第117話 ヤキモチマックスで壊れ気味なお姉ちゃん

 修学旅行の全日程を終え、二人は自宅愛の巣へと戻った。南の島で美しい自然に触れ史跡を巡り文化を体験した有意義な旅行であったのだが――――


 悠も百合華も、旅行中ずっと近くにいるのに愛し合えない欲求不満が溜まり過ぎて、もう爆発しそうなほどお互いを欲してしまっていた。


 ガチャ!

 もう暗くなった玄関を入り照明をつける。

 とりあえず荷物を置いて、いつもイチャイチャしているリビングのソファーに座ると、自然と並んで肩を寄せ合ってしまう。


「ユウ君……」


 百合華の手が、悠の膝の上を滑る。

 もう我慢の限界だと言わんばかりに。


「お、お姉ちゃん、先にお風呂に……」

「えぇ~先に一回……しよっ」

「ううっ……」


 悠の脳裏に、超魅惑的な姉の言葉が反響する。


『一回……しよっ――しよっ――しよっ――』

 うわぁぁぁぁっ!

 お姉ちゃんの誘惑に抗えない!


 ムッチリとした大きなおっぱいが押し付けられる。

 柔らかな感触と体温と大好きな匂いを感じ、もうどうにもたまらない。


「ほらぁ、ユウ君、我慢できるの?」


 ぐりんぐりんぐりん――

 押し付けられた巨乳でぐりぐりされ、吐息が首筋や耳にかけられる。


「ぐあ~っ、もうムリぃ~」

「でしょ、早くしよっ!」


 ファサッ!

 百合華が服を脱ぎ散らかす。

 お尻のラインが出まくっているレディースパンツを脱ぐと、スタンダードタイプながらもワンポイントの刺繍が可愛い下着が見える。

 後ろは少し尻の谷間に食い込んでいて、前側はクロッチ部分がムチムチの太ももの間で際立ち、一日中穿いて汗を吸い込みピッタリとフィットした下着がエロ過ぎだ。


 ぐっはぁぁぁぁっ!

 セクシーな下着が凄いのは当然として、普通の下着でも超破壊力じゃないか!

 むしろ普段穿いて使い込んだ感じが逆にエロい。

 エロいなんて表現では語れないくらい超絶エロいぜ。

 一体、俺の姉はどうなってんだ!

 全てがエロいじゃないか!


 ああっ、ダメだ!

 くんかくんかは絶対ダメなはずなのに、強烈な欲求を突き付けられているようだ。


 悠が姉のパンツで超興奮している頃、百合華も完全にスイッチが入って我慢の限界になっていた。


「ほらほらぁ、ユウ君も脱ごっ!」

 百合華が悠の服を脱がせる。


「ちょっと待って」

「だから待てないって」

「その前に話しが……」

「ええっ」


 悠が改まって修学旅行中のラッキードスケベや同級生女子からのオシオキを告白し謝罪しようとする。

 黙っていれば良いものを、わざわざ姉に伝えて嫉妬を増幅させてしまうのだ。

 姉に内緒にしているのが後ろめたくて黙ってはいられないのだが。


「じ、実は……同級生女子にオシオキされて……」

「は?」


 一気に百合華の顔色が変わる。


「わ、わざとじゃないんだ。ちょっとアクシデントがあって……助けてもらったりして……そして代わりにオシオキを……」


「ふ~ん…………」

 百合華の目が鋭くなる。

 久々に見るドS鬼畜女看守キャラお姉ちゃんだ。


「それで、お姉ちゃんに謝りたくて。ごめん……」


 しょんぼりする悠に、笑顔なのに凄い威圧感の百合華が話しかける。


「ユウ君、どんなコトされたの?」

「えっと……先ず、お尻を顔に乗せられて」

「は?」

「ベッドで五人に上に乗られて」

「ん゛?」

「そのまま、五人からくすぐられたり、足を顔に乗せられたり、ぐりぐりされたり……」


 ピキッ! ピキッ! ピキッ!

 百合華がピキピキしている。

 完全にヤキモチマックスで、悠に魔王の鉄槌てっついがぶっぱなされる寸前だ。


 悠は気付いていなかった。

 何でもバカ正直に喋れば良いのではないと。

 悠が他の女と話しているだけでも凄いヤキモチを焼く姉が、よりにもよってベタベタ触られたり乗られたりなどと告げられれば、嫉妬に狂って超恐ろしいオシオキ……拷問をするか分からない。


「ふ、ふ~ん……私がイチャイチャできなくて寂しい夜を過ごしていた時に、ユウ君は若い子と6Pしてたんだ……」


「6Pじゃないから。オシオキされただけだから」


 ガシッ!

 百合華にガッシリと掴まれて部屋に連行される。

 ドS鬼畜女看守姉によるキツい拷問のお時間だ。


「あれっ、ええっ、あの……もしかして、俺やっちゃった?」


「やっちゃったね。ユウ君。許されざる大罪を犯したユウ君は、姉法で極刑が決定でぇぇ~す!」


「そ、そんな……」


 ベッドに押し倒され、手足を玩具の手錠で繋がれる。

 今度は鍵を無くさないように、ベッド脇に鍵を入れるカンが用意されていた。


 ぎしっ――

 ベッドに這い上がり、恐ろしくも美しい顔で悠を見下ろす。


「はぁ~可哀想なユウ君……今から恐ろしい拷問なんだよ。姉法で最も過酷な極刑『八大無間姉地獄、等活とうかつ黒縄こくじょう衆合しゅうごう叫喚きょうかん大叫喚だいきょうかん焦熱しょうねつ大焦熱だいしょうねつ阿鼻あび、お姉ちゃんスペシャル』を朝まで叩き込まれるの。もう、泣いても許してあげないんだよ」


「怖っ! 怖過ぎる! 横暴だぁ!」


 若干オタク要素が入っていそうなエチエチ拷問が始まろうとしている。

 悠の漫画やラノベを勝手に読んでいる姉だけあって、ちょっとファンタジーな必殺技に影響されていて、オタクに優しいお姉ちゃんなのだ。


 百合華の美しい指が、悠の顎をツツツゥーっと撫でる。

 普段から色っぽい顔が更に淫らな表情になり、まるで魂を掴まれてしまったかのような気持ちになってしまう。


「はぁ、はぁ、はぁ……ただでさえ我慢できないのに、ユウ君がわざと私を嫉妬させようとイジワルするから、もうスッゴイことになっちゃって止まれそうにないよぉ。いつもは恥ずかしくて出来ないこともぉ、今夜は全部やっちゃいそうかも」

 キュン♡ キュン♡ キュン♡


「あの、げ、限度というものが……」

「先ず最初は、お尻で顔を踏むんだっけ?」

「はあ?」

「他の子にされたコト、全部一億倍にして上書きするから」

「はああああ?」


 悠の上に、百合華の大きな〇〇自主規制が降りてくる。

 八大無間姉地獄の始まりだ。


「んんん、もがっ、むはぁ、ふごぉ~~~~ぷはっ!」

「どう?」


 ※自主規制により描写カットになります。


「へ、変態か!」

「そうだぁ、毎日やってユウ君を変態にしちゃえば良いんだ」

「そんなわけあるかぁ~」

「ふぅ~ん、ボディーウォーマーを使って、強制尻密着刑を追加しようかな?」

「あ、悪魔だ…………」


 悪魔なエロ姉のオシオキをくらいながらも、お互い嬉しそうな変態さんカップル。

 オシオキとか拷問とか言っても、全部ご褒美でイチャイチャなのだ。

 もう誰にも止められない。


「次は足で踏まれるんだっけ?」

「ああ……もう好きにして」

「うふふっ、ユウ君ってば可愛いっ」


 ――――――――

 ――――――

 ――――




 数時間後――

 あの手この手でド変態オシオキされ、ヘロヘロになった悠が横たわっている。

 さすがにちょっとやり過ぎだ。


「えっと……ユウ君、大丈夫?」

 さすがにやり過ぎてしまい弟を心配するアウト姉。


「ううっ……マジに昇天するかと思った」

「ご、ごめんね。でもユウ君が悪いんだよ。イジワルするから」

「正直に話しただけなのに」


 時に正直さも罪なのだ。

 世の中は理不尽にできていた。

 悠は姉のお尻オシオキで勉強になったのかもしれない。

 お尻は色々なことを学ばせてくれる。


「じゃあ、お風呂に行こうか?」


「うん、乗られた時に一日中穿き込んだお姉ちゃんのパンツが――って、痛っ、お姉ちゃん、顔が怖いよ」


 くんかくんかの夢が強制的に叶った悠が余計なことまで話だし、百合華にプロレス技で締められる。


「ユウくぅ~ん、悪い子のユウ君は反省していないみたいだね? 八大無間姉地獄は、まだ半分以上残っているんだよ」


「ああ……俺、本当に変態になっちゃうかも」


 ぎゅうぎゅうと抱きつかれたまま、今度は浴室へと連行される。

 次なるオシオキとプロレスごっこという名のエッチが待っているのだ。


 ――――――――




 お風呂でさっぱりして、リビングのソファーでまったりとする。

 もちろん浴室では、ここでは言えないような激しい行為が繰り広げられたのだが。


 今はソファーの上で寝転び、百合華が上に乗るように抱きついていた。

 部屋と浴室で何度もプロレスごっこエッチして、とろとろに蕩けた顔で満足気な百合華だ。


「うふふぅ~ん、ユウくぅ~ん。ちゅぅ~っ!」


 家に帰ってからキスしまくっているのに、まだし足りないとばかりに熱烈な愛情表現でくちびるに吸い付いてくる。

 ちゅっちゅと優しくついばんだり、むちゅ~っとくちびるを押し付けたり、ちゅぱっじゅるっとむさぼるように激しく吸ったり、舌を進入させてチロチロと絡めたり舐ったりと、完全に百合華のやりたい放題だ。


「ちゅぱっ、んんっ……お姉ちゃん、もう許して」


「ダメぇ~っ! ユウ君が他の女に興味が無くなるまで、徹底的に厳しく躾けないとだね」


「そ、そんな……」

 悠も口では『ダメ』とか『やめろ』とか言っているくせして、内心は大好きな姉にオシオキされたくてうずうずしていた。


「あれぇ、やめちゃっていいの?」

「えっ、お姉ちゃん……やめないで」

「ふへへぇ~っ」


 百合華がニマニマとエッチな顔で微笑む。


 悠は完全に調教済みだ。

 どこまでも攻められても、もっとおねだりしてしまう。

 大好きな姉に触れたくて仕方がない。

 もっともっとイチャイチャしたいのだ。


「どう? 反省した?」

「お姉ちゃんごめんなさい。もうしません」

「ちゅぷっ、ちゅぷっ、ん~っ、どうしようかな?」


 何度かくちびるに吸い付きながら、愛嬌のある可愛い笑顔でニコッと笑う。

 悪魔のように恐ろしいオシオキをしながらも、天使のような笑顔で完璧な可愛さだ。


「やっぱダメぇ~っ!」

「そ、そんな……」

「ちゅぱっ、ぺろっ、んちゅ……姉の許しを請うにはどうするんだっけ? ユウ君」


 いつものアレを要求する。


「あの、その……お姉ちゃん大好き」

「はう~ん、ユウ君、私も大好きだよぉ~」

「お姉ちゃん大好き」

「むふぅ~ちゅっ、ちゅぱっ、ユウ君えらい!」


 キスしながらナデナデされる。


「お姉ちゃんが世界一大好きだよ」

「ああぁ~ん♡」

「お姉ちゃんだけを愛するよ。永遠にお姉ちゃんが大好きだよ」

「ユウ君! 私も永遠にユウ君だけを愛するからね」


 更に激しいキスの嵐になる。

 むっちゅむっちゅと連打して。


「あふぁ~あああ……ユウ君ってば可愛いんだからぁ、もう全部許しちゃう」

 悠は許された。

 慈愛に満ちた女神姉の百合華は、悠のオイタなど全て許す度量があるのだ。


「良かった。お姉ちゃんの機嫌が直って」

「んふふぅ~私がユウ君に怒るわけないでしょ。最初から許してるよぉ」

「だ、だよね」


 ぎゅうぎゅうと百合華に抱きつかれ、やわらかなおっぱいの感触が伝わってくる。

 あれだけ搾り取られたのに、また姉とイチャイチャしたくなってしまう。


「じゃ、そろそろ夜も遅いし、ベッドで朝までオシオキしようか? 八大無間姉地獄の、大叫喚だいきょうかん焦熱しょうねつ大焦熱だいしょうねつ阿鼻あびが残ってるからね。ユウ君、良かったね。一番キッツいオシオキが残ってるよ」


「は?」


 悠は許されていなかった。

 というか……

 最初から全部やる気なのだ。

 欲求不満が溜まり過ぎている上に、悠が余計に嫉妬させる発言をして燃え上がり、更に『大好き』と言われて完全にスイッチが入ってしまっていた。

 全て受けきるまで止まらないのだ。


「ま、マジか……」

「マジマジぃ~」


 朝までオシオキが楽しみ過ぎて、恐怖と期待で体がゾクゾクしてしまう悠だった。

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