第7話 もう止まらない、寝ても覚めてもイチャイチャしまくり!

 五日間の旅行を終えた両親が帰って来た。


 何やら少しアロハチックな感じに踊りだしそうな二人は、お土産のアロハシャツやチョコレートをテーブルに並べている。

 秋も深まり寒くなってきたのに、アロハシャツを何処で着るのだろうと若干疑問なところだ。



 終始ご機嫌な幹也が、百合華に向かって質問する。


「百合華、家の方は大丈夫だったか?」


「何も問題無いよ。私がバッチリとユウ君の面倒は見てるし、ユウ君もしっかりした良い子だし」


 百合華は、実母が来た件は伝えず、ちゃんと二人で留守番したと答えた。

 その責任感に満ちた姿に、絵美子は感心した。


「本当に百合華さんがいてくれて良かったわ。悠の面倒まで見てくれてありがとう」


「い、いえ、たいしたことはしてませんから」


 絵美子に感謝され、少しだけエッチな気持ちになっていたのを後ろめたく思ってしまう百合華だ。


(せ、セーフだよね。ちょっと、お風呂やベッドでイチャイチャしちゃったけど、一線は超えてないからセーフだよね。ダイジョウブ、ダイジョウブ……)


 ※割とアウトです。




 話が落ち着いたところで、食卓を囲んで新しい家族が揃って食事をとることになる。


 悠にとっても百合華にとっても、家族そろっての一家団欒だんらんは新鮮であった。

 悠は長く母子家庭で淋しく一人での食事が多かったし、百合華も問題のある母親で家庭内は落ち着ける場所ではなかったから。


 二人共、親の再婚で不安や悩みを抱えていたが、お互いの親が穏やかそうな人で安心していた。

 特に、連れ子がドストライクな好みの異性で、悠も百合華もドッキドキで刺激的な毎日なのだ。



 悠は思う――


(良かった……お姉ちゃんの親が優しそうな人で……。怖いオジサンだったらどうしようかと思ってたけど、この人なら安心して暮らせそうかな。よく、テレビで児童虐待のニュースを見るからな……。でも……)


 悠の脳裏に、ふと先日の件が浮かんだ。


(お姉ちゃんの母親は怖そうな人だった……。今度来たら、俺がお姉ちゃんを守らないと! 早く大きくなりたい。大きくなって、お姉ちゃんを守れる男になりたい!)


 姉を守れる男になると誓う悠だが、百合華も悠のことを想っていた。


(良かったぁ~ユウ君の親が良い人そうで……。再婚相手まで毒親だったらどうしようかと思ってたけど、この人なら安心して暮らせそうかな。でも……ユウ君は、いつ見ても可愛いなぁ~もう、食べちゃいたいくらい。って、ちょっと待って!)


 百合華の脳裏に、エッチな妄想が浮かんだ。


(大きくなるまで待たないと! ユウ君の口癖みたいに、ポリスメンに逮捕されちゃうぜ! 逆光源氏計画なんじゃぁぁぁ~っ!)


 悠は意外と真面目に考えているが、百合華は好き好き大好き弟君だった。




 ふいに、並んで座る百合華の左手が、悠の太ももをナデナデし始める。

 百合華の『ユウ君を可愛がりたいゲージ』がマックスになってしまったようだ。

 ナデナデしている百合華の綺麗な指が、繊細なタッチでコチョコチョと内ももを刺激し、たまにスルッと太ももの付け根辺りに入ってくる。


(うぁぁぁぁーっ! 何してるんだ、このエロ姉はぁぁぁぁーっ! 親の前なのにぃぃぃぃーっ!)


 テーブルの下で繰り広げられる、エロ姉のイチャイチャ攻撃に、悠は快感と羞恥心とで顔を赤くしてピクピク震えてしまう。


「あら? 悠、どうしたの? 顔が赤いみたいだけど」


 息子の様子がおかしいことに、絵美子が気付いた。


「な、何でもない、何でもないから」


 そう答えながらも、悠はテーブルの下で荒ぶるエロ姉の手に、くすぐったいやら気持ち良いやら恥ずかしいやらで、ピクピク反応しまくってしまう。


 その反応が、更に百合華を興奮させてしまうのだが。


「ユウ君、お熱かな?」


 左手は尚も太ももをくすぐりながら、右手を悠の額に当てて熱を測る百合華。もう、イタズラ心全開だ。


「熱は無いみたい。あれあれ~もしかして、お姉ちゃんと一緒で恥ずかしいのかな?」

「ち、違うし! そんなんじゃねーし!」

「あははっ、ごめんごめん」


 傍から見たら微笑ましい姉弟のようになり、幹也も絵美子も笑みを浮かべた。


「何だ、もう二人は仲良くなったのか。安心したよ」

「良かったわね、悠。優しいお姉ちゃんができて」


 仲睦まじい二人を見て、両親も安心する。

 こうして、ちょっとだけ隠れてイチャイチャしながらも、新しい家族の団欒だんらんは過ぎて行くのだった。



 ◆ ◇ ◆



 食事も終わり自室に戻った悠のところに、興奮冷めやらぬ百合華が突撃するのは自然な流れだったりする。

 もう、義弟とイチャイチャするのが楽しくて仕方ないといった感じに。


「ユウ君~ さっきは面白かったね」

「もう、イタズラばっかりして! 親の前ではやめろよな!」

「うふっ、ごめんねぇ。でもでもぉ、ユウ君が可愛すぎるのがいけないんだよ~」


 親の前とは全く違う姉の態度に、悠がプンスカ怒ってしまう。


「じゃあ、ユウ君もお姉ちゃんをくすぐって良いよ」


 そういって、百合華は体を突き出した。


「っ~~~~~~」

「ほらっ、ほらっ、触っても良いよ~」

「ううっ~や、やめろぉぉーっ!」


 目の前に柔らかそうな体を突き出され、目のやり場に困った悠が狼狽うろたえる。

 ぷるんぷるんと揺れまくる体が、まるでサキュバスのような悪魔に見えてしまうのだ。


「くぅ~ダメだぁ~悪魔の囁きに耳を傾けてはいけないぃぃ!」

「誰が悪魔よ!」


 エロ姉改め悪魔姉になった百合華が、悠を捕まえて抱きしめる。


「ほらぁ、そんなコトを言うユウ君は、こうしちゃうからねっ!」


 ぎゅうぎゅう抱きしめられて、色々と柔らかなところが当たりまくる。

 もう、柔らかくて温かくて良い匂いがして、悪魔なのか天使なのか分からなくなってしまう。


「やめっ、やめろぉーっ! そ、そんなこと、男子にしてると誤解されちゃうぞ」

「大丈夫だよぉ~こんなことはユウ君にしかしないから」


(そ、それ、どういう意味だよ……。俺が誤解しちゃうだろ……。まったく、このエロ姉は……スキンシップが激し過ぎだよ。こんなの我慢できなくなっちゃうよ)


 出会った時から憧れと仄かな恋心を抱いていた悠には刺激が強過ぎのようだ。



 思う存分イチャイチャしまくって、やっと悠は百合華から解放された。色々とHPを削られて、ヘロヘロになってしまったが。


「ううっ、とんでもない姉ができてしまった……」

「こんなの姉弟なら普通だよ。プロレスごっことかするよね?」

「しねーよ! そんなの聞いたことないけど」


 世間の姉弟がプロレスごっこをするかどうかは分からないが、百合華のような色々と攻撃力の高いボディの姉に密着されたら、弟としてはたまったものではない。


 そんな義弟の気持ちを知ってか知らずか、百合華はイタズラな顔をして寝そべった。


「ねえっ、肩こっちゃった。ユウ君、マッサージしてよ」

「はああっ? 自分でやってよ」

「自分じゃできないって。胸大きいと肩こるんだよ。はい、おねがぁい~」


 無防備な背中にはブラのラインが薄っすらと浮き出て、細い腰のくびれからはプリッと丸い尻が盛り上がっている。

 短いスカートからは、ムチムチと肉感的な太ももが丸見えだ。


「うっ、ううっ……」


 百合華のスカートが短くて、悠は目のやり場に困る。


「ねえっ、早くマッサージしてよ。弟は姉の肩を揉むルールなんだよっ!」

「そんなルールはねえっ!」


 足をパタパタさせてスカートが捲れそうになり、もう揉まないと余計に困ったことになりそうだ。悠は観念してマッサージを始める。


「んんっ、んあ~っ♡ 気持ち良い」

「変な声を出すなよ」

「あっ、そこからだと揉みにくいだろうから、私の上に乗っちゃって良いよ」


 悠が上に乗ろうとするが、目の前にプリプリしたボリュームの尻が見える。

 肩や背中をマッサージする為に上に乗れば、必然的にお尻の上に乗ることになりそうだ。

 それは余りにもエッチ過ぎて、乗るのに躊躇ちゅうちょしてしまうのが思春期男子だろう。


 結局、少し腰を浮かせたまま悠はマッサージを続けた。


「うい~っ、極楽極楽ぅ~」

「オッサンか!?」


 冗談を言いながらも、義姉のカラダから体温が伝わり、髪からは良い匂いが漂ってくる。もう悠の頭はクラクラしていっぱいいっぱいだ。


(ううっ、お姉ちゃん……エロ過ぎる……。ダメだ、頭がボーっとしてきた……)


 百合華の色香にあてられフラフラの悠は、体勢を変えようとした時にバランスを崩して倒れ込んでしまった。


「あっ!」

 ぷにっ! ぎゅっ!


 ちょうど彼女の背中に抱きつくような形になった。


「………………ユウ君……お尻に何か当たってる」

「うっ、ううっ、ごっ、ごめんなさいぃぃぃぃ~」

「だ、大丈夫だから。ユウ君、ありがとね」


 予期せず姉の体に抱き付く形になってしまい、悠は真っ赤な顔で恥ずかしがる。

 当然、百合華の方も、意識して真っ赤になってしまうのだが。


(ちょ、ちょおおおおおっとぉぉ~っ! 逆光源氏計画のはずが、お姉ちゃんの方が我慢できなくなっちゃうよぉ~)


 もう、お互いに甘酸っぱいやらいっぱいいっぱいだ。


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