203坂 どうせ作るなら笑顔を生み出すものに

 どんなに正当化する言葉をならべても。


 多くの人命が失われたのは間違いない。


 その方法でなくても解決策はあるんだから、そのなかから選べばいい。


 大きく海を挟んだ他国だからどうでもいいなんて、もってのほかだ。


 われわれ科学者人は殺しの道具を作るために存在しているわけじゃない。


 国を越えて多くの人の笑顔を目指して頑張っているんだからな。




 ガララ──────────。




 ブタがスケボーにのって坂道をおりてきた。


 ビン底メガネをかけて白衣を着てるし、手には書類が入ってるらしい封筒を持っているから、俺と同じ科学者かもしれない。


「……」


 ブタよ。


 何を作るのか知らないが、それが平和なものであることを祈るよ。

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