211坂 夏休みの最後には

 今日で夏休みも終わり。


 宿題は全部、済ませてるからそれはいいんだけど。


 なんか寂しい。


 田舎にも行って、おじいちゃんおばあちゃんに会って、お墓参りをして、お出かけもしたけど、なんか物足りない。


 は~~。


 何か、この夏はこれだ、みたいなことがあれば良かったのに。




 ガララ──────────。




 ブタさんがスケボーにのって坂道をおりてきた。


 皮製の帽子に皮製のジャケットを着て、どこかの考古学者みたい。


 なんか慌ててるけど。


 て。


 え。


 道路いっぱいの大きな鉄球が転がってきた!?


 や、やややヤバい。


 ここに居たらぺしゃんこになっちゃう!


 逃げなきゃ。


 で、でも。


 身体が動かない。


 わわわわわ。


 もうだめ!




 ガッ!


 ドボーン!




 あ、あれ?


 わたし……。


 川のなかにいる。


 そして目の前にはさっきのブタさんだ。


「……」


 もしかして、わたしを助けてくれたの!?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る