第20話 光魔法
光魔法って漫画のレーザーや十字架のバリアとかのイメージだけど、実際にもとから使えるフシルに教わりながら攻撃するってめちゃくちゃ派手で扱いにくいね!
人型魔獣さんが泥水を何度も壁を作っては、そこに教わった聖なる矢ホーリーアローを打ち込む。
ホーリーアローで泥水が散り、地面に落ちた後を見るとジュッって音がして煙が出るから絶対当たったら溶けそうなので、フシルの風魔法でこちらに、はねる前に泥の泉に戻してもらってる。
壁を崩し終わったら、すぐさま聖なる光線ホーリーレイを発射させる。私が下手くそすぎるのか、人型魔獣が避けているのか、外部に掠る程度で胴体に当たらない!!
「マナカ!もっと標準合わせて撃て!」
単純に下手だった!!
沼地から離れて、木の影から応援してくれると期待したら野次かい!
「そう怒鳴られても!わっ!!ドロドロが!!私を狙って!!
合わせられません!!」
そう、泥の水滴が飛んでくるだけでなく、沼のドロドロが手のように拳を作り振り下ろしてくる。
解雇されたゴーレムみたいに!!お前!そこで活躍してたんか!!
拳に潰されず、逃げるのも精一杯で、なかなか上手く攻撃できない。
フシルは翼を使ってすいすいと避けてはいるが、覚え始めの風魔法でいっぱいいっぱいで得意の光魔法がうまく活用できていない。一応身体強化もしてるから、飛ぶ速さはすごいです。むしろ、それのせいかも…
余計なことした……ごめんよ……
「主様!
「ホーリークロスって!?」
「あやつの上に大きな十字架を叩き込むイメージだ!」
大きな十字架……十字架って教会のよね!!そうよね!
わぁああ!また拳きた!!
えぇい!よくわからないが白くて大きい十字架!!
と十字架と一緒になぜか雷をイメージしてしまった。
バリオンさんが上って!叩き込むとかおっしゃるから!!
【ア”ア”ア”ア”!!!】
天から白い柱が降り注ぐ…いや、たらい落としが如くズドーンと十字架の形になって、魔獣の上に落ちる。
魔獣は十字架の光に包まれ、叫び声をあげるので効果抜群と思いたい!!
「い、いけた…?」
光に包まれ、攻撃してきていた拳は地面の上でペチャっと形崩れる。
叫び声を上げ、沼の水面に下半身を浸らせた魔獣だったが、倒れこみはしなかった。
頑丈過ぎないですか!?
結構光魔法を放ってますが、変化も見慣れないし……バリオンさん…適当なこと言ってないよね…
「濁りが少し、薄れていってないか…」
薄れて…?
人型魔獣の周りはどす黒いままでわからなかったけど、端の方から徐々に透明になっていってる…
それを察知した人型魔獣は、端々を首を右左と振りながら観察した。
とうとう、魔獣さんの半径20mぐらいまで透明が侵食し始める。魔獣さんは慌てることなく、手を上に掲げると、木の枝が救助するように沼の中心まで寄っていく。
それを魔獣さんは掴み引き上げてもらい枝の上に立ち上がる。
自然味方につけすぎじゃない?野生児か
「ねぇ、あの魔獣さんさっきよりドロドロ少なくなってない?」
「言われてみれば、でございまする…」
「弱ってきてる証拠か?」
「たたみかけるぞ
マナカ、フシルから最大級の光魔法を教えてもらいなさい」
「さ、最大級…」
「わ、私最大級なんて放ったことないでございまする!?」
でた、バリオンさんのむちゃぶり
でも…
「フシルが知るすごい技、私に教えてくれれば勝手にやってみるから大丈夫!」
「……
「ホーリーウェイブ……」
聖なるって言葉多いな…覚えやすくていいけど……
って、また泥の攻撃きた!?
「わっ!!話してる途中なのに!!
フシル達無事ー!?」
「は、はいでございまする!
私のことよりも!主様が危ないでございまする!」
透明になった沼の中心上に、枝を支えに立っている魔獣。ここまで来れないのか、そこでドロドロの塊を機関銃みたいに投げつけるだけをしている。
それらは、全然的外れなとこにいくので、避けるだけでいいと楽観視したが、それは時期早々だった。
塊は、最初に目撃したブラックスライムのように動きだし、襲いかかってきた。
「げぇえ!?またこいつらなのね!!いい加減スライム系は飽きました!!」
「こいつら!!かみちぎってやる!!」
一つ一つホーリーアローを撃っていくけど、キリがない!
フシルも風魔法や光魔法で、夜一に当たらないようにしてくれてるし、夜一は夜一でフシルに跳びつきそうなブラックスライムを噛みつきにかかってる。
「フシルー!ホーリーウェイブってどういうのー!」
「波でございまする!波をイメージしてくだされ!!」
波…海の波かな…
小さいのじゃだめよね、大きいサーファーができるぐらいの波!!
「マナカ!!目の前!!」
バリオンさんが忠告すると同時に両腕を前に伸ばし、手のひらから放出するイメージをつけた。
【【【グガァァア゛ア゛ア゛!!!】】】
私を中心に白い光が大きく、波紋が広がる
全体を照らしていく波紋は、いくつも散り散りになっていたブラックスライムを浄化するように消していく。
人型魔獣は避ける間もなく、光の波紋に身を委ねた。足場の木も一緒に錆びれていくみたいに、ボロボロと崩れ落ちていく。
足場も抵抗力も無くした人型魔獣は、すっかり透明になった元沼に、静かに落ちる。
一度沈み、浮かんできた人型魔獣は、ドロドロがなくなり、黒みかかった灰色の肌を覗かせている。
【ゴ……ナ゛…サ゛イ゛……】
今謝った…?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます