368坂 ブターウォーズ3 ~王女の帰還

 権力をにぎり、私利私欲の限りをつくした貴族たちを捕えて、やっと王都へ戻ることができました。


 これもひとえにブタ殿たちのおかげ。


 彼らの力がなければ、いまも野放しだったでしょう。


 感謝しかありません。




 ガララ──────────。




 ?


 ブタ殿がスケボーにのって坂道をおりてきた。


 おかしいですね。


 合流は明日のはずですが。


 !?


 ブタ殿、杖を私に向けて魔法を──。




 バババババババババババ!




 思わず銃を使いましたがこれは、貴族の残党が家畜の豚に魔法をかけてブタ殿の姿に変え、私を暗殺しようとしたようです。


 幸い、私はブタ殿から訓練を受け、いざという時は自分たちの姿をしていても容赦なく撃てと助言されていました。


 それがなければ危なかった。


 弾丸は魔法と戦意を無効化するものですから、豚も気を失っているだけですし、あとは魔導士たちにお願いしましょう。


「……」


 こういうことまで想定して、ブタ殿、ありがとう……。

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