第855話 マジで秘書だった!!
「それじゃあ、天罰お願いします!」
碧が白龍さまに頼んだ。
2日間で横田氏はそこそこの量の後ろ暗い
公開情報なのだが、ジグゾーパズルのピースの様に嵌め込んで絵にしてみると中々エグい利益誘導な実像が見えてくる。
ついでに公開情報じゃないけど
『それなりに田舎町のネットワークで情報が入るんですよ〜』と言っていたが、だったらなんでそんな人達が当選しているのか不思議だが・・・与党のお偉いさんに美味しい思いをさせて党の公認を貰えれば、別の地域の利権団体とかの票田で纏まった数の票が入るのかね?
農協とか郵便局とか、医師連盟とか。地元の住民の利害とは必ずしも一致しない業界や自分たちの利益の為に選挙を動かそうとする団体はそれなりに沢山あるらしいからなぁ。
まあ、それはともかく。
碧パパが『臭い事やってるみたいだよ』と唆して自力で色々と情報収集を始めていた週刊誌の記者へ貰った情報を渡したところ、既に入手してあった情報で記事を準備し始めてあり、編集長からオッケーは出ているそうなので追加情報の裏取りが出来れば来週にでも特報として出版すると言っていた。
それを聞いた時は『週刊誌でも裏取りなんてするんだ?』と驚いたけどね。
ちゃんとした新聞ならまだしも、週刊誌とかタブロイド紙とかは適当にでっちあげに近い情報でも売れるなら記事にするのかと思っていた。
碧パパが連絡する様な週刊誌はまともな所なのかな?
週刊誌は読まないのでまともなのがあるか知らないんだけど。
まあ、それはともかく。
世論を煽る方は手を打ったので、次は白龍さまの天罰と退魔協会への依頼破棄の連絡だ。
ついでに誰まで天罰が下るかで関係者が分かる期待もある。
『うむ』
白龍さまが応じ、薄っすらと光が飛んでいった。
おお〜。
天罰って下す時にこんな感じになるんだ?
天罰で助けられた事はあるけど、今まで実際に下している場面を目撃した事は無かったかも。
ちょっと神秘的だ。
単なる魔力じゃ無いんだね。
この世界に住んで氏神として祀られている間にいつの間にか出来るようになったって言っていたから、生来の幻獣としての龍の能力とはちょっと違うのかな?
『神様』の権能が何処から生じているのか不明だけど。
まあ、悪霊だった存在でも祟りを宥めようと頑張って祀られると天神様の様に神様にランクアップ出来るんだから、魔力は必ずしも必要ないんだろう。
そう考えると信仰対象を1柱に制限しちゃってるキリスト教とかイスラム教って勿体無いよね。
もっとも、イスラム教は知らないけどキリスト教は聖人を崇める事もあるっぽいから、あれは氏神さまちっくな権能をゲットする事もあるのかも?
詳しい事は不明だが。
まあ、今の時代じゃあ誰もそれほど真剣に祈らないだろうから氏神さまもどんどん減りつつあるんだろうなぁ。
いや、イスラム教なんかの過激派は一応真面目に祈っているのか?
なんか上手くいかない事は全部神の敵のせいみたいな八つ当たり混じりなカルト信仰に近くなっている気はするが。
キリスト教もイスラム教も、大元の聖書には人殺しは良くないと書いてあるって話なのに、昔の十字軍も今の過激派も、やたらと宗教を言い訳に人を殺しまくっているのが不思議だ。
少なくとも神と話せる愛し子が存在し、実際に神が人の世界に関与する事もある前世では神の名を借りて人間の都合で始める様な宗教戦争はあまり無かったから、その点だけはあっちの方が良かったなぁ。
まあ、それはさておき。
暫し沈黙していた白龍さまが再起動した。
『どうやら、政治家の息子が土地神の排除を指示したようじゃの。
退魔協会は単なる無能な調査員のせいだったようじゃ』
おや。
流石に意図的に碧を嵌めようとする様な馬鹿は退魔協会にもそろそろ居なくなったか。
取り敢えず、今回の依頼破棄の連絡の際に苦情を上げよう。調査員に厳重注意を求めると共に、ちゃんと調査員の教育をしないと次は調査部署及び依頼処理の部署の職員全員に天罰が落ちるかも?と脅しておけば良いだろう。
「え、マジに政治家じゃなくてその秘書が勝手に悪事を指示していたんだ?!」
碧が驚いた様に声を上げた。
そういえば、今回の政治家の息子って父親の秘書をしているんだっけ。
『秘書がやりました。自分は全く知りませんでした』は嘘つきな政治家の言い訳の常套句だと思っていたけど、マジで政治家本人は知らなかったんかぁ。
まあ、利益誘導の無駄な工事そのものは政治家主導だろうけど、土地神さまを排除しようなんて言うけしからん事を考えて指示したのは息子のアホな暴走だったんだね。
自分の悪事が漏れる上に跡取り息子まで天罰を喰らうとは。
踏んだり蹴ったりだね。
ざまぁ。
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