第109話 百合華vs悠 仁義なき姉弟の戦い
百合華の帰宅と共に合戦の火蓋が切られた。
遂に百合華の心に火をつけてしまう。
最近、悠に堕とされまくって納得いかないのだ。
姉の威厳を見せつけたい百合華だった。
ユウ君ってば……
最近ちょっと生意気かも……
ここらで姉の怖さを見せつけて、絶対服従しちゃうように躾けないとね。
覚悟しなさい、ユウ君!
「ただいまぁ」
トタトタトタ――
百合華の声で、すぐ奥から悠が現れる。
「お姉ちゃん、おかえり~」
玄関まで出向いてカバンを受け取る。
リビングに入るとスーツを脱がせてハンガーに掛けてくて至れり尽くせりだ。
「お姉ちゃん、今日は疲れただろうし汗もかいたから先にお風呂入る?」
悠に甘やかされて、さっきまでの好戦的姉が、ほわほわとデレ姉になってしまった。
「はぁ、ユウ君、やっぱり可愛いなぁ……ホント良い子なんだからぁ」
なでなでなで――
「って、違ぁぁぁぁ~う!」
当初の姉弟合戦の意気込みが消え、弟の頭をナデナデしてから、ハッとなって再び超オシオキするのを思い出す。
「お姉ちゃん、今夜のご飯は何にしようか?」
「ええぇ~ユウ君が作ってくれるの? お姉ちゃんはぁ、パスタが食べたいなぁ」
「分かった」
にこにこにこ――
「って、違ぁぁぁぁ~う!」
「お姉ちゃん、さっきから何やってるの? プロレスごっこなら食事の後にしようよ」
「えっ、うん……そだね……じゃなくて! オシオキするのぉ~っ!」
やっぱり悠にデレデレしてしまい調子が狂ってしまう。
本心では思いっ切り弟に甘えたいのだ。
姉の威厳も気になるが、イチャイチャしたくてたまらない。
「今日は、ちょっとユウ君に言いたいコトがあります」
「何かな?」
デレデレしたい体に鞭打つようにビシッと決めて、仁王立ちして指を突きつける。
「先ず一つ目。最近のユウ君は生意気! 姉に対する敬意とかは?」
「そうかな? 昔からこんなだったような?」
「そ、そうかもしれないけど……」
あっさり返されて何も言えない百合華。
「じゃ、じゃあ、二つ目。エッチは一日十回って言ったのに、してくれないし……」
「いやいや、一日十回もできないから。やり過ぎは良くないよ」
「そ、そうかもしれないけど……」
またまた返されて何も言えない。
「じゃあじゃあ、三つ目。ユウ君に堕とされてばかりで納得いかないのぉ~」
「えええ……いつも、お姉ちゃんが攻めまくってるじゃん」
「そ、そうかもしれないけど……」
既にこの時点で何か負けてる気がして余計にプンスカ怒ってしまう。
「って、じゃなくてぇ! 今日だって体育倉庫でエッチなコトされちゃうし……」
「お姉ちゃんが先にエッチなイタズラしたからだよ」
「そ、そうかもしれないけど……じゃなくてぇ~」
何だかよく分からない展開になってしまう。
常に百合華が攻めまくって、悠がオシオキされまくっているはずなのに、何故か百合華が勝手に堕とされまくっているのだ。
実際のところ、百合華が攻めまくり悠の防戦一方のように見えるのだが、百合華が勝手にテンション上がりまくり、自爆して陥落しているだけなのだ。
百合華は悠が超大好きで、イチャイチャしていると幸せ過ぎて感じ過ぎてしまうのかもしれない。
「ほら、お姉ちゃん、ぎゅぅ~っ」
「ふへぇ~幸せだよぉ~」
ぎゅぎゅっと抱きしめられて、幸せオーラ全開の百合華なのだ。
「ああぁん、もぉ~惚れた弱みだよぉ」
悠とエッチしてからというもの、益々大好きになってしまい何でも許してしまいそうで自分が怖いのだ。
自分が弟に絶対服従してしまいそうで、余計に姉の威厳に拘っていた。
「お姉ちゃん、お風呂入った方が……くんかくんか」
「ちょっとぉ~くんかくんか禁止!」
「良い匂いなのに……」
いつも嗅がせようとするのに、たまに禁止する姉心は不思議だ。
「お風呂の準備はしてあるよ」
「今日はユウ君がご奉仕してよね。全身くまなく洗うコト!」
「はいはい」
浴室へと移動する。
今日は全て悠のご奉仕という事で、姉の服を脱がせねばならない。
「ううっ、下着まで脱がせるのか……」
「ふへぇ~ちゃんとサービスするのよ」
背中のホックを外してブラを外すと、ぷるんっと大きな二つの膨らみが解放される。
最終安全装置解除した決戦兵器のような破壊力だ。
「ふふっ、良い感じ良い感じ。ユウ君の、その表情が最高だね」
百合華が仁王立ちして、跪く悠を見下ろす。
パンツを脱がそうとして、恥ずかしさのあまり顔を背けている悠の顔を見てご満悦だ。
「うううっ……見ちゃダメだ、見ちゃダメだ、見ちゃダメだ……」
「いつもベッドで見てるでしょ」
「うわぁっ、思い出させないで」
何度見ても姉の裸の破壊力が凄過ぎて慣れないのだ。
超絶魅惑的なカラダは、まるで
「水着着てくれないなんて……」
「お風呂は裸で入るものだよ、ユウ君っ!」
やっとの事でパンツを脱がす。
ちょっと汗でしっとりしたパンツをクルクルと丸めると、洗濯カゴに投げ入れた。
「ふふっ……」
何を思ったのか、百合華が裸のまま片足を上げて、膝まづいている悠の膝の辺りを踏み始める。
「ちょっと、何で踏むの?」
「良い感じ……弟を絶対服従させてるよね」
「何だこの女王姉……」
徐々に足が上がってゆき、大事なところに到達する。
「ほぉら、ユウ君のあそこを攻撃だぁ」
「やめろって」
グイグイグイグイグイ――
器用に足の裏で強過ぎず弱過ぎず気持ち良い加減で刺激を送り込むエロ姉。
「うわっ、見える! 見えちゃうから!」
裸で片足を上げていてアウトな恰好だ。
凄い光景が見えそうで、悠が目を開けられない。
「ふふふぅ~っ、やっぱりこうだよね。弟は姉のエッチ攻撃を受けきる義務があるよね」
「そんな義務はねぇぇぇぇ~っ!」
――――――――
――――――
――――
そして入浴後……
何故か陥落してプンスカ怒る百合華がいた。
「もぉ~何で私が堕とされてるのぉ~」
ソファーでジタバタしている姉が可愛い。
女王姉になって攻めまくった後、全身くまなく洗わせたのだが、悠の微妙にエッチな手つきがツボにはまってしまい、やっぱり何度も陥落してしまう。
「ほら、パスタできたよ」
テーブルに美味しそうなトマトソースパスタが並ぶ。
市販のソースをアレンジして、ちょっぴり野菜とソーセージを入れた悠オリジナルだ。
「わーい、ユウ君のバスタだぁ」
もう機嫌が直ったのか、嬉しそうに食卓に着く。
いや、最初から怒ってはいないのだが。
お風呂でイチャイチャして至福の時間なのだ。
でも、ちょっぴり恥ずかしくて強がってしまう。
「お姉ちゃんが子供みたい。もう妹の百合華にしようかな?」
「ユウ君……あんまりお姉ちゃんを怒らせると、後でどうなってもしらないよぉ」
ゾクゾクゾク――
さっきまで子供のようにはしゃいでいた姉から、魔王のような威圧感を感じる。
相変わらず色々な表情を見せる凄い姉だ。
食後のエッチをご所望の百合華に連れられ玄関に行く。
何故ここに連れられて来たのか分からず、悠の頭に『?』が浮かんだ。
「今日は玄関でエッチね」
「は? はあ? はああああぁぁ!?」
「ほらほらぁ、ここに寝て」
玄関から上がった床部分にマットを敷いて悠を寝かせようとする。
「ちょっと待って。誰か来たらどうするの?」
「鍵してあるから大丈夫だよぉ。ユウ君が声出さなければ」
「ううっ……我が姉ながら変態過ぎる……」
「言ったでしょ。家の中全部でエッチするって」
本当に実践してしまうとんでもないエロ姉だった。
「ううっ……どんどん調教されて変態になりそうで怖い」
「なっちゃえなっちゃえ~」
悪魔の微笑を浮かべながら、百合華が上から覆いかぶさりキスをした。
「はむっ、ちゅっ……んっ、ユウ君……大好き」
――――――――
玄関エッチは淫ら過ぎて自主規制となってしまう。
こんな背徳的なのしちゃって、明日から教室でどう姉と接すれば良いのか分からないくらいだ。
そして――――
姉弟合戦の勝敗は一勝一敗で、次の戦いは百合華の部屋へと移った。
「あ、あの……次はまさか……」
悠が恐怖する。
姉の超オシオキといえば、もう定番のアレだ。
百合華がクローゼットから
何度もオシオキで使って伸び伸びでクタクタだ。
「んん~これはもう使えないかな?」
伸びきった腹巻を見て悠が安心したその時。
更に奥から大きなサイズの上下
「えっ?」
悠が呆気に取られていると、百合華がニコニコした顔で悪魔のような命令をする。
「はい、ユウ君、これ着て」
「えっと…………」
まさかとは思うが、一応聞いてみる。
「何するの?」
「じゃじゃーん! お姉ちゃんと強制密着刑EX!」
「え…………」
そのまさかだった。
「これキングサイズで伸び縮みする素材だから二人で入れるよ」
悪魔の宣告だった。
ピッチリした上下インナーに二人で入って、強制密着させられるのだ。
腹巻の時は腹から胸にかけてだけだったが、今回のEX姉刑は腕も脚も全てミチミチに密着させられる恐ろしいオシオキである。
「あああ……終わった……」
「ユウ君、今夜は楽しい夜になりそうだねっ!」
お姉ちゃん……
やっぱり悪魔だったか……
次から次へと、こんなドスケベなプレイを思いつくとか、いったいどんな頭脳をしているんだろ?
悠が天を仰いでいる内に、大きめサイズの長袖インナーを着せられる。
その中に百合華がぐいぐい入ってピッタリ隙間なく密着してしまう。
両腕が完全に密着し、指は恋人つなぎで握り合う。
両足も完全に密着し、ムチムチの太ももも、張りのあるふくらはぎも、全てが完全に一体となり、もはや境界線も無くなり一つのカラダのようだ。
「ユウ君、朝までずぅ~っと一緒だね」
「ああ……もうダメかも……」
「んっ、ちゅっ、ちゅぱっ……んんっ」
恋人つなぎの指をコチョコチョ動かされ愛を謳うようだ。
そのまま熱烈なキスをされてベッドの海へと潜る。
それは天国への誘いか、地獄への道連れか。
超ご褒美と超オシオキの永久監獄のような姉刑を受け、悠は姉の恐ろしさとドスケベさを再確認してしまった。
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