317坂 ジュウシ参上!

 くっくっく、他愛もない。


 まあそれも当然か。


 いかに王族といえど十四歳の小娘だ。


 魔法の才能があったとしても現状、こんなもんだろう。


 異世界の東京とか言うところに逃げ込んだときは焦ったがな。


 さて、気絶してるこの王女を回収して帰還するとしよう。




 ガララ──────────。




 ?


 ブタが車輪のついた板にのって坂道をおりてきたぞ。


 しかも灰色のまだら模様をした服を着て、黒い物を両手で構えている。


 なんだあれは?




 プシュ、プシュ。




 ぐ!?


 腹に矢で射られたような感覚。


 血は出ていないが、全身が痺れて、意識が薄れていく……。


 これは、魔法ではない、何かの武器か……。


「……」


 そうか。


 だから王女は、ブタを頼って、ここへ──。

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