第107話 用具室でも色々と限界なお姉ちゃん
今日も今日とて超魅力的な百合華。
誰もが見惚れてソワソワとしている中、職員会議が行われている。
そこに存在しているだけで凄まじいインパクトなのだ。
会議を終えて百合華が部屋を出ると、同僚男性教師が声をかけた。
「明石先生、球技大会の備品チェック大変ですね。あの、もしよろしければ、私が一緒に手伝いましょうか?」
球技大会の備品チェック担当になった百合華。ボールや用具などのチェックをし、壊れていたり足りないものは補修や発注をしなければならない。
「いえ、大丈夫です。学生時代にも経験がありますので」
相変わらず氷の女王の微笑みで即撃沈。
手伝いを口実にして百合華と二人っきりになりたいのが見え見えな男を、速攻でお断りだ。
「そう……ですか」
「はい」
ツカツカと歩いて行く百合華の後ろ姿に、男性教師が溜め息をつく。
「はあ……少しでもお近づきになりたかったのに」
ぽんっ!
「女王を口説こうとしても無駄だって」
横から同僚教師が肩を叩きながら言った。
二人並んで百合華の去って行く姿を見送る。
キュッとくびれたウエストからプリプリとしたヒップがタイトスカートで強調され、薄っすらパンティーラインが透けてエロい事この上ない。
「ああぁ、明石先生……なんて魅力的なんだ」
「女王と付き合える男が羨まし過ぎる」
今日も
――――――――
「明石君、ちょっと良いかしら?」
帰りのホームルームが終わると、百合華が悠を引き留めた。
「おね……先生、どうかしましたか?」
油断して姉と呼びそうになる悠が返事する。
「球技大会に向けて備品チェックがあるの。手伝ってもらえるかしら」
「はい、良いですよ」
連れて行かれそうになる悠に、後ろから竹川が声をかける。
「羨ましいぜ……深淵の魔王ユリウスベルゼビレト先生の手伝いだなんて」
「おい、竹川。おまえはソフィアちゃん推しだろ。魔王を羨ましがってどうする」
「いや、だって、おまえの姉ちゃんが魔王過ぎてエロくて我慢できねえよ」
「俺の姉を変な目で見るな」
二人で魔王の話で盛り上がる。
百合華のエロい腰つきや太ももは、まさにアニメのエチエチ魔王だ。二次元のアニメキャラがこの世に具現化されたかのような再現度だった。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!
「竹川君、誰が魔王なのかしら?」
百合華が凄い迫力で竹川の前に立つ。
やっぱり魔王のようだ。
「あ、いえ、すみません……」
完全に腰が引けビビった竹川は、今にも崩れ落ち平伏しそうになる。
「じゃ、明石君、ぐずぐずしてないで行くわよ。あまり姉であり教師でもある私を侮辱すると、後でキツいオシオキをしますからね」
ゾクゾクゾクッ!
「は、はい、すぐ行きます。よ、よろこんで!」
日頃の調教で躾けられている悠も、ビビりまくって姉の跡を付いて行く。
百合華の迫力で腰がガクガクした竹川は、本気で推しキャラを変えそうになってしまった。
「な、何だろう……怖い女が好きな明石の気持ちが少し理解できたような?」
――――――――
百合華に連れられ体育館へと向かう。
熱気あふれる館内は、バレー部とバスケ部が練習中だ。
隅を歩き倉庫の前まできた。
「お姉ちゃん……じゃなかった、先生、何をするの?」
「備品の数や壊れていないかを調べるのよ」
「ふ~ん」
ガラガラガラ――――
倉庫を開けて中に入る。
「へえ、色々は用具があるんだな」
ガッシャン!
突然、百合華が重い扉を閉めてしまう。
その瞳は妖しく輝き……
「ちょちょ、ちょっと待った! 変なことしないでよ」
悠が後ずさりするが、同じ分だけ百合華に詰められる。
「うっふふぅ~ん、ユウ君、二人っきりだね」
「待て待て待て! 外に生徒が大勢いるのに」
ムッチリした巨乳を押し付けられてしまう。
柔らかな胸の圧が伝わり至福の感覚だ。
「ユウ君、大きな声を出すと気付かれちゃうよ」
「んんん~~~~っ……」
久々に悪魔姉だ。
人が近くにいる時を狙って迫り、羞恥心や焦りを利用してグイグイ追い込む。
恐るべき百合華の調教術。
「ねぇ、聞いてよぉ」
「な、何が……」
胸板に巨乳をぎゅうぎゅう押し付けながら、脚の間に膝を入れグリグリと密着させる。
そして、耳元で甘く熱い吐息と共に囁き始めた。
「私が準備係に決まったら、同僚の男が一緒に手伝うとか言うのよ。きっと、こういう風に密室でイケナイコトしようとしてたのかも」
「ううっ、だ、ダメ……」
「やっぱりぃ、手伝ってもらうのならユウ君だよね。こうしてぇ、オシオキしながら一緒に準備できるしぃ」
ぐりぐりっ、ぎゅぎゅっ――
だ、ダメだぁぁぁぁ~
こんな場所で……
神聖な学園内で陥落するわけには……
うぐぅぅぅぅ……
ささっ!
悠が限界突破しそうになると、百合華がサッとカラダを離し、元の厳しめの女教師に戻る。
「明石君、ちゃんと備品の確認をしなさい!」
「え、えええ…………」
悪魔姉の調教で翻弄されてしまう。
ギリギリまで追い込んでから突き放され、もっともっとオシオキが欲しくされる。
とんでもない悪いエロ姉だ。
「ほらほらぁ、他の生徒が来ちゃうかもしれないんだから、ちゃんとやって!」
「どの口が言ってんだ……」
ボールや用具をチェックし数を記入してゆく。
さっきまで凄い色気だったのに、女教師の顔に戻ってしまい、ホッとしたような欲求不満なのような気持ちになってしまう。
「はい、じゃあ次に行くわよ」
「まだあるのか……」
一瞬だけ百合華の瞳が妖しく光り、指先で顎をコチョっとくすぐられた。
「ユウ君、あまり長居してると怪しまれちゃうから」
それだけ言うと、百合華が扉を開けて出て行く。
ガラガラガラ―
引き続き、グラウンドに出て体育倉庫へと向かう。
悠は少し不安を感じた。
体育倉庫といえば、何度か『同級生の百合華ちゃんごっこ』で体育倉庫シチュをやらされているからだ。
まさかとは思うが、体育倉庫の中で合体などと危険な事に及んだら大問題だから。
「大丈夫だよな……」
悠の不安を他所に、到着したグラウンドの隅にある体育倉庫は、周囲に誰も人がいない寂しげな場所にポツンと建っている。
「さ、更に不安になってきた……」
「ユウ君、何言ってんの? 入るわよ」
ガラガラガラ―
鍵を開け重そうな扉を開ける。
中に入り電気を点けると、少し埃っぽいような独特の臭いがした。
ガラガラガラ―
「うんしょ、うんしょ」
悠の不安通りに、姉が重そうな扉を必死に閉めている。
「だから何で閉めるんだよ!」
「だってぇ、外から見えると恥ずかしいでしょ」
ガチャ!
中から鍵をして完全に密室状態にしてしまう。
遠くにグラウンドを走る運動部の声が聞こえるだけで、他の生徒は帰宅したのか静寂に包まれている。
振り向いた百合華の顔は、急激にフェロモンを放出する
赤い舌をペロッと出してくちびるを舐めた姉の顔は、いつもの家で見る底なしのドスケベ姉だった。
「や、やっぱり……こうなるのか」
「ふふっ、ユウ君、分かってるよね? 声出すとバレちゃうかもよ」
ギュッと抱きしめられ、赤い舌を尖らせて耳の中に侵入させる。
チロチロと耳や首筋を舌で走らせて、くちびるを何度も舌でなぞられた。
我慢できずにキスをしようとすると、サッと逃げてさせてくれない。
「ダメっ! リップが付いちゃうから禁止ね」
ここまで追い込んでおいて、キスさせてくれないとか、本当に俺の姉は悪魔なのではと悠は思った。
体育館倉庫では寸止めして焦らしまくり、散々追い込んでおいてからオアズケである。そして、ここでも限界まで追い込んで焦らしまくるのか。
チロチロチロチロチロチロ――
そうしている間にも、姉の舌が悠のカラダ中を舐め回す。
ビリビリと電流が走るような快感に貫かれ、立っているのもやっとにさせられてしまった。
「ううっ、ダメだって言ったのに……学園内は弁えるって」
「ちゅっ、ぺろっ……これでも我慢してるんだよ。ちゃんと見つからないように、人流や時間を計算済みだし」
エッチなことになると恐ろしいほど頭の回転が速くなる百合華なのだ。
普段使われていない外の体育倉庫、放課後で人も少なくグラウンドからも遠く、更に安全策で内側から鍵もする完璧な計算になっていた。
悠とエチエチする為なら、何処までも兵法百合華流風林火山を駆使するのだ。
「っ~~~~~~」
必死に声を抑える悠。
姉の舌が危険な場所へと移動した。
ぐるんぐるんと舌を回転させ、高速ペロペロでグイグイ追い込まれる。
もう本当に限界が近付いていた。
キーンコーンカーンコーン――――
その時、チャイムの音が鳴り響く。
限界突破寸前で、百合華の舌が止まった。
「コホンコホンっ」
わざとらしく咳払いして百合華が立ち上がる。
「明石君、早く備品チェックするわよ!」
「またかよ……」
「ちゃんとやって!」
またもやオアズケをくらい、もう精も根も尽き果てそうになる。
「もう下校時間よ。急いでね」
「へいへい……」
何とかチェックを終え、用紙に記入して終了となった。
「これで終了ね。ユウ君ありがとね」
「はぁあ……もうヘトヘトだよ」
「ふふっ、帰ったらサービスしてあげるからぁ」
ガガガッ! ガガガッ!
「あれ?」
ホッとしたのも束の間、姉が何やらフラグっぽい言動をしている。
ラブコメで体育倉庫といえば定番のアレだ。
「お姉ちゃん、冗談はやめてよ」
「冗談じゃないから。開かないの」
そう言った百合華が振り向くと、泣きそうな顔になっていた。
「冗談じゃなかったぁぁぁぁーっ!」
遠くで聞こえていた野球部とサッカー部らしき声も今は聞こえず、チャイムと共に部活を終え帰り始めているようだ。
もはや合体は避けられない緊急事態だ。
果たして悠の運命は――――
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