第103話 お互い意識しまくるドキドキな夜、遂に悠は決心する
嵐を巻き起こしたマキが帰宅し、悠と百合華の心にも愛の嵐の余韻が残っていた。マキの『やっちゃえ』宣言で、二人共おかしな雰囲気なのだ。
昔から嵐を呼ぶマキだった。
マキのちょっかいで、百合華のハートに火をつけて、更に求愛行動は激しさを増してしまう。
もう、わざと二人をくっつけようとしているみたいに。
「ユウ君!」
「な、何かな?」
「そんなオシャレな髪型にしたらモテちゃうでしょ!」
「えええ…………」
悠がオシャレな髪型になって心配な百合華。クラスの女子にモテて、弟が取られるのではと気が気ではない。
「いや、モテないから大丈夫だよ」
「うそっ、ユウ君モテるし」
「そんなまさか。ははっ」
「モテ髪型禁止!」
実際、ちょっと変わった女子にはモテるのだが、本人に自覚は無かった。
「でもでもぉ、その髪型のユウ君も良いから困っちゃう」
「もう、どっちだよ」
「私の前でだけはOKで、外ではその髪型禁止」
「理不尽過ぎるぜ……」
そんなに髪型は変えられない。
「まあ、すぐ伸びていつもの感じになるよ。これ何か落ち着かないし。あと、オシャレな店も落ち着かないし。やっぱり、いつもの床屋で良いや」
特に髪型に拘りの無い悠だけあって、いつもの感じが落ち着くのだ。
すぐ伸びて元に戻るだろう。
「じゃ、そういうことで」
がしっ!
百合華に腕を掴まれる。
「ユウ君、今夜は一緒にお風呂入ろっ!」
百合華の目がハイかイエスを選べと言っている。
つまり拒否はできない。
「でも……今日は」
一緒にお風呂と言われた瞬間に、悠の腰の奥に甘い疼きが走った。
本格的に付き合う覚悟を迫られている上に、マキの発言で二人は昂っている。もう、何が起こるか分からないだろう。
「ふぅ~ん、ユウ君はクラスの女子とデートしたのに、私のお願いは聞いてくれないんだぁ?」
「わ、分かったから。でも水着着用だよ」
「ええぇ~っ、ケチぃ」
「先に入ってるから」
ガラガラガラ――――
浴室のドアを開け中に入ってから、悠は滅茶苦茶動揺してしまう。
ドキドキドキドキドキドキ――――
どどどどどど、どうしよう!
凄い意識しちゃってる!
これ、もう合体の流れなのでは?
この後、絶対添い寝になるパターンだよな。
こんなムラムラした気分のまま添い寝したら……
ああっ! もう完全に姉に溺れてしまいそうだ!
でも……
そろそろ覚悟を決めないとだよな。
六年……
お姉ちゃんと出会ってから、俺の人生は大きく変わった。
あの頃の小さな俺は、お姉ちゃんを守ると心に決めたんだ。
でも、子供の俺には大好きな人を守れる力が無くて……
今の俺は、お姉ちゃんを守れる大人になれたんだろうか?
いや、『なれた』んじゃない『なる』んだ。
例えどんなことがあったとしても、大好きな人を守ってみせる!
俺は、お姉ちゃんと身も心も一つになりたい!
「ユウ君、入るよ」
曇りガラスの扉の向こうから百合華の声がした。
「うわっ、早いよ」
ガラガラガラ――
悠が浴室で盛り上がっていると、百合華が水着姿で入ってきた。
「じゃじゃ~ん、ユウ君、どうかな?」
百合華が新しい水着だった。
しかも真っ赤なTバックビキニでセクシー過ぎる。
零れそうな巨乳が小さな面積の布で隠しきれずプルンプルンと揺れ、下は更に小さな布で太ももと下腹の
「何で水着が更に過激になってんだよ!」
「だってぇ、ユウ君に見て欲しくて」
「エロ過ぎるよ!」
もはやエッチな漫画に出てきそうなレベルだ。
「ふぅ~んだ、ユウ君が見てくれないなら、これ着てプール行っちゃおうかな?」
「ダメダメダメぇ~っ! そんなの絶対ダメ!」
いつもながら冗談で弟のヤキモチを引き出そうとする。
悠の独占欲を刺激する作戦だ。
まんまと罠にはまって、悠が百合華にすがりつく。
「じゃあ、ユウ君が見てっ!」
「わ、分かったから」
「ちゃんと見てっ! 褒めて褒めてぇ」
ドンッ!
座ったまま壁際まで追い込まれた。
上から両手で壁ドンされたような体勢になり、大きな胸が眼前に迫る。
プルンプルンッ――
大きくて柔らかくて丸く張りのある二つの膨らみが揺れている。
谷間どころか下乳も横乳も見えまくりだ。
「うう……す、凄い破壊力だ……」
「ちゃんと見てくれないと……」
「わ、分かった、ちゃんと見るから」
完全にエロ姉の手玉に取られている。
こんなエッチな水着を他の男に見せるはずもないのだが、完全にヤキモチを焼いてしまった悠は、百合華を自分だけの女にしたくて必死だ。
「どうかな?」
「凄い……綺麗だ……」
「ホント?」
「う、うん……世界一綺麗だよ」
「えへへっ、ありがと」
そう言うと、百合華が更に接近する。
ぷにっ――
「わぁぷっ」
悠の顔が柔らかな谷間に埋もれる。
まるで夢のような天国のような気持ちよさだ。
「んんっ…………ぷはっ……い、息が……」
ぷりんぷりんと至福の胸の海に埋まり、ちょっと息が苦しい。
「じゃあじゃあ、次は下も見て」
百合華がカラダの向きを変え、お尻を悠の顔に向けて迫る。
Tバックのセクシーな水着を穿いた、ぷるんっとしてスベスベでムチムチの尻が至近距離だ。
「うっわっ! だから何でケツが近いんだよ!」
「ふふっ、えい! えい!」
ドンッ!
逆向きのまま足で壁ドンする。
必殺の『逆位足ドン』だ!
いや、むしろ『尻ドン』かもしれない。
「やめろっ! 当たる、当たっちゃう!」
「ほぉら、ユウ君の好きなお尻だよぉ~」
「もう最悪だぁ~~~~」
やめろとか最悪とか言いながらも、大好きな姉のお尻が魅力的過ぎて、興奮が止まらない悠。
ただでさえ色々と昂ってしまっているのに、こんな攻撃されたら
ぷにっ!
「あっ」
カポ~ン――――
「…………」
「…………」
「あ、あのっ、ごめんね」
「う、うん……」
二人して真っ赤になってしまう。
ふざけて尻攻撃をしていた百合華だが、悠が一瞬力が抜けたのと百合華が滑った事で、ムチムチの美尻が悠の顔に命中してしまった。
尻と顔がピッタリとフィットしてしまい、お互い変な気持ちになってしまう。
うっ、うううぁああっ~~~~
お、お姉ちゃん……
そんなに俺を興奮させてどうするんだよ……
普段、下着姿でウロウロしているだけでもヤバいのに……
もう、本当に限界だよ……
「ユウ君……お姉ちゃんが洗ってあげるね」
黙ってしまった悠を心配したのか、百合華が優しくなって悠を洗い始める。
相変わらず手で洗う派の気持ち良いい姉の手つきに、ますます気持ちは昂ってしまう。
仲良く洗いっ子してから湯舟に入って抱き合った。
「んっ」
百合華がくちびるを突き出す。
キスを求める合図だ。
「お姉ちゃん……大好き……」
「んっ、ちゅっ……んあっ」
お湯の中で姉のカラダを強く抱きしめながらキスをする。
強烈に沸き上がる義理の姉への想いが溢れ止まらない。
今までと何かが違う、そんな感覚になった。
「んんっ、ちゅぱっ……れろっ、ああっん、ユウ君、激しっ……」
「ちゅっ……お姉ちゃん……んっ……」
夢中で百合華のくちびるを吸い続ける。
普段攻め攻めな百合華が圧されているほどに。
ほわぁぁぁぁ~ん――
予想外の強気な攻め攻め悠に、風呂上りの百合華がポワンっとしてしまっていた。
「はぁぁん、ユウ君ってば積極的」
「お姉ちゃんが悪いんだよ」
「ふふっ、もぉ~このこのぉ」
イチャイチャしながら百合華の部屋に連れ込まれる。
いつものように添い寝の時間だ。
「う~っと、今日はどれにしようかな?」
百合華がオシオキアイテムを選んでいる。
これだけ義弟を魅了し催淫し悩殺したのに、まだエッチにぐいぐい攻めようとしているようだ。
「お姉ちゃん!」
ぎゅぅぅぅ~っ!
「えっ、あれっ、ゆ、ユウ君……」
後ろからギュッと抱きしめられて
今夜も思いっ切り悠を攻めまくろうとしていたのに、不意を突かれキョトンとしてしまった。
「お姉ちゃん、俺……お姉ちゃんが欲しい。お姉ちゃんを彼女にしたい! 大好きだから! 世界一大好きだから! まだ俺は一人前といえないかもしれないけど、それでも俺はお姉ちゃんを一生守って行きたい! 永遠に一緒にいたいから!」
遂に悠が姉の全てを求めて告白した。
一度
一緒に過ごした六年間に膨らみ続けた百合華への愛情は、もう爆発しそうなほどに大きくなり限界を迎えていた。
マキの言葉や浴室でのイチャイチャが無くても、きっとそれは止まらなかっただろう。
「お姉ちゃん……俺は、お姉ちゃんと一つになりたい」
「えっ、あの……」
バサッ!
そのままベッドへ押し倒す。
風呂上がりで火照っているのか告白で赤くなっているのか、百合華の顔は耳まで真っ赤になっている。
ベッドに仰向けに寝て、上から肩を悠に押さえられた百合華が、急に緊張してヘタれてしまう。
ええええええ~っ!
どどどど、どうしよぉぉぉぉ~っ!
ユウ君、本気だ……
そ、それは私もしたいけどぉ……
急に言われてもぉ……
ユウ君ってば、不意討ちだよぉ……
そう、この女――――
見た目はサキュバスのように妖艶で、可視化できそうなほとフェロモンを出しまくり、エチエチでムチムチで超セクシーなのに、実は男性経験皆無なバキバキの処女だった。
昔から男を惹き付けまくる百合華は、男性の視線や言動を苦手としていた。
あの日あの時、幼い悠に運命の出会いをして一目惚れしてから、男は悠しか見ておらず、ひたすら悠だけを愛し続けてきたのだ。
はわぁぁ~ん……
初めてだけど大丈夫かな?
私の方がずっと年上だからリードしないとだよね。
失敗しちゃったらどうしよう……
エッチはネットで勉強しただけだしぃ……
い、いきなり変態プレイしちゃってドン引きされたらどうしよう……
もう止まれないほど想いが溢れる悠と、受け身に回るとよわよわになってしまう百合華が、遂に初めてを迎えようとしていた。
こんな調子で大丈夫なのか心配だが、時は全てを飲み込み進み続ける。
あの時運命の
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