第24話 自称同級生お姉ちゃんのオシオキプレイ

 本来は清楚で規律正しいはずの制服が、百合華の魅惑的なボディでたまらなくエロティックだ。

 同級生の女子とは比べ物にならない魅力で、悠は姉を直視できないほどに動揺していた。


 セーラー服姿の百合華に密着され、柔らかい膨らみを感じ心地良い良い匂いがして、もうそれだけで陥落寸前になってしまう。


(ううっ……お姉ちゃん……大好き過ぎるよ……。このまま思い切り抱きしめて、胸に顔を埋めて匂いを吸い込んで、カラダ中にキスしまくりたい!)


 悠が陥落寸前なのを気付いていないのか、百合華は全く攻撃の手を緩める気は無いらしい。

 というか、当初の弟を誘惑して向こうから手を出させる作戦のことなどすっかり忘れ、今はただ大好きな弟君とイチャイチャしたくて興奮状態になっていた。

 ずっと二十四時間くっついていたい気持ちなのだ。



「ねえ、ユウ君。どんなオシオキが良い?」


 悠にオシオキの内容を選ばせてくれるらしい。

 とびきりエッチなのでも、喜んでしてくれそうだ。


「そんなのダメだよ……」

「ええ~っ、オシオキしようよぉ~ちゅっ」


 不意にキスをする。

 悠は意表を突かれ、カラダをピクッと震わせた。


「えへへ~ユウ君ってば、ピクピクしてるよ」


 百合華は調子に乗ってキスしまくる。キスをする度に、悠が反応してくれるのが嬉しくてたまらないのだ。



「ちゅっ、ちゅっ、うふふっ、可愛いっ! ちゅっちゅっ!」


 少しくちびるに近い場所や耳の側など、際どいラインを攻めてくる。

 悠は、姉のキスを受ける度に、心も体も姉の色に染められて行く。

 陥落寸前だったはずなのに、更にズンズンと侵食され堕とされて行くようだ。


(ああっ……お姉ちゃんのキスが気持ち良すぎる……。何度限界だと思っても、更に限界を超えて攻めてくるなんて……。もう、こんなの戻れないよ……お姉ちゃん無しの生活なんて考えられないよ……)


「ねえ、ユウ君……くちびるにもキスして良い?」


 遂に百合華が、悠のファーストキスを狙いにきた。

 もうムラムラが止まらず、思いっ切り口にしたくてたまらないのだ。舌を入れたり絡ませたりと、大人のキスを堪能したいのだろう。


「だ、だ、ダメに決まってるだろ」

「ええーっ! 良いじゃん。ケチ」

「ダメだって。そういうのは、ちゃんと付き合っている恋人同士がするもんだろ……」


 悠もしたくてたまらないのだ。

 でも、ちゃんと告白して恋人になってからだと思っていた。


「じゃあじゃあ、くちびる以外なら良いの? くちびるにキスするのと、くちびる以外ならどっち?」

「そりゃ、くちびる以外に……」


 にまぁ――――


 悠は百合華の術中にはまった。

 人は、最初に大きめの要求をして断られてから、次にもう少し低めの要求をすれば、何となく譲歩したと思い込んで受け入れてしまうものなのだ。

 しかし、よくよく考えてみると、どんでもない要求だったりするパターンである。


 百合華流風林火山――

 知り難きこと賢者姉の如くなのだ。



「えっ? あれ?」


 悠の頭の中に『?』が浮かんでいるが、時すでに遅し。エロ姉に、頬以外へのキスも許してしまったのだ。

 もう色んなところにキスされまくる運命である。


「うぅ~ん、ユウ君~ちゅっ、ちゅちゅっ……ちゅぱっ」

「うわっ、くうっ……」


 悠の耳にキスの嵐が襲い掛かる。

 敏感な耳の周辺や耳たぶにキスして、たまに耳の穴に舌が侵入する。


「ちょっと、やり過ぎだって!」

「ええ~ユウ君が良いって言ったじゃん」


 勢い余った百合華のキスが、首筋にまで攻めてきた。

 百合華が大好きな悠としては、それだけで凄まじい快感となりビクビクと痙攣してしまうのだ。


 百合華も興奮が抑えられず、両手にギュッと力を入れ強く悠を抱きしめた。


「ねえ、希望のオシオキは決まった?」


 耳元で甘くささやかれる。


「くぅ~~~~~~」


 もうオシオキどころではなく、キスがオシオキのようになってしまっていた。


 キスだけで、こんな幸せな気分にとろけさせるのは、テクニック云々うんぬんより、お互いを大好きという感情によるところが大きいだろう。

 もう大好きな感情が暴走して、何をしても気持ちよくなってしまうのだ。


「お、お姉ちゃん……」

「ユウ君、今の私はお姉ちゃんじゃなくて、同級生の百合華ちゃんだよ」

「ぐっ……こんなセクシーな同級生はいねぇ~」

「ちゃんと百合華ちゃんって言って」

「ダメだって」

「もうっ、私がオシオキを勝手に選んじゃうから」


 お姉ちゃん改め百合華ちゃんが、オシオキ内容を選んでくれるようだ。

 もう、あまりキツいのにならないように祈るばかりだろう。


「う~んっと、じゃあじゃあ、お腹にキスで……」

「は?」

「はい、ユウ君のお腹に、いぃぃぃ~っぱいキスしましょうね~」


 もうオシオキではなく、自分がキスしたいだけのようだ。


「マニアック過ぎるだろ! ダメだって」

「大丈夫だって~痛くしないからぁ~」

「意味分かんねえぇぇーっ!」

「ユウ君、あんまり騒ぐとバレちゃうよ」

「んん~~~~っ」


 おやくそくのような悠の反応に、百合華のハートがキュンキュンしてしまう。


(ゆゆゆゆゆ、ユウ君! その表情が良過ぎるよ! そんな誘うような反応されると、お姉ちゃん我慢できなくなっちゃうよ~)


 口を押えて声が漏れないように我慢する悠の姿に、もうテンション爆上げの百合華が迫る。

 その姿は、まさに暴走淫魔女王サキュバスロードのようだ。捕食される悠は、極限まで精気を吸い尽くされてしまうだろう。


 ペラッ――


 百合華が悠のシャツをめくる。

 無防備なお腹が晒され、エッチな顔をした姉のくちびるが下りてくる。


 ドキドキドキドキドキドキドキドキ――――


「ちゅっ」


 百合華の綺麗なくちびるが、悠の腹に当たった。

 まるで電流が突き抜けたような快感が走り、悠のカラダがビクッと跳ねる。


「んんん~~~っ」


 声を上げそうになるのを堪え、昇天しそうになるのを我慢した。

 そもそも悠の下半身には百合華が乗っている為に、跳ねても動くことはできない。


(お姉ちゃん……もう、ダメかもしれない……。ここまで頑張って耐えてきたけど、もう限界かも……このまま……)


 ちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっ、ぺろぺろ、ちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっ、ぺろぺろ、ちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっ、ぺろぺろ、ちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっ――――


 悠が限界を迎えようとしているのを知ってか知らずか、百合華がキスの超高速連打を始める。

 途中に、こっそり『ペロペロ』を入れるコンボまでかまして。

 プロゲーマーも真っ青の、超高等テクニック高速コンボのようだ。


 悠が限界なのに更に追い打ちをかける鬼畜プレイなのだが、百合華本人に悪意は無く愛ゆえの暴走なので許して欲しいところである。


「ぐっはぁぁぁぁ~」

「ユウ君、ユウ君、ユウ君、ユウ君、ちゅっちゅっちゅっちゅっ」


(もうダメだぁぁぁぁーっ!)


 キスの連打で徹底的に蕩けさせられ、下半身の上には百合華の大きく柔らかな膨らみが乗せられている。もはや、悠は異世界転生して十万億土から三千世界へと旅立ちそうなくらいだ。


 百合華の手が悠のズボンに掛かる。

 そのまま引き下げようとして、グッと堪えて手が止まった。


(ユウ君……したい……このまま最後まで……でも……)


 百合華は悠から離れると、そっとシャツを直して整えてあげた。


「はい、オシオキは終了だよ」


 百合華の顔は、いつもの優しい笑顔になっている。


 実のところ、顔は笑顔だが心の中では我慢でいっぱいいっぱいだった。

 悠のことを大好きで大切に想っているからこそ、最後の一線は自分から手を出してはいけないと思っていた。

 暴走しているようでいて理性は残っているのだ。


「お姉ちゃん……」

「だ、ダメだよ。エッチなコトしちゃ! ポリスメンにタイホされちゃうよ」


 エッチなことをしていたのは自分なのに、悠にはエッチ禁止みたいに言い付ける。

 ついでに悠の黒歴史のポリスメンまで持ち出して。


「ポ、ポリスメンはやめてくれ。あれは黒歴史なんだ……」

「ええ~っ、カッコいいじゃん。ポリスメン」

「ぐはっ……」


 ポリスメンはどうでもいいのだが、とびきりエッチな雰囲気になったままだ。二人とも気まずい空気で並んでベッドに腰かけた。

 どちらも『おあずけ』状態でムラムラが止まらない。


 その時、階段の方から母親の声が響いてきた。


「百合華~先にお風呂入っちゃって」


「は、はーい!」


 百合華がドア越しに答える。


「じゃ、じゃあ、私はお風呂に行ってくるね」

「う、うん……俺は部屋に戻るから」


 限界寸前の悠は、部屋に戻って色々とやるコトがあるのだ。

 自主規制なのだ。


「あっ、ええっ、あれっ?」


 悠が部屋を出ようとすると、後ろで百合華がモゾモゾしながら何かつぶやいている。


「どうしたの?」

「ユウくぅぅ~ん、服がキツくて脱げないの。手伝ってぇぇぇ~」

「………………」


 悠が振り向くと、そこにはバンザイしたような恰好のままピチピチの制服に拘束され動けなくなっているエロ姉がいた。

 下着や腋が丸見えでエッチ過ぎる光景だ。


「お姉ちゃん……バカなの?」

「ひっどぉ~い! ユウ君、助けてよぉ~」


 ただでさえ限界な悠は、エロ過ぎる姉の痴態を見ながら服を脱がす羽目になってしまう。


 さりげなく姉の可愛い下着や綺麗な腋を見ながら、たまに匂いを嗅いでしまったりしながら、キツキツのセーラー服を脱がしてゆく。

 ちょっとご褒美みたいだ。


(ふっ、こんなおバカなお姉ちゃんも大好きだぜ!)


 おバカな姉もいつまでも見ていたいような、早く部屋に戻って自主規制したいような、おかずが増えてしまって嬉しいのか困ったのか複雑な心境の悠だった。


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