第1章 第10話
真樹夫は抱えてきたダンボール箱をリビングルームのテーブルの上に置いた。ダンボール箱を開けながら真樹夫が言った。
「これはよく輝夫が遊んでいたブロックだよ」
「あら懐かしいわね。2歳の頃だったかしら・・・これでよく遊んでいたのは」
「そう言えば都心の風景を模したものをよく造っていたよな」
「テレビで東京都心の風景を特集していた番組があって、その映像をみて輝夫が必死にブロックで造っていたことがあったけど。その時本当にすごいと思ったわ」
「あれ・・・こんな写真が入っているけど。うーん、東京都心の風景を模して造ったものだね。でもこれ今の東京都心の風景だよね。この写真・・・輝夫が2歳の時のものだから2007年かな。この時代になぜ今の時代の都心の風景が造れたんだろうか?でも僕はこの最新の都心の風景のブロックは見た覚え全然ないんだけど。もちろん写真も撮った覚えがないんだけれど」
「わたしも最新の都心の風景を輝夫がブロックで造ったことは全く覚えていないわ。とにかく覚えているのは、輝夫があの当時の都心を見事にブロックで造ったこと。そしてそれにわたしは本当に驚いて、感心したことだわ。あなたが写真を撮ったことも全く覚えてないわ」
「輝夫に聞いたとしても2歳だったからな。今の輝夫にそんなこと聞くのは可哀想かな?」
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