267坂 ゆき世たま

 白。


 白だ。


 真っ白。


 まわりがすべて白一色。


 白だけの世界。


 あ。


 何か降ってきた。


 雪か。


 冷たい雪。


 きれいな雪。


 いいよな。


 そうだ。


 あっちへ行ったらどうなんだろう?




 ガララ──────────。




 ブタがスケボーにのってる。


 角度がついてるから、坂なのかな。


 こっちへ向かってきてるぞ。


 しかも必死の形相で両手を振ってるから、来るなってこと?


 まあ、無理に行く理由もないからいいけど。


 て。


 あれ、なんで俺はここにいるんだ。


 ……。


 確か、登山に誘われて、そして──。





















「おい! しっかりしろ! おい!」


「……」


 そうだ。


 雪山登山をして雪崩に巻き込まれたんだ!


 だが。


 仲間の顔と青空が見える。


 俺は、助かったんだ。

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