263坂 初午

 今日は初午。


 農業の神である稲荷神にお祈りして五穀豊穣を祈願するんだ。


 稲荷神の使いであるキツネにもよろしく頼むように、好物をもって神社にお供えする。


 そうすれば今年もりっぱな作物がとれるな。




 ガララ──────────。




 巫女装束を着たブタがスケボーにのって坂道をおりてきた。


 両手いっぱいに手紙を持っているようだが、配達というわけでもないようだし、どういうことだ?


「……」


 もしかしてあのブタ巫女も神様の使いなのか?


 だとして、いったい、何の神様の使いなんだろう。


 わからんが、一つ言えることは、ブタのなかにも神の使いがいるってことだな。

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