第943話 入院?!

「あれ、東川さんは今日はお休みですか?」

今日は体育の実習が終わる最終日なので、東川さんがやらかして悪霊に憑かれていないか確認しようと図書館に寄ったら・・・お目当ての人物がいつもの場所に居なかった。


図書館の中のシフトとか担当場所がどう決まっているのか知らないので、彼の代わりに受付にいた女性に聞いてみる。


「ああ、東川さんだったら先日の休みの日に出掛けて、熱中症で倒れちゃって入院よ〜。

バスの中で倒れて救急車で運ばれたらしくって、健康保険証経由で大学の方に緊急連絡先を知らないかって病院から連絡があったの」

私が東川さんとちょくちょく話していたのを見ていたせいか、おばさんがあっさり教えてくれた。


そっか、街中で突然倒れた場合って健康保険証で雇用主を確認すれば緊急連絡先をそこから見つけるのかな?


指紋で携帯をアクセスできる可能性もあるが、それで免許証の苗字と同じ名前の人間を見つけられるにしても、誰が近しい家族かは判断しにくいもんね。


下手をしたら中の悪い義理の家族な可能性だってあるんだし。


・・・これってマイナンバーカードを健康保険証の代わりに使う様にしたら、どうなるんだろ?

私の場合は自動車免許を取った時に試験所で配っていたドナーカードを財布に入れてあってそれに家族の連絡先が書いてあるが、そう言うのを持っていないと家族を見つけにくそう。


と言うか、書いてあるのが実家の固定電話だからそのうち契約解除しちゃいそうだな。

母親の携帯番号に変えておく方が良いかも?


そう言えば、こないだテレビで知らない間に兄弟や親が死んで、家族に連絡なしに勝手に埋葬されてるなんて事件も起きているって特集をやっていたなぁ。

ほぼ確実に保護者が同居している子供ならまだしも、成人だと一人暮らしの場合が多い。

意識不明な状態で病院に運ばれて死んだ場合、かなりお座なりに自治体が戸籍情報しか調べてくれないせいで、その自治体に親族が住んでいないと連絡すらして貰えない可能性があるって話をしていた。


自治体の職員が調べなきゃいけない範囲って言うのが法律できっちり決まっておらず、職員は減り続けているのに一人暮らしの高齢者が死ぬ数は増え続けているせいで調べるリソースも全然足りていないから、お座なりにチェックして分からないと無縁仏扱いでさっさと火葬しちゃう自治体もあると言う話だった。


そう考えると、碧とハウスシェアしている間は良いけど、一人暮らしする様になったら緊急連絡先とかの詳細をちゃんと常に身に付けておくようにしないとだね。

外出しているならまだしも、家にいた時に救急車を呼んでバッグ無しに運ばれたらヤバそうだけど。

流石に家の中で財布を持ち歩く趣味はない。


それはさておき。

東川さんが熱中症ねぇ。

バスで倒れたって・・・こないだから城跡を探し回って悪霊をくっつけまくってるのが原因じゃないの?


悪霊が憑いて体調不良で暑さに負けたってだけなら良いけど、悪霊が強力過ぎて意識を保てなくなったってんだったらヤバいかも。

流石に死ぬ前に病院側も呪詛や悪霊憑きを調べると思いたいが。


「え〜と、一度お見舞いに行ってみたいので病院を教えて貰えますか?

色々と親しくさせて貰っているんだし、入院が長引きそうだったら歴史本でも持って行ってあげたら喜ぶかもと思うので」


受付の女性に尋ねる。

入院先の情報もある意味個人情報な気がするが、一応知り合いだと認めて貰えていると思うから、教えてくれる・・・よね?


考えてみたら、赤の他人とか大して親しくも無い知り合いに入院先を教えられてお見舞いと称して押し掛けられたらかなり嫌だから、それこそ社会人として働いている時に職場で入院先の情報をばら撒かれたら困るな。

そこら辺の線引きってどうなっているんだろ?


「まあ、長谷川さんだったら東川さんと親しくしていたものね。

ウチの大学病院に居るわ。でも、具合が悪そうだったら長居しないですぐに帰ってあげてね?」

おばさんがあっさり教えてくれた。


あれ?

大学の職員だからそこに運ばれたのかな?

それとも単なる偶然?

・・・と言うか、大学病院って救急車の受け付けってしてるんだっけ?

いや、救命科もあるんだから当然それを教える為に救急車の搬送も受け入れているか。


取り敢えず。

しょうがないから悪霊は祓ってあげるかな。

無料サービスは良く無いんだけど、入院中じゃあ流石に神社まで厄祓いに行けとは言えないし、救急車で運ばれて入院するほどの悪霊だったら神社の厄祓いでは足りないかもだし。


・・・単に城跡を探すのに夢中になってて水分補給を忘れてた可能性もあるが。

いや、流石にそれだったらもう退院してるよね??











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