138坂 1月11日11時11分11秒

 お!?


 いま腕時計を見たら11時11分11秒だった。


 1が六つのゾロ目。


 しかも今日は一月十一日だから、その瞬間、1が九つ並んだんだ。


 なにか奇跡が起きるかも!


 て。


 高級そうな背広を着たブタが街路樹の前でぴょんぴょん跳ねてる。


 ああ、なぜかスケボーが枝に引っかかって取れなくなってるんだ。


 ほら取ってやるよ。


 いや、いいって。


 何度もお辞儀されるほど大したことしてないよ。


 じゃな、気をつけてな。




 ガララ────────────────────。




 ブタはそのまま坂道をおりていった。


 こんなこともあるんだな。


 ?


 あれ、内ポケに何か入れてたっけ?


 封筒、ブタの顔と[感謝]の文字が書いてある。


 中身は、札束!?


 まさかさっきのブタ、お礼のつもりで手品的に入れたのか?


「……」


 奇跡だ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る