194坂 たなばたたなばた

 今日は七夕。


 それになぞらえてるわけじゃないし、一年に一回ってほどじゃないけど久々に奈々子ちゃんとデートだ。


 ここは彼氏として、びしっとカッコよくきめたいよな。




 ガララ──────────。

 ガララ──────────。




 二匹のブタがそれぞれスケボーにのって坂道をおりてきた。


 中華っぽい服装と、今日という日から察するに織姫と彦星のイメージなんだろうけど、より決定的なのは背中につけられた笹。


 たくさんの短冊があるから七夕の笹飾りで間違いない。


 でもなんで背中につけてるんだ?


「……」


 願いを背負って気持ちを受け止め、かなえようとする意志のあらわれ、だから?


 わからん。


 お~い、ブタよ。


 ちょっと聞かせてくれ~。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る