第59話 暴走し過ぎて限度を知らないエッチなお姉ちゃん

 トイレから戻った百合華は、完全に復活し凛々しく輝いて見えた。

 余りの美しさに悠が見惚れてしまうほどだ。

 さっきのドスケベ姉といい今の高貴姉といい、色々な表情に変化する姉は見ていても飽きないだろう。


「ユウ君、あんまりエッチなのはダメだよ」


 自分はエッチなことばかりしているのに、弟の反撃は禁止してしまう百合華だった。

 悠に簡単に堕とされては、姉の威厳とやらが気になるのだろう。


「いや、エッチなのはお姉ちゃんの方では……」

「私は良いの。姉ですから」

「横暴すぎるよ。このエロ姉」

「と、とにかく、これは姉裁判による姉刑なんだから、ユウ君はお姉ちゃんに絶対服従なの!」


 文句を言いながら悠に抱きつきスリスリする。

 もう一日中くっついていたいかのように。


「ほらっ、ちょっと早いけど一緒に寝るよ」

「おい、まさか……」

「ちゃんとユウ君の水着も用意してあるからねっ」

「マジか…………」


 抱きついたまま部屋に連行される。




「はい、これユウ君の」


 百合華に手渡された水着は、水泳用のピチピチのタイプだった。

 これでは体の変化は隠しようもない。


「ちょっと待て! さすがにこれはちょっと……せめて海用のハーフパンツタイプのにしようよ」


 小っちゃな水着に戸惑った悠が百合華の方を見ると、もう我慢出来ないとばかりに着替えに入っていた。


「うわぁっ! もう脱いでるし」


 やっぱり悠に見せつけるように服を脱ぎだす百合華。

 恥ずかしがる悠の反応を楽しんでいるようだ。


「ユウ君も早く着替えてよ」

「ううっ……もう、それしかないのか。こっち見るなよ」

「お姉ちゃんは、あっち向いてるね……と、言いつつチラッ」

「だから見るなって!」


 じっくり着替えを見られた。

 わざと面白がって覗き込んでくるエロ姉なのだ。



「ゆゆゆ、ユウ君……それ、アウトだよぉ……」

「しょうがないだろ。選んだのおねえちゃんだし」


 やはりピチピチの水着では体のラインは隠せない。

 もう大変なことになっていた。


「お姉ちゃんの水着がエロ過ぎるのが原因なのに……」


 百合華の水着は、一緒にお風呂に入る時に使っている際どいビキニだ。

 布面積が少なくローライズされていて、トップスからは横乳や下乳が見えまくり、ボトムスからは下腹が完全に露出し尻に食い込んていてムチムチのケツも丸見えだ。


「ほら、早くお布団に入るよ」

 もうサキュバスそのものになった百合華が、悠を引っ張ってベッドに直行だ。


「くぅ~ 凄い魅力で逆らえないぜ……」

「ユウ君、それ褒めてくれてるの?」

「お姉ちゃんは、世界一美人で可愛くて魅力的だよ」

「あ、ありがとう……」


 色々と限界で本音が漏れ漏れな悠に、百合華が嬉しくてフニャフニャになる。


「も、もぅ、ユウ君ってばぁ、このこのぉ~」

「うわぁ、その恰好で抱きつくなぁ~」

「だってぇ、ユウ君が嬉しいこと言ってくれるからぁ」


 水着姿の百合華に抱きつかれ、きめ細やかなスベスベの肌が密着し、一気に感情が昂り昇天してしまいそうになる。


「で、でも……その水着、何処で着たんだよ」

「ん? 何のコト?」

「そんな露出度の高い水着で海に行ったら、他の男達に見られちゃうだろ」

「ふへっ、もしかしてぇ~ ユウ君ってば妬いてる?」

「ううっ……」

「ほれほれ~ 正直に言ってみ?」


 百合華がふざけて悠の頬をツンツンする。


「ううっ、妬いてるよ! お姉ちゃんの裸を他の男に見られるのなんてイヤだから! そんなエッチな水着で海に行ったら、男達にジロジロ見られちゃうだろ! お姉ちゃんは、俺だけのお姉ちゃんなのに!」


 悠が独占欲でいっぱいになる。

 林間学校の時にサイズの小さいジャージを着て胸が強調されていただけでも嫌なのに、こんなエッチなビキニで海やプールに行き他の男にエロい目で見られているかと思うと、もう嫉妬や独占欲が爆発して居ても立っても居られない気持ちになってしまうのだ。

 自分だけの百合華にしたいのだ。


「そうなんだぁ、ユウ君ってば妬いてるんだぁ」

「ううっ……」

「この水着でプールに行った時はぁ」

「わぁあ、聞きたくない聞きたくない!」


 悠が耳を塞ごうとするが、百合華が手を掴んでそうはさせない。

 わざと悠を嫉妬させるように、耳元に顔を寄せて色っぽい声で囁く。


「プールから出る時にタラップを上ると、水着がお尻に食い込んじゃって……いつの間にか後ろに大勢の男性がいて、ジロジロお尻を見られて……」


「やめろぉぉぉぉ!」

「お姉ちゃんのイヤラシイ水着姿を、カシャカシャと写真撮られちゃって。皆の夜のオカズにされて――」

「うわぁぁぁぁ! 俺のお姉ちゃんがぁぁぁぁ!」


 百合華の尻や胸が他の男にジロジロ見られ、更にエロい事に使われているのを想像して、悠が嫉妬でジタバタする。

 唐突にライトNTR展開のような話をされてショックを受けてしまう。


「な~んちゃって」

「は?」

「嘘に決まってるでしょ」

「はあぁぁぁぁ?」

「このビキニはユウ君専用だよ。ユウ君に見せる為に買ったの」

「それって……」

「ふふっ、『俺のお姉ちゃんがぁぁぁぁ!』って、ユウ君、お姉ちゃん好き過ぎでしょ」

「くっそ……騙された……」


 実は、百合華は悠を興奮させて我慢の限界にさせ手を出させる為に、わざと露出度の高いアメリカ西海岸や南米が似合いそうなセクシーなビキニを買ったのだ。

 こんなエッチ過ぎる水着を外で着たことは無い。


「だって、普通の水着でもジロジロみられちゃうのに、こんなの着て海やプールなんか行けるわけないでしょ。前にマキと一緒にプールに行った時なんて、ワンピースだったのにずっとジロジロ見られて、次々と数え切れないほどナンパされて大変だったんだから」


「もうっ、本気で心配しただろ! 変な冗談やめてよ!」

「うふふっ、ユウ君が嫉妬してるのが面白くて」

「まったく……困った姉だな」

「でもでもぉ、ユウ君がコレ着てプールに行こうって言うのならぁ、恥ずかしいけど着ちゃおうかな? もぉ、ユウ君ってば羞恥プレイも好きなんだからぁ~」

「絶対ダメっ!」


 ま、まったくこの姉は……

 恥ずかしがり屋なのに恥ずかしいのが好きみたいなんだよな……

 変態かっ!

 でも……

 他の男には見せたくないけど、お姉ちゃんと海やプールには言ってみたいな。

 こんなヒモみたいな水着じゃダメだけど。


「ううぅん、ユウ君」


 さわさわさわ――――


「ちょっと、どこ触ってんだよ!」

 悠が百合華の手を止める。


「えっ、ぐ、偶然……」

「そんなワケあるか」

「ち、違うよ。ユウ君の体が成長してるかチェックしたんだよ。エッチじゃなくて身体検査なんだよ」

「さっきと言ってること違うし」

「ふふっ、ユウ君ってば大人なんだからぁ」

「くっそ……やっぱりエロ目的だ」


 悠が後ろを向いてしまう。


「もう寝るから」

「ダメっ! 今夜は寝かさないよ」


 ぴとっ!

 後ろから肌を密着させて抱きつく。


「ううっ、凄い……」


 お互いに布面積の少ない水着を着ていて、肌と肌がモロに密着してしまう。

 吸い付くようなしっとりスベスベの百合華の肌が、まるでサキュバスの魔力のように悠に絡みついてくる。

 魔性のようなムチムチの肌が絡みつくのと同時に、脳に直接攻撃で魅了と催淫をかけられているような感覚だ。

 もはや天性の素質のような百合華の攻撃に、悠は防戦一方になってしまう。


「ユウ君、こっち向いてよ」

「つーん……」

「へぇ、ユウ君がそういう態度ならぁ……ちゅっ、ぺろっ、ちろちろっ」

「うわぁっ!」


 すかさず百合華のキスやペロペロが悠の首筋に入る。

 赤い舌を出した百合華が、ちろちろと首筋や耳の後ろを舐め回す。


「はぁっ、んんっん、次は何処にキスしちゃおっかなぁ~」


 そう言いながら、百合華の舌が首から背中へと下りてくる。

 悠の背中を味合うように。


「わぁぁぁぁっ、分かった、分かったから」

 観念して悠が百合華の方を向いた。


「もうっ、最初からそうすれば良いのに」

「くぅ、もう逆らえない……」

「だから最初から絶対服従だって言ってるのに」


 向き合った二人が全身で抱き合う。

 肌と肌を合わせ、胸が、腹が、脚が、全てが最大限密着するように。

 百合華のしっとりスベスベで吸い付くようなな肌が悠の肌に溶け込むように、二人の境界線が曖昧になるように。

 心も体も蕩けてしまうのでないかと思えるほど。


 ※ハグしているだけです。セーフです。


 凄い……

 もう、おかしくなってしまいそうだ……

 お姉ちゃん……

 とても優しくて美人で可愛くて……

 でも、たまに本当の淫魔サキュバスのようにエロくて……

 もう逆らえない……

 だ、ダメだ!

 気を強く持たないと!

 このまま流されちゃダメだ!


 昇天しそうな悠が、再び催淫されたカラダに鞭打つ。

 気合で我慢しようとする。

 しかし、百合華の魔性はこんなものではなかった。

 ここからが本当の悪魔のような調教なのだ。



「ユウ君、他の子が触ったところってココだよね?」

「えっ?」

「全部キスで消毒しないと。私が上書きしてあげるね」

「は? はあぁぁ?」


 百合華が悠のカラダにキスをしまくる。

 同級生女子達が触った場所全てに。


「ちゅっ、ちゅっ、はむっ、んんっ、ちゅぱっ……ふふっ、ユウ君が悪いんだよ。他の子とイチャイチャするから」


「ううっ、そんなに……ダメだって」

 キスされまくって悠がピクピクする。


「ほら、ユウ君、ちゃんと言って。お姉ちゃんだいしゅきなんでしょ?」


「お、俺が好きなのはお姉ちゃんだけだよ」

「うんうん」

「お姉ちゃんが大好きだから」

「はぁぁっ、ユウ君、よくできました。私も大大大好きだよ」

「くぅ~~~~」

「良い子のユウ君に、ご褒美あげるね」


 百合華が悠の顔を覗き込み、熱烈的なディープキスをする。

 もう全身全霊を懸けたような。


「むちゅ、ちゅっ、ちゅぱっ……んっ」

「も、もうダメ……」

「ユウ君……まだまだ全然足りないよぉ~ もう一度最初からね」

「は? はぁぁぁぁぁぁぁーっ?!」


 再び百合華が悠の全身にキスやペロペロと舌を這わす。

 腕や足を絡め、ぎゅうぎゅうと強く抱きしめながら。

 他の女に大好きな悠を触られた嫉妬は、まだまだこんなものでは許されないらしい。


「ほら、ちゃんと言って!」

「お、お姉ちゃん大好き!」

「はい、よくできましたぁ~」


 再びご褒美キスを貰う。


「じゃあ、もう一度最初からね」

「ちょ待て! いつまでやるんだよ!」

「朝までだよ」

「は、ははっ……マジか……」


 この夜、悠は悪魔姉となった百合華に、徹底的に執拗に躾けられてしまった。

 もう他の女に目移りしないように、骨の髄まで魂の根幹まで調教されるように。

 こんな悪魔のような姉なのに、何度も繰り返し躾けられ、更に大好きにさせられてしまう悠なのだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る