第81話 溺愛悪魔嫁とカップル風呂
カップル風呂……
家族風呂とも呼ばれるその風呂は、大浴場に入るのが苦手だったり、お子さんと一緒に家族団らんで入ったり、夫婦やカップルが親密度を上げたりと、様々な使い方が可能なプライベート空間なのだ。
そして、カップルの中には盛り上がってエッチしてしまう者までいるという噂が――――
今、
「ほらほらぁ~全部脱いで」
「それはいいから! 自分で脱げるから!」
パンツを引っ張る姉と、それだけは死守したい弟の、負けられない戦いが繰り広げられているのだ。
「うふふ、ユウ君、もう観念しちゃって。お嫁さんが、ぜぇぇ~んぶ見てあげるからねっ!」
「だめだぁぁぁぁーっ!」
この二人――――
本気でやっているようでいて、ふざけているだけにも見える。
超攻撃力で超魅惑的だけど経験皆無で処女なドスケベ姉と、長年のオシオキで躾けられてしまった『好き好き大好きお姉ちゃん』な弟の、いつものイチャイチャな日常的コミュニケーションなのかもしれない。
「もうっ、そんなに恥ずかしがらなくても。今から裸でお風呂に入るんだからぁ」
余りにも恥ずかしがる悠に、パンツから手を放してくれる百合華。
攻めすぎはダメなのだ。
緩急付け飴と鞭を使い分け、徹底的に躾けながらも『お姉ちゃん大好き』にさせたいのだから。
「百合華ちゃんは先に入っててよ。俺は後から行くから」
「しょうがないなぁ、先に入ってるからすぐ来てよ」
当然のように、悠の目の前で服を脱ぎだす百合華。
「服を脱ぐなぁぁぁぁ~」
「ユウ君ったら、お風呂なんだから脱ぐのは当たり前でしょ」
今日の下着はスケスケ素材のセクシーランジェリーだった。
大事な部分は隠れているが、後ろはシースルーで黒い花柄レースの向こうにプリッとした尻が丸見えだ。
大人の色気を最大限に引き出していて、ただでさえ超魅惑的な百合華を更に色気倍増させている。
まるでレベルカンストキャラが、SSRかUR級の
当然、勝負下着だった。
「見える、見えてる! 透けてるから! スケスケだぁぁぁぁ!」
色々見えてしまいそうで、悠が顔を背けた。
「ほら、ちゃんと見て! 新しい下着なんだから」
わざわざ悠の顔の近くにまで迫って下着を見せようとする。
クネっとポーズを決めて尻を突き出すと、レース下着の向こうにお尻が丸見えだ。
「ほらほらぁ、ユウ君の好きなお尻だよぉ~」
「うっわぁ、やっぱり変態嫁過ぎる!」
後ずさりする悠の顔に尻を近づける。
そのまま壁際まで追い込み、悠の頭を掴んで自分の尻に持って行く。
「ほぉ~ら、お嫁さんのお尻にめり込んじゃうよぉ~」
「待て待て! ド変態百合華!」
「あっれぇ~そんな態度で良いのかなっ?」
セクシーランジェリーを穿いた姉の尻に顔を埋めそうになる悠。
もう絶体絶命だ。
ああっ……
お姉ちゃんのケツが……
このままケツに埋もれてしまえば楽になるのかな……
ケツ……
ケツといえば……
ケツァルコアトルが呪いの酒で暴走して妹とエッチしちゃったように、俺もお姉ちゃんと……
魅力的過ぎる百合華の尻で、悠は古代の空飛ぶ
訳が分からないが、それくらい魅力的な尻なのだ。
「ああっ、俺はこのままドスケベ百合華のケツに埋もれて窒息する運命なのか……」
悠は運命を受け入れそうになる。
抵抗を止めて姉のケツに任せた。
そのまま姉の尻と弟の顔が合体するのかと思いきや、急にストップして尻を離す百合華。
「あれあれぇ、ユウ君ってば、やっぱり……」
「ち、違うから! 早く風呂に行っててよ」
「ふふっ、ユウ君……可愛い」
そのまま部屋の奥に繋がっている露天風呂に入って行く百合華だが、実際はドキドキ胸の鼓動が激しくて、どうにかなってしまいそうなのだ。
エッチなイタズラのつもりでやっていたのだが、いざ悠がお尻に埋もれる運命を受け入れてしまうと、急激に恥ずかしさがこみ上げてきてしまう。
あのままエスカレートしていたら、とんでもない行為に及んでいたかもしれない。
ガラガラガラ――――
少し遅れて悠が露天風呂に入った。
外の景色が一望する露天風呂で、遠く街の灯りや風景が美しい。
隣とは壁で隔てられ、夜空や景色を眺めながら貸し切りで二人の時間を満喫出来る。
「おおっ、綺麗な夜景だね」
「でしょ」
ロマンティックな雰囲気と二人っきりの旅行、大好きな相手とラブラブな時間。
新婚さんプレイの二人が、本当に新婚さんのような気分になった。
「ユウ君、タオル取れば良いのに」
「取らないよ!」
ニマニマとエッチな顔をした百合華が、悠の腰に巻いたタオルを引っ張ろうとする。
「百合華ちゃんって、何でそんなにエッチなんだよ」
「ち、違うから! 元々はエッチじゃないんだよ。ユウ君がいけないんだから」
「何で俺が?」
モジモジと恥ずかしそうにしながら百合華が話し出す。
「出会った時からユウ君が凄く好みで……ユウ君を見てると、こう胸の奥がキュ~ッと苦しくなって、ドキドキとムラムラが止まらなくなっちゃうの。それで、私が実の母親から責められた時も守ってくれて、新歓コンパでしつこい先輩から狙われていた時も助けに来てくれて、チカンやナンパからも守ってくれた。そんな健気で一生懸命に私を守ってくれるユウ君を、もうたまらなく大好きになっちゃったんだから」
「お姉……百合華ちゃん」
「それでね、私ずっと我慢してたんだから。アウトになっちゃわないように、小さなユウ君には手を出さないで、大きくなるまで待とうって。ずっと、ずぅ~っと我慢してたんだから」
百合華が逆光源氏計画を思い出す。
いくら弟になった好きな男子でも、即手を出せばポリスメン案件だ。
「えっと……何か色々されてたような?」
「あれでも我慢してたのっ! ちょっとくらいのスキンシップは良いでしょ! こんなにずっと我慢してたんだから」
悠への想いが止まらない百合華。
もう大好き過ぎておかしくなりそうなのだ。
「ユウ君……来てっ」
吸い寄せられるように百合華に近付く悠。
そのまま湯舟に浸かっている百合華と、床にいる悠が浴槽を挟んだままキスをした。
「んっ、ちゅっ……」
まだまだキスし足りない顔の百合華だが、このままだとエスカレートしそうで悠が離れる。
「もぉ~ユウ君のイジワルぅ~」
「先に体を洗おうかと思って」
「じゃあ、お嫁さんの私が洗ってあげるね」
ザバァッ――
すっぽんぽんの百合華が湯船から上がり、サッっと顔を背ける悠。
「ほらほらぁ、お嫁さんが全部やってあげるって言ったでしょ」
背中にピッタリくっついて耳元で囁く。
「うぐっ……す、凄い……」
まだ何もしていないのに悠が限界になりそうになる。
背中に感じる姉の体温と、色っぽくて脳にまで官能的に響く声。
それだけで凄まじい破壊力だ。
シャンプーを泡立てて、優しく地肌をマッサージしてくれる。
まるで天国のような心地よさだ。
優しくて過保護で至れり尽くせりなお嫁さん。
普段は女王然としているわりに、結婚したら意外と尽くす嫁なのかもしれない。
「うわぁ……気持ち良い……最高だぁ」
「うふふっ、気持ち良いですか、旦那さま?」
「最高だよ」
悠が夢見心地だ。
「百合華ちゃんと結婚する人は幸せだね」
「でしょでしょぉ~ 私と結婚する人は、世界に唯一人だけなんだけどね」
百合華が顔を寄せて悠を見つめる。
世界で唯一人の相手だと主張するように。
「百合華ちゃん……」
「ユウ君……」
「んっ……ちゅっ」
何千回目なのか何万回目なのか、数えられないくらいしてきたキスをする。
日常的にキスをする欧米は知らないが、日本でキス回数選手権をしたら、こんなにキスしまくってる二人が優勝かもしれない。
「はぁい、次はカラダを洗いましょうねぇ~」
ボディシャンプーを泡立て自分のカラダに塗ってから密着する。
相変わらずエロ姉は、エロ嫁になっても手やカラダで洗うつもりなのだ。
「はぁぁ~これはヤバいって……」
一緒に入浴する時は毎回この洗い方なのだが、何度やっても慣れるものではない。
余りの気持ちよさと興奮で気が遠くなりそうになる。
悠の腕を取るとカラダで包み込むようにして洗ってゆく。
指の一本一本も丁寧に優しく。
恋人つなぎのように指を絡めてクチュクチュと丹念に。
抱きついたまま両手を前に回し、胸板とお腹をスリスリと滑らせる。
もう、お嫁さんにされるがままだ。
「じゃあ下の方も……」
「し、下は良いから!」
「ユウ君、私に任せて」
「で、でも……アウトだよ」
「大丈夫、あそこは触らないから」
「なら、良いけど……」
あくまで体を洗うだけでアウトなことはしないと約束する。
安心したのも束の間、セーフなはずなのに超絶エチエチな攻撃に悲鳴をあげる悠。
「うわぁっ! ちょっと待って! ダメだって!」
「ダメじゃないよぉ~」
「でも……」
「触ってないからセーフでしょ?」
「せ、セーフだけど……」
確かに触っていない。
カラダを洗っているだけでセーフなはずなのに、とにかく百合華の洗い方がエチエチなのだ。
手だけでなく腕全体を使ってダイナミックに足の付け根まで洗われる。
直接触ってはいないのだが、際どい場所まで手が滑り込んできて、
逃げようにも片方の腕でガッチリ抱きついて離さない。
両足を悠の脚に絡ませて開かせる。
完全に無防備状態にさせたままグイグイと洗ってゆく。
優しく頭を洗っていた時とは正反対に、下半身を洗う時だけ激しいのだ。
「ちょっと、もういいから!」
「ふふっ、まだまだだよ」
「もう許してぇぇぇぇ~」
「ダメ! 許さない!」
最高にエッチな顔になった百合華が、悠の顔を覗き込みニヤニヤと笑う。
「プールで私のお尻ペンペンした悪い子のユウ君にはキッツいオシオキだって言ったでしょ」
やっぱり許されていなかった。
優しくて過保護なお嫁さんから、ドスケベな悪魔嫁になった百合華の、超破壊力の攻撃が炸裂する。
天使と悪魔の両方の顔を持つ地上最強のお嫁さんだ。
「もう限界だから!」
「もっともっとしちゃうからねぇ~」
「む、ムリぃぃぃぃ~」
「ユウ君、まだこんなんで音を上げてたら、これからもっと凄いオシオキで朝まで持たないよ」
悠は改めて知った。
地上最強の姉の凄さを。
プールでペチペチ攻めまくって勝った気になっていたのは間違いだと。
「ユウ君、大好き……」
姉の愛の囁きを、悠は気が遠くなりそうな感覚の中で聞いていた。
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