358坂 ブターウォーズ2 ~魔法貴族の逆襲

 いくらブタたちが銃や光の剣を使おうとも、対物理・対魔法の結界を張ってしまえば無効化できる。


 王女派の主力であるブタたちさえおさえれば我ら貴族派も巻き返せるからな。


 いままでどおり、金と権力にものを言わせた体制で好きにさせてもらう。




 ガララ──────────。




 ブタが車輪のついた板にのって坂道をおりてきた。


 赤い布を頭に巻いて、袖のない白い服を着ている。


 雰囲気から察するに武闘家のようだが、その拳がとどくまえに我が槍のさびにしてくれる。


 む。


 ブタが両手を右腰に据えて力が溜めると、そこから儂に向かって突き出し、何かを撃った。


 魔力ではない、なんだ、この力は。


 ぐは!


 結界も効かず、槍でも防ぎきれんかった。


 全身がびりびりと痺れて起き上がれん。


「……」


 ブタめ、魔力ではない未知の力も操るのか。

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