第12話 初魔法
只今の天気曇り、気温はそこそこ肌寒いので20℃ぐらいでしょう。
もしかしたらモンスターに襲われる確率今のところ30パーセント(予想)
……………
「じゃなぁぁあああいぃぃいいい!!」
景色が移り変わったと思ったら、着いた場所は不気味な森で、夜一は一緒にいないし!
木はある程度萎れている葉っぱがついてるけど、自分の周りぐらいしか観察できないし
どこで鳴いているか分からないゾンビっぽい声や鳥の怖い鳴き声が耳に入って怖いし
曇っているからなのか、辺りが暗くて不気味さを増すし!!
風は、気持ちいいとは言えないぐらい肌を刺すような寒さで鳥肌がたつし!
…夜一のもふもふに包まれたい…どこにいるの…
「すまぬなぁ!
間違えて別々の場所に移動させてしまった!」
もらったネックレスから、てへぺろと効果音が出てくるような声色でドラゴンさんが話しかけてきた
全く悪びれた様子が伺えず、文句を発しようと口を開くが、ここで物申しても今の状況を変えられると思わず。ため息をつくだけにした。
「ダイアウルフは人間よりも聴覚、嗅覚が優れておるからすぐにみつけてくれるだろ!」
他人事みたいにいって…
「……というか、ドラゴンさんさっき安全な場所とかほざいてたけど
この森、どっからどう見ても危険なモンスターが潜んでそうで怖いんですけど!」
「お主の目は節穴か?そこほど緑豊かな大地はなかろうに!」
「ドラゴンさんこそ目が腐ってるわ!」
どうしよう、会話が成り立たなすぎて口が悪くなってしまう!
「……首飾りの石を握りしめ、魔力を注いでくれぬか
お主の視覚を少し借りたい」
借りたいって…見えてなかったのね
そりゃ会話が成立しないわけよ
お願いされたとおりに透明な石にそっと触れる
いや、魔力ってどうやって注ぐのよ
てか、魔力私あるのね
気合いとか入れればいいんか
フンッ!
「………ここはニンフという精霊が自然を守っていたはずなのだが、
どうして、これ程までに濁ってしまっているんだ」
これでよかったんかーい
石に魔力を入れられたのか仄かに薄く光っている
「荒れ果ててるんじゃなくて、濁ってるって表現はどうして?」
「闇の魔力が森を覆っている、そのせいで色鮮やかに咲き誇るはずの花や木々が濁ってしまっているんだ」
なるほど…
「それだけじゃなく、魔獣も沸き放題になる
気をつけなさい」
ねぇ!今フラグ立ててません?!
それ襲われるフラグでは!?
無理よ!?これでもか弱い乙女よ!?
てか、デジャブ!?
「そこの御方ぁあああ!!そこをどいてくださいましぃいいいいい!!」
という叫び声と共に目の前から白い塊が勢いよくお腹に突進してきた
「ぐぇえっ!!?」
到底、か弱い乙女が出すような呻き声をじゃない私にドラゴンさんが笑ったこと
私はしっかりと耳にしました。覚えてなぁ!
何とか、倒れず受け止めることができた塊は、抱きしめると肌触りが良く
モフッとした
は、癒し
「に、逃げてくださいまし!ご、ゴブリンが!
ジャブゴブリンが大群で跳んできています!!」
跳んできてる……?
「シャァアアアアア!!」
「えぇぇぇええええ!?」
上から降ってきた!?
ど、どうしよう!?
対抗手段が思いつかず、ぶつかってきたモフモフを抱きしめ、腕で攻撃を防ぐ
「グギャァア!!」
鋭い痛みがやってくると覚悟して目をつぶっていたが、衝撃音とゴブリンのやられ声が聞こえた
恐る恐る目を開けると、ゴブリンが何が起こったかわからずに首を傾げる。
私も傾げたいわ
「レベルがあがって、弱い攻撃が効かなくなっているんだな」
あぁ、耐性ってやつね
「もしかして私、攻撃とかできるようになってる?」
「多分な
試しに腕に魔力を込め、夜一を思い浮かべてみなさい」
込め方いまいちわからんて…
モフモフな動物をとりあえず下そう…
腕に抱えているモフモフを地面に下すと、自分の世界でも見かけたことがある動物の姿をしていた。
……フクロウ?目がくりくりとして、ゴブリンが弾けたのを驚いているのか、体が少し固まっている。
ごめんね、今は一旦倒そうと思うから、あとで話そうね
さて、気合いを入れる感じでいいんだっけ?
夜一…夜一は爪とか強そうだったなぁ
フンッ!
「腕に毛が生えた…」
毛…そして、肉球…
手の先から関節あたりが夜一と同じ黒い色の毛が生え、手のひらは肉球ができていた。
さらに、丸い人間の爪とは違い、鋭く尖った爪が形成されていてたまげてしまった。
「それが獣魔法だ。
丁度力が試せるようにゴブリンたちが集まってきたぞ」
ドラゴンさんの言葉通り、ゴブリンがわらわらとカエルみたいに膝を曲げながら跳んで集まってきた。
「なんでカエル跳びなの!?普通に歩けや!?」
おかしい…おかしいぞ…スライム以外まともなモンスターに遭遇してない
どうなってんだこの世界……
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