第13話 初戦闘
獣魔法?で腕が夜一みたいに変身したはいいものの……
攻撃ってどうすればいいのよ……
腕振り回せばいいんか!?
攻撃の仕方を思考を巡らせているうちに、ゴブリンたちは痺れを切らしたのか、一匹だけ膝を曲げている状態から思いっきりジャンプをしてきた。
「カエルみたいに跳んでくるのやばいって!?」
またもや頭上から襲いかかられそうだったので、爪を構えて、ゴブリンに当たるように腕を振り上げる。
「グギャァアアアア!!」
ゴブリンに当たった感触はなかったけど…
というか、一体倒せた?
緑色の石が落ちてる…
血が当たる前にドロップしてくれてよかった…
グロいのは勘弁願いたい…
「す、すごいでございます…一振りでジャブゴブリンを倒すなんて…それも爪の風圧で…」
感触なかったのはそういうことね
「ヤ、ヤラレタ…アイツヤラレタ」
「アイツヨワカッタ、ダカラカテタ」
「オレラツヨイ、アンナマヌケソウナノニマケナイ」
一匹のゴブリンが倒され、困惑していた他のゴブリンたちは私の姿を確かめると
一様にこん棒や小刀を持ち、カエルのポーズのままで戦闘態勢に入る
その姿勢されると、なめられてる気がしてならない
いや、会話でマヌケって言われてたわ……
「私のどこを見てマヌケと思ったんじゃい!」
「「「「!?」」」
え、なんでそんなに仰天したの
モフモフ生物は首を180度横に傾げている、可愛いです。
…………あ、普通だったらわからないのか
ナチュラルに耳にしてたから忘れてた
「イマ、オレラガイッタコトイッテタ」
「アイツコトバワカル」
「ソンナノカンケナイ、オレラアイツコロス」
「ソウダカンケナイ、コロス」
「「コロス」」
めっちゃ物騒なんですけどぉお!?
「マナカ!補助魔法も使って、身体強化もしておきなさい」
「ドラゴンさん!さっきからやってみろばっかりですけど!教え方下手過ぎない!?」
「我教えるの初めてなんだもん」
700年以上生きてるドラゴンがもんって言ったよもんって
すぐ拗ねるんだから…
「アイツヒトリデシャベッテル」
「ヤッパリマヌケ」
「アホダ」
違いますけどぉ!?
ドラゴンさんのせいでアホ認定されてる、このままだとモフモフ生物にかっこつかない!
気が落ち着かずもぞもぞとしていたら、ゴブリンたちはチャンスとばかりに一斉に跳び上がる
補助魔法がどんなものかわからないがイメージだと身体を守る感じ?
イメージを広げ気合いを入れたら、全身にフワフワと着こんでる感覚になる
そのまま、降ってくるゴブリンが振り下ろす武器たちをよけると、想像以上にいた場所から離れていた。
私の推定15mかな?ゴブリンたちは私が消えたと思ったのか周りをキョロキョロと探し始める
その隙を狙い、後ろに回り込み腕をクロスするみたいにゴブリンたちに風圧をあてる
風圧は、爪の斬撃のように形となり、ゴブリンたちに命中させると
少しの血しぶきをあげ緑色の石や金貨の束をドロップした。
「うむ、初めての戦闘にしては、まずまずだな」
偉そうなことおっしゃてますが、まともに教えらてませんがね
「じゃ、ジャブゴブリンをすべて打ち取ったでございます…
一体この御方は……」
フクロウに似たモフモフ生物は片翼で口元を覆い、もともと大きい眼をさらに大きくかっぴらかせてる
その仕草、私の癒しです。抱きしめてモフモフそうな首元に顔を埋めてよろしいですか。
私の邪なオーラを感じ取ったのか、全身をびくっとさせ恐る恐る様子を伺っている
「えっと、お話ししていいかな?」
自分に話しかけられたとと知ると、またもやビクッとさせるフクロウもどきさん
その反応にショックを受けながらも、なるべく怖がらせないようにやさしく声を出していく
「怪我とかは大丈夫?」
「…………コクッ」
よかった、そう微笑んで見つめるとフクロウもどきさんは一時口をポカンとさせた後、翼を手前でもじもじし始める
「あ、あの…あなた様はもしかして、私の言葉も理解できているんでございますか…?」
「うん、私のユニークスキルのおかげでね」
「だから、ジャブゴブリンとも会話できておられたんですね…」
会話…馬鹿にされてただけだけどね…
「そ、その!ジャブゴブリンからお助けしていただき
ま、誠にありがとうございまする…!そ、それと!か、勝手ながらなのですが…」
恥ずかしがりやなのか、途切れ途切れに一生懸命に話していて、荒れていた私の心を和ませてくれる
どうしよう、抱きしめたくて手がワキャワキャしちゃう
「あなた様と行動をお供してもよろしいでございましょうか!!」
「うん、いいよ」
「即答か!?」
ドラゴンさんいきなり大声出さないでうるさい
「お主もう少し慎重に物事を考えんと酷い目にあうぞ…?」
「ドラゴンさんに散々酷い目に合わされてるのに、これ以上なんの被害に合うっていうのよ」
「辛辣じゃ…」
こっちは夜一と離れてモフモフ不足なんじゃい!!
シクシクと石から越しでも分かりやすく泣きまねをするドラゴンさんを無視して、フクロウもどきさんに目線を合わせる、それと同時に獣魔法が解けるよう力を抜くと毛や爪が消え、いつも通りの腕に戻った
イメージすれば案外いけるもんなんだ
「行動をお供ってどこまで一緒に来てくれるの?」
膝上に腕を乗せながら質問すると、その腕に両翼を這わせ
「できれば…一生涯」
「へ…?」
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