃんのおならは……」

「ユウ君! おならじゃなくお腹だから!」

「ふふっ」

「もぉ~わざとでしょ。ユウ君!」


 やっぱりふざけ合ってイチャイチャする。

 そして、お腹が空いているので一緒に料理を作った。




「ユウ君、今日はお礼に何でもしてあげるよ。ユウ君のしたいコト言ってみて」


「ん? ななな、何でもだとっ!」


 助けてくれたお礼に何でもサービスしてくれるらしい。

 何でもなど軽々しく口にしてしまうと、とんでもないことをされてしまいそうで危険なのだが、百合華は敢えて『何でも』と言って、悠が何をしてくるのか楽しみにしているのだ。


 おおお、落ち着け……

 何でもと言っても、ド変態なことを要求したらお姉ちゃんに嫌われちゃうかもしれないし……

 いやいや、逆に喜びそうな気もするけど。


 ふと姉の顔を見ると、にへらにへらとエッチな顔をして見つめている。


「ふへへぇ~ユウ君、何するのかな?」

「くっそ、これはドスケベ姉の罠だぜ」


 結局、普段何でもされているので、特に要求することなく、いつも通りイチャイチャするだけだった。


 膝枕で甘えて、マッサージと耳かきをしてもらい、ギュッてしてもらいながら一緒に寝た。

 超激しいオシオキと超甘々な可愛がりという緩急つけた調教により、何だか姉好みに洗脳されている感も否めないのだが。

 ただ、もう二人の前には何の障害もなく、このまま幸せなスローライフ……いや、エチエチライフが待っているだけだと感じて。


 親に伝えるという最大の難関を忘れたまま。

 今はただ、この幸せをかみしめるかのように。


 ――――――――




 幸せな日々が続くと思われたその時、突然嫉妬の嵐はやってくるのだ。

 順調に思われたある日の日曜、ライバルは突如として現れる。


 ピーンポーン――

 玄関のチャイムが鳴る。


 いつものように昼間からキスしまくっている姉を離して、悠が玄関に向かおうとする。


「ああぁん、ユウ君、もっとぉ♡」

「お姉ちゃん、誰か来たみたいだから」

「もぉ、後でいっぱいしてよね」


 とたとたとた――

「はーいどちらさん?」

 ガチャ!


「悠、来たわよ」


 ドアの向こうに立っていたのは、少し鋭いギラギラした目をした美少女。


「中将さん!」

「一緒に試験勉強しましょ」

「えっと……」


 突然の状況に固まっている悠に、もう一人いた少女が声をかける。


「わりぃな明石。あたしは止めたんだけどさ」

 貴美の後ろから真理亜も現れた。


「えええ……これは……」


「悠、言ったわよね。私は引き下がらないって。認めるわ。私は悠が好き。だからもう容赦しないって」

 とんでもない宣言をする貴美。


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!

「あら、中将さん。どうしたのかしら?」


 凄まじい威圧感を放出しながら百合華がやってくる。

 今の貴美の発言をバッチリ聞いていたはずだ。


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!

「お姉さん、またよろしくお願いします」


 貴美も一歩も引かないようだ。



 何だこの状況!

 二人の後ろに龍と虎のオーラが見えるようだ。

 これが龍虎相搏つなのか?

 ただ、お姉ちゃんのオーラが八岐大蛇ヤマタノオロチみたいに八本の龍になってるけど……


 最近大人しくなった貴美を見て、てっきり諦めたのかと思っていたのだが、その予想は大きく外れてしまう。

 更なる姉の嫉妬の嵐を引き起こすべく、よく分からない展開になってしまう明石家。


 お姉ちゃんvs小娘、第二ラウンドが始まろうとしていた。

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